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鈴木誠のハイブリッド展望

【ちぎり賞争奪戦 決勝レース展望】深谷選手が走り慣れた豊橋バンクで先行逃げ切りを狙う!

2021/01/31 (日) 12:00 0

 ちぎり賞争奪戦(GIII・豊橋競輪)が行われている豊橋バンクは、冬場は風が強いというのが定説です。ただ、雨が降った初日だけは不思議と無風になり、関係者の方からも、「こんなバンクコンディションは珍しい」との言葉も聞かれていました。

 一方で30日に行われた5レースでは、400バンクの上がりタイムで13秒台という遅い決着となったことからも、どれだけ強い風が吹いていたかが分かります。

 そうなると俄然、能力を発揮してくるのが、この風でもスピードを落とさずに走れる「地脚型」の選手たち。そして、競走得点の高さにも証明されている、能力の高い選手たちも、順当に決勝へと勝ち上がってきました。

 気になる並びですが、松浦選手の後ろには、同じS級S班の佐藤選手が付けました。他は準決勝と同じように浅井選手ー吉田選手の中部ライン、野原選手ー村上選手の近畿ライン。そして、この大会から静岡に登録地を変更した深谷選手の後ろは、同じ地区の岡村選手が回り、諸橋選手は単騎を選択しています。

 3日間のレースを振り返って、調子がいいなと思ったのは深谷選手です。1位こそ取れてはいませんが、3日間ともに自分から動きながら3着以内に残っています。

 決勝は細切れ戦となったことで、自力型選手としては仕掛けどころが難しくなりました。その中で先行するのは調子のいい深谷選手か、あるいは野原選手ではないのでしょうか。

 この2人は初日の特選でも同じレースを走っていて、その時は野原選手が先行しています。風の影響がほとんどなかったにもかかわらず、深谷選手が後方8番手から、前を行く野原選手を捲り切りました。

 もし、風が強くなったとしても、パワーと底力を兼ね備えた深谷選手の方がマイナス要素も少ないはずですし、最近の野原選手の走りからしても、決勝で先行するのは深谷選手となりそうです。

元々の地元バンクで、地の利を生かしながら先行逃げ切りを狙う“静岡所属”となった深谷選手

 野原選手も脚を使いながら、静岡ラインの後をつけていこうとするでしょうが、そこを捲ってきそうなのが松浦選手です。本命はその松浦選手で、対抗は佐藤選手というS級S班コンビが有力です。

 ただ、元々は地元であり、走り慣れている豊橋バンクで、深谷選手が松浦選手の捲りを封じ込むような走りを見せるようだと、その後ろを走る「地脚型」の岡村選手が、準決勝のようにゴール前で突っ込んできそうです。

 単騎の諸橋選手は、静岡ラインの後ろでチャンスをうかがってきそうですし、松浦選手が佐藤選手と捲りにいった時に、その後ろからスピードに乗っていきそうな、浅井選手の走りにも注目しています。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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