2022/05/11 (水) 12:00 9
デビュー2年目からガールズグランプリ2021に出場して注目を集め、2022年4月10日に行われた2年連続出場したガールズフレッシュクイーンで、見事優勝を飾った尾方真生選手。後編では開催中の過ごし方や自身の強さの裏側などを伺いました。(取材・構成=netkeirin伊藤千裕)
ーーレース前はいつも、どんな風に過ごしていますか?
一緒の同期にもよりますが、敢闘門に入る直前まで喋っていたりしています。緊張してるから喋っちゃうのかもしれません、ほぐすために。
特に仲がいい同期のは、増田夕華と下条未悠です。競輪養成所のとき、自分を含めた3人だけ別の場所で練習していたので。さっき(インタビュー前)も、下条未悠と2時間ぐらい電話してました!
ーー競輪選手といえば遠征がつきもの。移動は大変ではないですか?
初めが遠い場所のあっせんだったこともあり、全然苦じゃないです。デビュー戦が青森、その次は函館、そのあと弥彦だったかな?
私がデビューした頃は地区あっせんが始まっていて、同期はみんな近くの競輪場だったのに、私は“地区あっせん感”がなかったです(笑)。
ーーあっせんされたら嬉しい場所はありますか?
飛行機乗るの、嫌いじゃないんですよ。中部・近畿のあっせんだと移動が新幹線で座っている時間が長いので、飛行機に乗れる関東は嬉しいかもです。1回、広島まで車で行ったことがあるんですが、大変すぎたのでもうやらないです…(笑)。
ーーご時世もあって難しいですが、あっせん先でおいしいものを食べたりはしますか?
当日行って、当日に帰ることが多いのですが、1回だけ、昨年のサマーナイトフェスティバルのときに前泊して同期の増田夕華と海鮮丼を食べました。
生きてるイカを見ていると、お店のおじさんに「手で捕まえてみたら」と言われました。夕華がやってみたらイカに噛まれちゃって! おじさんが「ほんとに手で捕まえる人初めてだよ!」と笑うので、夕華は「やってみなって言ったのに〜」って怒ってました(笑)。
ーー尾方選手はストイックな方ですか? それとも、うまく息抜きをする方ですか?
ストイックではないですね。練習は普通にやりますし、もがくと決まったら出し切れるけど、もがかなくていいならずっと休んでます…(笑)。
ーー個人的に、先行をやる選手はストイックな方が多いと思っていました!
実は、逃げが得意というわけではないんです。逃げたいわけじゃないのに、ジャンが鳴ってホームが近づいてきたら、自然と逃げちゃってます(笑)。一緒に走っている先輩方もお客さんも自分が行くって思ってるだろうし、雰囲気に飲まれているのかな…?
でも、捲りは決まらなかったらどうしようと思っちゃうし、逃げの方が着に絡みやすいのはメリットですね。
ーーガールズグランプリ2021の出場、フレッシュクイーン優勝など、3年目とは思えないほどの成績を残していると思います。尾方選手から見て、自身の強みはなんでしょうか。
師匠の(藤田)剣次さんは、自分の苦手な部分を見てくれているんです。今の自分に足りないメニューを提案してくれるんですよ。今17〜18人ぐらい弟子がいるんですが、弟子一人ひとり練習メニューが違うんです。
言われた通りメニューをこなしていく、それでここまで強くなれたので…。自分自身の強みというより、師匠の組んでくれるメニューがすごいからだと思います。
ーー強い選手は勝負へのこだわりは人一倍のイメージがあります。尾方選手はどうでしょうか?
小さい頃は負けず嫌いで、よく弟とケンカしていました。でも競輪選手養成所に入ってから周りのみんなを見て「私はそんなに負けず嫌いじゃないのかな?」と思いました。
自分が一番人気のときは、頑張って走らなきゃ! と緊張しながら挑みますが、強い先輩がいるときは、全力を出し切ることを目標にしてしまうところがあります。
先輩たちにも「もっと自信持てばいいのに!」と言われるので…頑張ります!
ーー憧れの選手はいますか?
師匠の人間性を尊敬しています。いろんなところを見て気配りされる方なんです。困っている人にすぐ気づけたり、何か欲しいなと思ったタイミングに持ってきてくださったり。自分はそういうことができないので、見習いたいです。
レース前にはメッセージをくれるんです。先日のフレッシュクイーンは師匠のあっせんと被っていたので、師匠が競輪場に入る前に連絡をくれて。ちょっと緊張しちゃったんですけど(笑)、頑張ろうって思いました!!
初めて話す編集部員にも、雑談を交えながらたっぷり話してくれた尾方真生選手。まだまだ3年目、伸びしろ満載の彼女の活躍に期待だ。
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
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