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【日本選手権競輪】いわき平競輪実況・中川建治アナウンサーに聞いた「こんな選手は要チェック!」

2022/04/23 (土) 18:00 9

5月3〜8日にGI「日本選手権競輪(通称・競輪ダービー)」が開催されます。そこで今回、今年のダービーの舞台であるいわき平競輪場を知り尽くした!? 名物実況・中川建治アナウンサーに、競輪にまつわるエピソードや思い出のレース、いわき平競輪の予想ポイントを伺いました!(取材・構成=netkeirin編集部)

いわき平競輪実況・中川建治アナウンサー

競輪との出合いは偶然! いつしか本業に

ーー競輪実況を始めたきっかけを教えてください。

 西宮競輪場で実況アナウンサーをやっていた知人に紹介されたのがきっかけです。

 当時は結婚式の司会をやりながら食堂の経営をしていて、最初は片手間みたいなものでした。
「おもしろそうだな」と見学に行って、仕事の幅が広がれば… と思っていましたがいつの間にか本業に(笑)。結局、食堂は2年で畳みました。

ーー以前から競輪がお好きだったのですか?

 ゼロからの勉強でした。
 その頃の西宮競輪場は組み立て式バンクで、野球と競輪が行われていたんですよ(阪急ブレーブスの本拠地・西宮球場)。しばらくB級1・2班、A級3班クラスのレースで経験を積みました。

 ターニングポイントになったのは滝澤正光さんが優勝を飾った1992年の高松宮杯です。感動して、競輪にはすごいパワーがあるぞ! と感じました。このレースで中野浩一さんが引退を決意したとも言われていますね。

 僕はどちらかというとスポーツに近い感覚で見ているのかもしれません。選手たちの人間ドラマやエキサイティングな魅力を伝えていきたいと思っています。

競輪の“エキサイティングな魅力”を伝えたい(撮影:島尻譲)

実況に予想は欠かせない! でも博才は…

ーー競輪予想はされますか?

 実況するうえで予想は欠かせないです。
 メンバーを見て、誰が逃げて誰が捲れるかな? 番手が強いから止めて抜け出すかな? と展開を予想しています。

 予想紙やオッズも見ます。記者さんやファンの方がどこを見ているのか読み取って、そこから「本命の●●はまだ7番手〜」と実況するんです。

 でも、これは車券を買うための予想とは違いますね。休みの日に勉強のために車券を買ったこともあるんですが、僕、博才がなくて(笑)。のめりこむことはなかったです。

ーー実況していてハプニングに見舞われたことはありますか?

 失敗は数えきれずあります(苦笑)。

 特にひどかったのは… 当時実況の幅を広げようとボートレース実況を勉強していて、競輪実況の時に無意識に「4番車」を「4号艇」と実況してしまい、大変ご迷惑をお掛けしました。。このミスは今でもずっしり心に残っています…。

 さらに2000年の名古屋競輪場「全日本選抜競輪(優勝・金古将人選手)」。3コーナードン尻から捲り追い込みバンクレコード、良くぞ届いたこのレースは、オリジナルユニフォームで見分けが付かず…。直線まで他の選手の名前を実況してしまっていました…。

忘れられないのは2000年のあの名レース

ーー特に心に残っているレースはありますか?

 実況を担当した2000年の「ふるさとダービー」、村上義弘選手がビッグレース初優勝を飾ったレースです。

 決勝は神山雄一郎選手や齋藤登志信選手、一丸安貴選手との対戦で4コーナー山おろし気味にカマシ、一丸の捲りを番手の中井護選手が止め逃げ切り。それまで何度も逃げては捲られていただけに、嬉しい優勝でした!

 それから間近で見たもので、こちらも2000年の名古屋競輪場「全日本選抜競輪」決勝。失格落車の内林久徳さん、この人のレースはまさに“勝負師”! 事故点過多にも関わらず、ライン重視で先行レーサーを生かす徹底した姿に何度も感動していました。

ーー中川アナが思う『競輪の魅力』は何でしょう?

 村上義弘選手や武田豊樹選手など、何度捲られても逃げて力を付けて頂点に昇り詰める姿、内林久徳さんのような“勝負師”の姿、最後まで諦めずに踏み切る姿。

 そしてケガや病気を乗り越え這い上がってくる姿、捲られようが叩かれようが風を斬る姿…。戦う選手たちの姿には勇気をもらえます!

ーー今年の「日本選手権競輪」で期待する選手はズバリ誰ですか?

 脇本雄太選手です。彼も逃げては捲られるレースを何度も見ました。
 五輪を目指して流した汗の量、怪我の状態からも想像を絶する練習量だったと思うので、これから競輪でタイトルを量産してもらいたいです!

中川アナウンサーの注目選手・脇本雄太(撮影:島尻譲)

ーー「日本選手権競輪」が開催されるいわき平競輪場の注目ポイントを教えてください!

 実況してて感じるのは、直線が長いですね。普通開催でもイエローラインの外からの追い込みが結構決まっている印象です。

 外を伸びてくる選手はかなりの確率で届くので、後方でもタテ脚のある選手は見逃せないですね。山崎芳仁選手がGIを獲ったときも「届くんだ!」と思ったものです。

 外から追い込んでくる選手、イエローラインの外目から追い込んでくる選手は要チェックだと思いますよ!

ーー最後にnetkeirin読者の方に一言お願いします!

 競輪って良いですよね。それからいわき平競輪をよろしくお願いします!

 空中バンクのいわき平競輪場は、バンクの内側からレースを観られるのが魅力です。家族連れで来られる方もたくさんいますよ。「日本選手権競輪」開催中はイベントもあると思いますので、レジャー感覚で遊びに来るのもおすすめです!

【中川建治アナウンサー プロフィール】
1961年10月24日 兵庫県出身。
1989年から西宮競輪で実況を務め、2014年からいわき平競輪で実況を務めている。
競輪実況のほかTVCMや企業VPでナレーターを担当。


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