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鈴木誠のハイブリッド展望

【燦燦ムーンナイトカップ予想】2019年の日本選手権における、ゴールデンレーサー賞の再現となるか? 9番手に置かれたとしても、脇本の勝利は揺るがない!/鈴木誠の展望

2022/06/12 (日) 15:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は松戸競輪場で開催されている燦燦ムーンナイトカップの決勝レース展望です。

圧倒的なタイム差はあれど、距離の差がセーフティーリードとなる可能性も!

 S級S班不在となった【燦燦ムーンナイトカップ】ですが、【日本選手権競輪】を制した脇本選手が参戦。格の違いとばかりに、3連勝で決勝へと進んできました。

 また、ガールズケイリンも奥井選手、児玉選手が、しっかりとガールズ準決勝を勝ち上がっただけでなく、日野選手もレース内容の良さが目立っています。最終日はガールズ決勝も見どころの多いレースとなりそうです。

 見どころの多いレースが繰り広げられたのは、3日目の準決勝とも言えます。10レースは初日、2日目と突っ張り先行で勝利していた野口選手が、ここでも押し切るのかと思われたところを、菊地選手が鮮やかに交わしての勝利。

 若手の先行選手がずらりと揃った11レースは、高橋選手が犬伏選手を叩き切ったところから、山口選手の捲りも封じ込むという、見事な走りを見せてくれました。

 そして12レースは神奈川ラインの二段駆けを、7番手となった脇本選手が捲り切れるかといった展開になりましたが、結果は外を回りながらもバンクレコードとなる9秒フラットで勝利しています。

 今開催は連日に渡ってガールズケイリンが3レース組まれていた結果、通常の開催よりも勝ち上がりが緩くなり、それが若手の先行選手の台頭に繋がった印象も受けます。

 コマ切れ戦となった決勝ですが、その中でも4車のラインとなった関東ラインは、菊地選手-久木原選手-横山選手-真崎選手の並びとなりました。

 菊地選手とは117期で同期になる青野選手は、同じ神奈川の加藤選手が後ろに付けます。東北ラインは高橋選手-阿部選手の並び。脇本選手は単騎でのレースとなります。

 この決勝では単騎と言うこともあって、9番手からのレースとなりそうな脇本選手です。ただ、2019年に同じ松戸で行われた日本選手権競輪のゴールデンレーサー賞では、単騎で9番手となったにもかかわらず、大外を捲っての勝利。

 しかも、その時の相手は新田選手、佐藤選手、平原選手、清水選手というトップ選手たち。その時よりもメンバーが楽になる今回なら、同じ展開となっても難なく捲り切ってくれるはずです。

 先行争いをしそうなのは117期の2人だと思いますが、ラインの長さからしても主導権を握りそうなのは菊地選手となりそうです。

 高橋選手は優勝も意識していると思うので、先捲りを狙ってくると思いますが、その高橋選手は前回のF1の決勝で、脇本選手と戦っています。

 その時は野口選手が先行して、高橋選手は先捲りを仕掛けたのですが、野口選手を捲り切れなかったどころか、その上から脇本選手に交わされてしまいました。

 この結果を見ても、2人の力の違いがはっきりと分かりますが、もう一つ、脇本選手と高橋選手、そして菊地選手とのスピードの違いを示すのに、上がりタイムの差があります。

 準決勝の10レースではラインの3人と上位独占を果たしただけでなく、4着とは8車身差と言う圧勝劇を見せた菊地選手ですが、この時の上がりタイムが9秒9でした。

 11レースで残り1週半を逃げ切った高橋選手の上がりタイムが10秒2です。先ほども書きましたが、2人は内側を走っているにもかかわらず、脇本選手は外を回りながら9秒フラットだったわけですから、スピードが全く違います。

 こうなると、菊池選手の番手に付けている久木原選手の方が、車券的な魅力を感じます。準決勝では菊地選手を交わし切れずに2着でしたが、抜け出した脇本選手の後ろを追いかけていけるようだと、2着の可能性も出てきます。

 もし、脇本選手があまりにも後ろにいるようだと、今回は準決勝よりも早めに動き出していくであろう、菊地選手を交わし切るだけでなく、脇本選手の追撃を振り切る可能性も出てきます。

 1秒近い上がりタイムの違いは、競輪ではとんでもない力の差です。それも1番手か2番手、そして9番手となら、前を行く選手との距離が、セーフティーリードとして働いてきます。

 しかも、松戸競輪場は先行選手が絶対的に有利な330バンク。他のラインも後方の脇本選手と車間を切るようにレースを進めていったのならば、高配当も望めるかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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