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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【春日賞争覇戦予想】中四国は5車!それだけ脇本が強いということ…/ヤマコウ展望

2022/02/13 (日) 12:00 7

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 奈良競輪開設71周年記念春日賞争覇戦、決勝メンバーが出揃いました。

 脇本雄太が4ヶ月ぶりの実戦で、どこまで復調しているかが焦点でしたが問題なさそうですね。本人は物足りない様子でしたが…。

 準決勝で特に印象に残ったのが松浦悠士です。私の予想は、内山雅貴(静岡・113期)に先行させて3、4番手先捲りで脇本を止めながら捲り勝負だと考えましたが、蓋を開けたら後ろを取って先行態勢で脇本の出方をうかがい、出られたら番手飛び付きという多彩な攻めで2着。番手が地元の三谷竜生だったので、飛びつくのを躊躇する所ですが、「競輪界を背負っている」という自覚があるのでしょう。勝負に徹して決勝入りを決めました。あの柔らかい表情の中にある、厳しい勝負度胸を垣間見ることが出来ました。

 レース後のコメントは、「地元広島記念は三谷さんの後ろで優勝した。地元に対する気持ちが分かるので気持ちの整理が付いていない。ポリシーに反してしまった」と悔やんでいました。頭で分かっていても、気が付けば違うことをやっている…。私も同じような事をやってしまった事があったので松浦の気持ちはわかります。無我夢中になってハッと気付いた時には遅かった。松浦の人間らしいと思うと同時に、タイトル争いをする選手はこうあるべきだと思いました。

 メンバーとライン構成は以下の通り。

②吉田拓矢(107期・茨城)ー⑨宿口陽一(91期・埼玉)
⑤脇本雄太(94期・福井)ー①古性優作(100期・大阪)

⑧石原颯(117期・香川)ー④宮本隼輔(113期・山口)ー⑦松浦悠士(98期・広島)ー③柏野智典(88期・岡山)ー⑥西田雅志(82期・広島)

 並びが注目された中四国勢ですが、5車並ぶ事になりました。やはり、それだけ脇本が強いという事でしょう。⑧石原は、先行選手として脇本にどれだけ通用するか試してみたいという気持ちもあるでしょう。いずれにしても、⑧石原には自分自身が保つ距離で勝負して欲しいと思います。

 このレースの初手はイメージしやすいです。⑤脇本が小細工せず受けて立つレースを連日しているので前受け。あとは車番通りに関東ライン、中四国ラインで考えます。

S.⑤① ②⑨ ⑧④⑦③⑤

 ⑧石原が動いて②吉田がそれに続きます。⑤脇本は粘ることなく一度8番手まで下げて巻き返す態勢を整えます。

          ←⑤①
打鐘.⑧④⑦③⑥ ②⑨

 中四国勢の2段掛けを⑤脇本が行けるのかどうかが焦点です。私は、今の⑧石原の脚力+④宮本の番手発進+⑦松浦の横のテクニックを掛け合わせると、そんなに簡単には捲れないと思います。

    ←⑤①
H.④⑦③⑥ ②⑨
    ⑧

    ⑤①
   ⑦③⑥ ②⑨
B.④      ⑧

 人気は⑤脇本になるでしょうが、ここはあえて⑦松浦から狙います。2着は⑤脇本の番手①古性です。そこに②吉田、④宮本、③柏野を絡めます。

7ー1ー243

 展開有利な⑦松浦を捕らえられるのは②吉田と考え逆転も抑えます。

7=2ー931

 ⑤脇本が戦線復帰を果たし、他の主力選手が目の色を変えて脇本を倒そうとする機運が再びやってきました。脇本は大変だとは思いますが、競輪界のエースとして、壁となって頑張って欲しいと思います。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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