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鈴木誠のハイブリッド展望

【高松宮記念杯競輪予想】先行争いを繰り広げるのは、福島ラインVS九州ライン! 小松崎がレースの主導権を握った時、番手の佐藤だけでなく、3番手の成田にもチャンスが巡ってくる!/鈴木誠の展望

2022/06/19 (日) 12:00 5

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は岸和田競輪場で開催されている高松宮記念杯競輪の決勝レース展望です。

古性にとって単騎のレースは得意とする戦法! グランプリの再現を地元ファンの前で果たせるか?

【高松宮記念杯競輪】は東西対抗戦、しかも同じ関東、関西でもいつもの競輪とは並びが違ってきます。

 3日目の東日本準決勝の11レースも、関東が栃木と埼玉で別れたり、10レースの西日本準決勝では得点上位の松浦選手が3番手を回るなど、身近な地区ならではと言える並びもありました。予想をされている方にも、新鮮な印象を受けたのではないのでしょうか。

 ただ、準決勝は2着権利だけに、落車も相次ぐなど、激しいレースともなりました。

 先行選手の番手を任された選手は、前を残すだけでなく、後ろの動きも気になります。また、3番手の選手も内を締めなければいけないとは思いながらも、2着が欲しいとばかりに早めに踏み込んでいきます。

 そこに他のラインの選手たちは、僅かな隙を見つけて、勝負を挑んでいく必要も出てきます。11レースで落車をした宿口選手も勝負に行った結果ではありましたが、今大会は調子を戻してきた感もあるだけに、落車は勿体ない気もしました。

 決勝の並びは福島ラインが小松崎選手-佐藤選手-成田選手。九州ラインが山田選手-荒井選手-園田選手。郡司選手の後ろは東日本の括りで諸橋選手となり、地元の古性選手は単騎となりました。

 先行選手は4名となりますが、単騎の古性選手と2車の郡司選手の先行は無さそうです。そうなると小松崎選手と山田選手の争いとなりますが、3日間の走りを見ていても、早め早めの仕掛けをしてくるのは小松崎選手だと見ています。

 準決勝でもジャン前からしっかりと踏み出していましたし、それが佐藤選手の勝利を引き出しました。その上、3番手を固める成田選手ですが、今大会は2日目の青龍賞を優勝と、動きの良さが目立っています。

 隅田選手との3着争いになった9レースも、ゴール前の一伸びで踏み勝っていますし、決勝でも小松崎選手の先行に佐藤選手が手こずるようだと、成田選手がゴール前で交わし去る展開もありそうです。

 10レースを勝利した山田選手は落車を避けてから、コースが空いての勝利であり、しかも嘉永選手の番手ながらも、仕掛けについて行けなかったあたりを見ると、番手戦を得意としていないのかもしれません。

 ただ、決勝は荒井選手と園田選手が付けてくれたことで、先行意欲はあると思います。それでも九州ラインの車番が悪く、スタートで前に出られなかった時には、後方から前受けをしたラインを抑えに行くしか手が無いように見受けられます。

 前受けをするのは1番車となった古性選手か、先行はしてこないであろう郡司選手となるでしょう。今大会の郡司選手ですが、準決勝の9レースは勝利したとは言えども、そこまで調子は良くないように見えます。それでもきっちりと成績をまとめて決勝に勝ち上がっているあたりはさすがです。

 そうなると古性選手、郡司選手、そして山田選手ともに、狙いたいポジションは準決勝の11レースと同じように、先行した福島ラインの後ろとなります。

 古性選手はラインの切れ目切れ目を狙ってくるレースとなりそうですが、昨年のグランプリも勝利しているように単騎戦を苦にしていません。しかも、改修後の岸和田競輪場はとても綺麗になっただけでなく、好タイムも出るように走りやすいバンクでもあります。

 他の誰よりもこのバンクの特徴を知っている古性選手だけに、地元ファンの前でグランプリの再現を果たしてくれるのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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