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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

【いわき金杯争奪戦予想】決勝メンバーの中で一番勝負強い男/決勝レース展望

2021/02/28 (日) 12:00 2

いわき平競輪場で開催されている「いわき金杯争奪戦(GIII)の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時30分発走予定。


“大御所不在”という醍醐味

 全日本選抜競輪が終わった直後でSS班が不在。記念優勝のチャンスは大きく拡がり、誰が獲っても不思議ではない。いつもなら大御所の存在が他の選手に「この人にはかなわね〜!」と思わせる威圧感や諦めさせるような雰囲気を与えるもんだ。大御所の不在でレースは面白くないのでは? と懸念する人もいるのでは? いやいや逆にこれがおもしろい。

 例えは悪いが、大晦日の紅白歌合戦の裏番組とも言おうか。さりとて裏番組がつまらないとは思えず、むしろ趣向を凝らしおもしろい企画やらで番組が盛り上がったりする。ちなみにオレは国民的な紅白歌合戦よりも、そっちの方を好む天の邪鬼な面もある! 勝ち上がりの段階でも番組マンの意図することがよくわかる。「ウマイ車券」のコーナーは一捻りし、番組マンを出し抜いてやろう! と奮闘するが、苦労の連続…(T-T)/

準決勝、飯野祐太の野望に黄色信号

 準決勝10Rは朝倉智仁、河野通孝で前受けから櫻井正孝が押さえ、その上を川村晃司が叩き逃げる。朝倉がすかさず巻き返し河野とのワンツー決着で決勝戦一番乗りを果たした。

 11Rは吉田茂生の逃げを坂本貴史がまくるが失速し、飯野祐太だけが抜け出した。足掛かりをなくした飯野、地元記念優勝の野望に黄色信号が…!12Rは桐山敬太郎を逃がし、主役の森田優弥がドッカリ構えひとまくり。マークする隅田洋介が一瞬口を開くほどの鋭いダッシュは決勝戦でも炸裂するか!?

妄想先取りレース実況! 去年のレインボーカップを思い出せ

 決勝戦は地元の①飯野祐太-④庄子信弘。枠なりで並ぶはず。⑧朝倉智仁-②森田優弥-⑤河野通孝で3車の並び、⑦隅田洋介は単騎だ。近畿は⑨村田雅一が前で③鷲田佳史-⑥西岡正一。村田はハコ含め強気な攻めだ。(⇐①④・⑧②⑤・⑦・⑨③⑥)

 勝負所を迎え、朝倉が主導権を取ったとき、近畿のマーク屋の看板を背負っている以上、村田がやることは決まっている。逃げの番手を狙うしかない! もちろんそれは朝倉の後位狙いだろ。森田はヨコも器用な選手だ。おいそれとはとられることはない。そして、前のもつれは長引くだろう!

 となれば狙いすましてまくるのはこの男、隅田洋介だ。根拠ならある。去年のレインボーカップを思い出してほしい。あの時も隅田は単騎で強烈なまくりを炸裂させて見事にVをもぎ取った! 勝負強さはメンバー随一だろう。

勝負強い隅田洋介の走りに注目したい

 この展開なら、続くのは飯野だろう。隅田が早い仕掛けなら逆転もあり、飯野涙の地元記念初Vというのも考えられる。もし全日本選抜同様の展開なら…(T-T)

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追悼

成清龍之介さんを追悼し、吉井秀仁氏のことばを掲載させていただきます。(netkeirin編集部)

 24日、同郷の後輩である成清龍之介さんの訃報を受けた。それは街道練習中に起きた事故だった。いつものところでいつものような練習だったに違いない。「魔がさし油断した」。こんな言葉ではかたづけたくない。

 オレも街道練習で九死に一生を得た事を何度か経験したひとりだ。否、街道に限らず、事故はバンクでも起こり得る。昔、オレはバンクで競りの練習をしていた。整備不良でタイヤがはずれ落車し、気がついたらベッドに伏せてた。競輪選手の中には、こういう経験をした人は何人もいるのではないだろうか。

 自身の責任だから仕方ないと思う反面、練習前にタイヤの点検さえすれば、みんなに迷惑を掛けず、事故を回避できたのにと反省した。成清龍之介さんの痛ましい事故を思い起こすにつれ、昔の記憶が頭をよぎる。生前に親父が何を思ったのか唐突に「親より先に逝くことが最も親不孝だな」と呟いたことがあった。

 思うに、成清貴之さんもご家族も人生の最も不幸な日々を送っているのだろう。これから先、心の癒える日は来るのだろうか。どう寄り添っていけばいいのか。自分の無力さを痛感させられている。

 今は成清龍之介さんの御冥福を祈らずにはいられない。合掌。

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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

吉井秀仁

Yoshii Hidehito

千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。

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