2022/08/09 (火) 12:00 11
ガールズケイリン・南円佳選手(23歳・鹿児島)のインタビュー、第3回は選手として成長するための日々の練習や、養成所時代のお話を伺いました。写真はすべてnetkeirinの撮りおろしです。
ーー南選手は増量に挑戦されているそうですね。何かきっかけがあったのですか?
トップ選手の方々と戦うと、自分の脚力不足が恥ずかしいと思うことがあって…。負けず嫌いなので、少しでもトップ選手との差を縮めたくて、自分が他の選手と何が違うかなって考えた時に、やっぱり華奢だったんですよ。元々あまり太れなくて、バレーボールやってたときは58キロぐらいだったんです。それで、1回増量をやってみようと。
ただ、最近増量しすぎてちょっと体が重いなって感じるようになったので、自分には合ってなかったのかも。
ーーどうして、増量が合わないと感じたんでしょう?
ダッシュで離れてしまうことが多くなったのがきっかけです。かかってからの伸びはいいんですけど、かかるまでのダッシュで離れてしまうから、そこで脚を使ってしまう。
最初のダッシュで離れずレースにしっかり参加して、そこから自分で組み立てていくのが私の理想のレーススタイルなので、今の自分には「違うかな」って。
でも、増量しなかったらわからなかったことなので。絞りながら、どれぐらいの体重が自分に合ってるのか模索しています。調整の段階なのでどうしても成績が安定しないこともあるけれど、めげず続けてうまく仕上げていけたらなって。
ーー強くなりたいという一心から増量したり減量したり、ストイックに頑張る南選手の1日のスケジュールを教えてください!
午前中ジムに行って、お昼は室内練習。
車誘導するときもあります。朝9時ぐらいに出て、12時ぐらいに帰ってきて、お昼食べてお昼寝して、ちょっと涼しくなってきた15時頃からもう1回車誘導。17時ぐらい帰ってきて、お風呂入って、寝る。
ジムに行くと使う筋肉が結構わかるので、午前中はジム、午後に自転車乗ることが多いですね。1日中自転車に乗るのは仕上げる時だけで、基本はジムに行ってから。
ーーバンク練習はされないんですか?
今実家に住んでいるんですが、バンクまで車で片道2時間かかるんです。最初の方は通ってたんですけど、帰り道、疲れて途中のインターで朝まで寝ちゃったことがあって…母からものすごい連絡がきてて、心配されました(笑)。
家に、両親が買ってくれたパワーマックスがあるんですよ。バンクがやっぱり一番いいのはわかってる。でも往復4時間かかるって考えた時に、その分家で練習した方が時間を効率よく使えるのかなって。
開催のあと短期滞在してバンク練習させてもらって慣れるようにしています。熊本の先輩と練習したり、長崎の同期と練習したり。オールガールズのあとは川崎競輪場で練習させてもらいました。それで足りないところは車道とか、ロードで補っています。
ーーなるほど。いろいろな競輪場でバンク練習するのは、選手としての強みにもなりそうですね。
ーー練習で使っているパワーマックスは、いつ買ってもらったんですか?
私が寮生活している間に、家族が家を改良してトレーニングルームを作ってくれて、高校3年生の誕生日、そこにパワーマックスがおいてありました。そのときは「自転車始めたいとは言ってあったけど、もうちょっとこう…私の欲しいものとか買ってよ!」って思ったんですけど、今になったらそれがないと練習できないし。雨の日も練習できるので、ほんとに買ってもらって、ありがとうって思ってます。
競輪選手を目指すってなったとき、私も家族も競輪について知らないところからのスタートだったので。私の家族、周りから「こういうのいいよ」って勧められたらすぐ取り入れちゃうタイプで…パワーマックスがいいよって言われて買っちゃったんです、すごい高いのに!!
バレーボールは靴と手があればできるんですけど、自転車ってすっごいお金がかかるんですよ。だから、バレーを引退したあと退寮して実家に帰って、アルバイトしながら自転車の練習をしてました。朝はコンビニで、夜は利久っていう牛タン屋さん。その時期が一番きつかったな。でも、それがあったからバイトで社会経験もできました。私、体力だけはあるんですよ!
ーー家族のバックアップと南選手の頑張りが実を結んで、1年で養成所に合格できたんですね。養成所生活は、どんな感じでしたか?
ほんとに同期に恵まれたなって思ってて。養成所生活はストレスが溜まることもあるんですけど、友達と一緒に過ごすことで頑張れたなっていう…ライバルでもありますけど。
その日の楽しかったことを話したり、日々の生活にちょっとした楽しみを見つけたり。例えば、「1キロご飯」っていうのがあって。養成所っていくらでもご飯を食べてよかったので、みんなで1キロ食べるぞ〜! とか言って(笑)。誰が1番食べたか競い合いとか…今考えたらほんとにしょうもないんですけど、そういうのが楽しかったです。
自分たちの時は日曜日に外出できたので、外出のとき「絶対美味しいもの食べよう」って、おいしいお店を探したりとかも。
普通、自主練とかあんまりしたくないじゃないですか。でも同期に恵まれてたから「行こう行こう」って誘って一緒に楽しんでやれました。「次のメニューちょっと苦手だな」っていうのも、みんなで「もうやるしかないね」みたいな感じで乗り切って。みんな仲はいいけど、練習の時はライバル。やっぱり負けたくないっていうのがあるので。でも、タイムどっちが上か競ったりしても、その後にバチバチになるわけじゃなく「負けたあ!」「次は勝つぞ!」みたいな関係を築けました。
勝ち負けに執着しすぎちゃうと仲悪くなっちゃうこともあるじゃないですか。でも同期に恵まれたおかげで、そういうのがほとんどなく生活できたから、ストレスもそんなになかったし、楽しかったなと思います。
公開予定
第1回
第2回★チェキプレゼント(アプリ限定)
第4回:8月11日公開★チェキプレゼント(アプリ限定)
アプリ限定記事では、撮りおろしショット、マル秘エピソードの他、南選手サイン入りチェキプレゼントの応募ページをご覧いただけます。この機会にぜひ、netkeirinのアプリをダウンロードしてみてください!
カメラマン:松村みほ
Hair & Make-up:堀川 知佳
取材・構成:netkeirin編集部 伊藤千裕
netkeirin特派員
netkeirin Tokuhain
netkeirin特派員による本格的読み物コーナー。競輪に関わる人や出来事を取材し、競輪の世界にまつわるドラマをお届けします