競輪は人と人の絆があればこそ

　それをつくづく感じたのは3月9日の静岡競輪9Ｒ準決勝でのこと。そもそもこの開催に龍之介君の父、成清貴之さんが参加していることに驚かされた。まだ心が癒えるはずもないのに…。「走る事がせがれの供養に…」この思いに心を突き動かされた人たちは大勢いたのでは。

　先行タイプの末木浩二を相手に堀内俊介が押さえて逃げた。堀内も成清さんの思いをいつも以上に汲んで走ったのだろう！ 番手回りの成清貴之は佐藤和也のまくりを止める。ゴール勝負は杉森輝大に追い込まれたが、決勝戦に乗った。「人の繋がりとラインの絆の深さ、これこそ競輪だ」独り言のように呟き、なんとも言えぬ感動と、諸々の思いが込み上げるオレがいた。

中部王国復活のキーワード

　2月豊橋記念で吉田敏洋が優勝し、中部勢の劣勢が囁かれる昨今にクサビを打った！ 大垣記念で勢いを増し、巻き返しなるか？ 上位陣には個で立ち向かうのは困難、“一枚岩”で戦うことが不可欠だろう。濱口高彰、山田裕仁、ヤマコウの巨頭がいたころの中部は統率が取れていた！ 中部王国復活のキーワードは“一枚岩”だ！

準決勝、上田尭弥は自信を持って決勝へ行くだろう

　10Rで準決勝一番乗りは浅井康太。逃げた竹内雄作の掛かりがよく、浅井はバックで車間を切り睨みを効かせる。3番手にはまった吉田は「蛇に睨まれたカエル」で金縛り状態になっちまった！ あれでは4コーナー勝負がやっと！浅井は竹内を残せなかったが、番手の仕事はしっかりとこなせたのでは。

　11Rは皿屋豊が主導権を取る。後方から早い仕掛けの北津留翼だったが、中程までで失速。柴崎淳が平原康多の仕掛けに合わせて番手まくりでゴール前までデッドヒートを展開したが、平原に軍配が上がった。

　12Rは上田尭弥が逃げ、中団から古性優作が先まくりに行くが、行き切れず。前団を見極め郡司浩平が2日間のうっぷんを晴らすような鋭いまくりで快勝した。上田は逃げて決勝戦に乗ったのは自信になるはずだ。

妄想先取りレース実況！ SSの上位独占が濃厚だが中部に勝機あり

　決勝戦の妄想展望だが、まずは並びから。①浅井康太-④柴崎淳-⑥原真司の中部勢、⑨吉田拓矢-②平原康多の関東コンビ、③郡司浩平-⑤守澤太志のSSタッグ、単騎戦となるのは⑦古性優作、⑧上田尭弥。(⇐①④⑥・⑨②・③⑤・⑦・⑧)

　スタートは浅井-柴崎-原で前受け。枠なりで吉田-平原の関東。単騎の古性は関東コンビの後あたりで様子をみる流れだろう。そこに郡司-守澤が続き、最後尾は上田。

　勝負どころで郡司-守澤のSSコンビが動き前に出て上田を受ける作戦に出るとみるが、上田に古性が乗っていることもあるだろう。準決勝で修正してきた郡司なら、ここからまくって守澤とのゴール勝負に持ち込める。吉田に乗り突っ込む平原がどこまで迫るか？ まあ終わってみれば、S級S班3車の上位独占が濃厚なのでは。

　さて、ここから本格的な妄想に入るとしようか。このレースのキーマンは単騎でも上田！ 先行選手は単騎でも疼くのだ(^^)

　郡司の前受けで浅井はこの後。吉田が切れば、その上を浅井が切る展開に。上田の先行力を体感している古性が流れで上田につくのは自然な並びだ。となれば、最終ホームは⑧上田-⑦古性-①浅井④柴崎⑥原-⑨吉田②平原-③郡司⑤守澤。

　吉田、郡司の仕掛けに合わせ、ここまで万全な状態の浅井がまくる。中部に流れを引き戻す渾身の一撃を放ち、ここで豊橋記念の再現が炸裂、柴崎がＶ。浅井の残りに平原、守澤あたりが突っ込み、今回の妄想は完結するベ(*^^)v

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