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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【たちあおい賞争奪戦予想】この決勝は難しい…単騎3車のコマ切れ戦を制すのは/ヤマコウ展望

2022/02/06 (日) 12:00 8

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 静岡競輪開設69周年記念たちあおい賞争奪戦決勝メンバーが出揃いました。初の地元開催で気合いが入っていた深谷知広(96期・静岡)の脱落は残念でした。高値安定の深谷ではありますが、調子が今ひとつに見えるレースが続いています。

 決勝戦のライン、メンバー構成は以下の通り。

①郡司浩平(99期・神奈川)ー⑨佐藤慎太郎(78期・福島)
⑧小川真太郎(107期・徳島)ー②小倉竜二(77期・徳島)
④吉澤純平(101期・茨城)ー③諸橋愛(79期・新潟)
⑤荒井崇博(82期・佐賀)
⑥伊藤旭(117期・熊本)

⑦浅井康太(90期・三重)

 この中で、連日の気配が抜群なのが⑤荒井です。

 初日は清水の3番手、2次予選は番手でしたが、展開が有利に運んだところにも運の良さを感じます。そして準決勝、深谷ラインに付いていき、もらったスピードをそのまま活かして2角捲り。深谷の先行を43歳のおじさんが捲るのだから大したものです。勝因は躊躇せず2角から踏んだ事。深谷も、先手を取ってちょうどひと息ついた所で荒井が飛んできたので、慌てて踏み直しました。荒井が少しでも待ったら併されていたと思います。考える前に身体が動いているのは調子がいい証拠です。もしかしたら決勝も一発あるかも…? と思わせるデキです。

 ⑧小川のスピードも目に止まりますが、自分でレースを組み立てていないのが気になります。荒井とは立場も違う上に、決勝はラインが出来ます。同じ気配が良くても少し割り引いて考えました。

 この決勝は難しい…

 まず誰が先行するのか? そして、単騎の選手はどの位置を回っているのか?

 どの選手もタイミングが来たら先行する選手なので、まず有利に運べるのは1番車の郡司ですよね。このレースは郡司が格上、「優勝を狙いに行く」とコメントしているので、先行する確率は低いと考えました。

 対して④吉澤、⑧小川はどうでしょう。できれば脚を溜めてバックから仕掛けたいはず。郡司は狙いに行くので前受けで捲り狙い。あとは車番順で⑧小川、④吉澤で考えます。単騎の選手も難しい舵取りを迫られると思います。後ろから押さえて駆ける選手がいないので、目標を絞りづらい。それなら一か八かスタートを決めて脚を貯めようと思っているかも知れません。⑥伊藤はまだまだ経験不足なのでそこまでの余裕はないでしょう。

 前受けは単騎選手の中でも車番がいい⑤荒井で考えます。

S.⑤ ①⑨ ⑧② ⑥ ④③ ⑦

 この態勢なら、まず④吉澤がレースを動かします。そして打鐘あたりで⑧小川が一度前に出て後ろの動きを待つでしょう。

        ①⑨
打鐘.⑧② ④③ ⑤ ⑦ ⑥

 ⑧小川は本格先行ではないので、そんなにペースは上がらないと思いますが、①郡司が打鐘過ぎからかますのもイメージが湧きません。成り行きで⑧小川が先行させられるのではないでしょうか。①郡司の仕掛けは早くてもホーム線辺りからだと考えます。

1ー9ー2357

 問題は①郡司が不発の時は誰が優勝するか。⑧小川先行の3番手から④吉澤が捲るより、その後ろにいる⑤荒井を狙いたいですね。④吉澤がモコモコしてたら③諸橋は内側にコースを取ると思うので、⑤荒井は④吉澤を目標にして伸びると考えました。

5=71ー123679

 捲る⑤荒井の近辺に⑦浅井がいそうなのと①郡司の捲り追い込みで、3着は手広く狙いました。

 ①郡司は、清水や松浦のように深谷と「持ちつ持たれつ」の関係を考えていると思います。今節は深谷が決勝に乗らなかったので実現しませんでしたが、いつか来る日に備えて確実に優勝を狙いに行くと思います。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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