2021/02/01 (月) 20:15 7
本コラム「吉井秀仁の妄想レース実況」、今回は番外編! 豊橋競輪場で開催されたちぎり賞争奪戦の決勝レース回顧をお届けします。
ちぎり賞争奪戦は移籍した深谷知広にばかり注目しコラムをしたためていたが…。逃げる深谷を松浦悠士が最後方からロングまくりで捕らえ、浅井康太がその上をまくりにいく。
松浦の番手・佐藤慎太郎がこれを止める。これがSSのマーク屋だ! と言わんばかりの見事な走りだ。だが、浅井に乗った吉田敏洋がこの大外を(ラグビー時代のような)怒涛の突進力で突き抜け地元Vをもぎ取った! 見応え十分な好レースに、車券を外したことをしばし忘れて余韻に浸ることができた。
いやいや何が言いたいかというと、この一戦は愛知の先輩・吉田敏洋の意地が見え隠れしたのでは…ということ。「中部はひとつ」これを語っているように感じた。同時にこの優勝は「さらば深谷知広」と告げるような決別の手向けだったのでは?
今後は南関の一員としてライバルになる。そのときは正々堂々戦おう、そう語りかけているように感じたのは俺だけではあるまい。吉田の熱い思いを感じ、この気持ちに応える深谷が南関を背負って立つ! こんな日が近い将来現実になるだろう。
“南関が競輪を引っ張る”これはオレの切なる願いでもある。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。