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前田睦生の感情移入

【金鯱賞争奪戦】空前絶後の傾奇者・近藤龍徳、復活の舞を見せてくれ!

2022/03/02 (水) 12:00 10

近藤龍徳が輝いてこそ…

幻のキャバレー太平洋

 名古屋競輪の開場72周年記念「金鯱賞争奪戦(GIII)」が3日、開幕する。何度も取材には行かせてもらい、いつか大儲けして、名古屋にある「キャバレー太平洋」に繰り出そうと思っていたが、そんな時は来ず、「キャバレー太平洋」も結構前に店をたたんでしまった。

 一昨年8月のオールスターは検車場に入れず、ずっと35度くらいある場所で取材。外に出てきて取材に応じてくれた選手たちは、ビチョビチョの坊主頭のオッサンを見て「変態だ」と思ったことだろう。とにかくただ、働くだけの名古屋になっていた…。

 そんなしようもない時間の過ごし方ではなく、意気で伊達な、ビンビンな過ごし方をする場所が“ナゴヤ”だ。

 まず、今回の記念はファンの方々におかれましては、ビシっと車券の勝負をしていただきたいと勝手にお願いさせていただく次第でございます。

 こんな書き出しで分かったと思いますが、近藤龍徳(31歳・愛知=101期)について。

 復活が望まれるレーサーだ。今の低迷は、レース形態が変わったこともあるが、それは言い訳にはならない。7車立ては追い込み勢には難しくとも、対応するのがプロ。苦しい時間をバラ色の笑い話に変えてほしい。そのために、一発大きな花火が欲しい。

笑顔の準備をしておけ

伝説となったうつ伏せの胴上げ

 一般の人たちには必要ないが、スポーツ選手には必要なものがある。それは“笑顔”だ。「全部負けてやる! 」という選手には必要ないが(いませんけど)、勝った時の笑顔は必要。“勝った時”を準備することがプロの仕事だ。

 2015年8月に函館で「サマーナイトフェスティバル(GII)」を勝った時、胴上げはうつ伏せだった。魅せる…。派手にやり過ぎると叩かれるのが世の常だが、“オレはオレ”“近藤龍徳は近藤龍徳”。もう一度、派手に行ってほしい。

 当コラムがアップされる時には、朝早い動き出しの近藤はすでに検車場にいるだろう。何かウズウズして、「今回こそはね…」とニヤついていてほしい。

 表彰式は周りに女性の方が多くいたためか、ちょっといやらしい顔(?)になっていたが、これは仕方ない。“夜王”。朝が早い“夜王”--。

119期のルーキーチャンピオンになるのは…

ちょっといやらしい顔(?)の近藤龍徳

 最終日(6日)の9Rで争われる119期の「ルーキーチャンピオンレース」は、無念ながら吉田有希(20歳・茨城=119期)が欠場。犬伏湧也(26歳・徳島=119期)の独壇場となるのか…。

 犬伏は直前の四日市FIを優勝。番手を回ってのもので、前を走った石原颯(22歳・香川=117期)を守り切れずに番手から出ての優勝だった。まだデビューから日が浅く、経験もないので仕方ないところはある。

 が、本人が一番“番手を回る意味”を感じたことだと思う。覚えることばかりの競輪人生。石原が昨年のヤンググランプリで町田太我(21歳・広島=117期)の後ろで感じたことでもある。褒められたレースではなかったと思う。しかし過去にも書いたと思うが、失敗は若者の特権。年齢を取ってからの失敗は立ち直れなくなるものもあるので、今でよかったはず。

 “ナゴヤ”にふさわしい、堂々たる走りで優勝をつかむのか、問われる一戦だ。

怪物ルーキー犬伏湧也はどんな競輪選手に成長していくのか(撮影:島尻譲)


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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