2022/05/01 (日) 18:00 41
2022年4月に競輪選手引退を発表した高木真備選手のコラム。今回は、真備選手の競輪人生を変えたともいえる、師匠の高木隆弘選手について、詳しくお話を伺いました。(撮影協力:たちかわ競輪場)
ーー1年に2回しか優勝できなかった真備選手を最多賞へ、さらにガールズグランプリ優勝まで導いた高木隆弘選手について、もう一度聞かせてください!
高木さんはお父さんみたいな感じです。いっぱい反抗しちゃったりしたんですよ、私も。それでめっちゃ怒られもしたし… そんなときもあったんですけど、結局見捨てないで、「グランプリ獲らせてやるよ!」って言ってくれたんです。
勝てない私を見た周りの人たちに「まだまだちょっと力足りないよね、これから頑張っていこう」って言われて、今の私じゃやっぱり無理なんだ… って気持ちになってたんですけど、その中で高木さんだけが、「絶対獲れるよ、すぐ獲れる、グランプリも出られるようになるし、絶対獲れるから!」って言ってくれたんです。私でも十分獲れるような選手になれるって言ってくれたのが、本当にうれしくて。
疑わなかったんですよ、不思議と。普通だったら「えーそんなこと言って、うそでしょ〜?」みたいになりそうなところを、「そうなんですか!? 私でもなれるんですか!?」って素直に思えて、この言葉を純粋に信じることができました。
本当に一人だけだったんです、あの時の私を見てそんな風に言ってくれたのは。だって一般戦とか走ってたんですよ、私! 波がありすぎて決勝にも上がれないし、予選で1着なんかほぼない、(決勝に)行けたとしても3着3着とかでギリギリ…。決勝では、先行して最終バックまでいくけど、そのままズブズブくらって5着とか6着とかで。そんな選手のことを、「全然獲れるよ」ってその気にさせてくれた。魔法だなって思います、人をその気にさせるってすごいなって、思いましたね。
結局、高木さんとやりだして6年ぐらい… かかっちゃったんですけど、でもその間本当に見捨てないでくれて。本当に反抗したし、親子喧嘩みたいなのもしちゃったし、本当にいろいろあったけど、高木さんがいなかったら達成できてないですね…。
高木真備のみんなに届け♡マキビーム、最終更新日は5月4日(水)です。
カメラマン:Kenji Onose
Hair & Make-up:井出弓
協力:たちかわ競輪場
取材・構成:netkeirin編集部 伊藤千裕
高木真備
Takagi Makibi
ガールズケイリン106期。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。