2021/08/04 (水) 16:09
1年遅れでの東京五輪が始まっています。開催直前、都内は交通規制が始まったり、駅などで警察官の姿をいつもより見かけたりと、そんなところで東京五輪の開催を実感するだけで、私の中では特に盛り上がっていませんでした。しかし、いざ開幕してLIVE映像や結果を見始めると、あっという間に心を持っていかれて、競技スケジュールや結果をチェックする日々。普段見たことない競技でも、見てみるとすっかり見入ってしまいます。世界一のスポーツの祭典を盛り上げる演出は色々あれど、やっぱり主役は選手たち。この東京五輪にかける思い、本番でのパフォーマンスを見ていると感動と興奮が一気に押し寄せます。
さまざまな思いが、それぞれの人にある五輪であることは重々承知していますが、どうかパラ五輪が終わるまで無事に選手たちが全力を出し切れることを願うばかりです。
さて、にわかに「恋して五輪ハンター」になっている私ですが、前回のコラムでつぶやいた、穴党への道も諦めていません。昇級降級がある期変わりだからこそ高配当を狙ってみようと挑戦した結果、ゲットできる万車券がある--。今回はその続きです。前回の結びに「続編はない」と書きながらも、結果が良かったので書いちゃう現金さをお許しください。
7月22日から松戸競輪場で行われたF1『With Dream Cup』の初日10レース。人気を集めていたのは6月のレインボーカップA級ファイナルでS級に返り咲いた福島の伊東翔貴選手の北日本ラインでした。しかし、私は昇級して2場所目の武田亮選手の逃げ切り狙い。武田選手といえばA級では積極先行で活躍していて、S級初戦の和歌山でも3日間バックをつける競走をしていました。もう一つのラインである愛媛の吉田智哉選手も徹底先行ではないと考えれば、33バンクの松戸なら武田選手の逃げ切りチャンスはあるはず!と、考えました。
そこで3番車の武田選手を1着固定のフォーメーションで、3→245→1245。中には20倍台もありますが、狙った9点のうち6点が100倍を超えるオッズ。よし、行くぞ!と腹を決めて、そして心の中でこうつぶやきました。
「人気が来たら、しょうがない」
結果はご存じの通り、武田選手の先行逃げ切り! 3着は同着ではありましたが、トータルで万車券をゲットすることができました。
ここで、私は穴党としての心構えを学びます。それは先に述べた心のつぶやきから分かる通り、「本命決着をあきらめる勇気」と「多くの人が選ばない道を進む勇気」を持つこと。
競輪を始めたばかりの頃、自分が予想した買い目が人気になっているとホッとしました。「私の考え方は間違っていない。ちゃんと競輪を分かっているんだ」と思えて、自信を持って車券購入ができたのです。でも、穴党ならば違います。多くの人が車券が当たり喜ぶ本命決着。仮にそうなっても、ひっそりと唇をかみしめ外れを受け入れる強い覚悟を持ち、自分の買い目のオッズが高ければ、こっそりほくそ笑む。そう、穴党とは「孤独で勇敢な戦士」なのだと、目指して初めて私は気づいたのです。
車券の世界に銀メダルはありません。的中という金メダルと敗者があるのみ。本命党も穴党も金メダルを目指して毎レースが勝負。東京五輪の熱戦もまだまだ続きますが、競輪ファンの熱い夏(どころか年がら年中)も頑張っていきましょう!
木三原さくら(きみはら・さくら)
1989年3月28日生 岐阜県出身
2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている
木三原さくら
2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。