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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志の地元戦回顧】ラインの仲間や観客席のお客さん、ちぎり賞争奪戦を終えてこみ上げる感謝の心

2022/02/01 (火) 18:00 6

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは。金子貴志です。今回は1月23日に終わった地元・豊橋記念『ちぎり賞争奪戦(GIII)』を振り返っていきたいと思います。開催前には太田剛司君と新聞社を回りPR活動をして、気持ちも高まりました。

ラインの先頭を走る選手の心意気

地元戦、気合いを入れて会場へ(撮影:島尻譲)

 初日の一次予選は藤井侑吾君との連係でした。藤井君が打鐘から強引に仕掛けてくれ、4コーナーを回ったとき「ワンツーで決められる!」と思いましたが、久木原洋君の強襲にあって、自分は2着。藤井君は4着でした。でも藤井君の心意気というか、気迫のこもったレースは凄かったです。そして、お客さんの声援も背中を押してくれました。やはりお客さんの声援はパワーとなり、大きな励みになります。

 2日目の二次予選も竹内雄作君が頑張ってくれました。私は吉田敏洋君の後ろで3番手。絶好の展開だったんですが、4着。ギリギリ準決には進めましたが、2着にはなれた展開だったと振り返っています。ここまでの2日間、先頭を走る藤井君、竹内君の気持ちが伝わってきました。ただ、冬の豊橋は風が物凄く強く、多くの選手が苦しめられていました。

負けて悔しくとも、その先を考えて行動したい

「皿屋豊君は気持ちのこもったレースをしてくれた。吉田敏洋君の気迫も伝わってきた」と金子選手は振り返った(撮影:島尻譲)

 3日目の準決勝は皿屋豊君、吉田君と連係し、3番手。吉田君が小林泰正君に合わせて出て行きました。この時、小林君を目標にしていた佐藤慎太郎君が私を押し込み、吉田君の後位へ。これが慎太郎君の巧さというか、一瞬の判断力はさすがという感じでした。もちろん負けて悔しいですが、慎太郎君と戦い、その走りから得るものもありました。高いレベルの中での緊張感は、必ず今後に繋がると思います。

 慎太郎君の動きに対応できなかった理由のひとつにフレームがあります。私が使っているフレームはすんなりした流れの時はいいんですが、混戦になると対応が遅れてしまいます。レースの度に気づくことがありますが、今回の反省を生かし、今新しいフレームを作っています。同じメーカーの自転車に乗っている清水裕友君とフレームやトレーニングの話もでき、刺激を受けました。今後はフレームにあったトレーニングを取り入れて、乗りこなせるように試行錯誤していきたいです。

レースの度に学び、その経験を血肉に変えていくと本人談(撮影:島尻譲)

太田剛司君との連係に心が燃えた

 残念ながら準決勝は6着で決勝に勝ち上がることはできませんでした。最終日は特別優秀。ここで初めて太田剛司君と一緒のレースで走りました。彼は今回が初の豊橋記念。2010年に29歳でデビューし、現在は41歳です。選手になるまでは建築関係の現場監督の仕事を5年弱していたそうです。

 同じ豊橋の選手ということで、練習も一緒にしています。彼はデビューが遅いため、年齢を取り戻すかのように人一倍練習に励んでいるのを目の当たりにしていただけに、一緒のステージで戦えたことは、とても感慨深いものでした。これから連係していくのが楽しみです。

 地元記念というのは思い入れが違います。ここに合わせて調整もしていきます。そして、今回はラインの大切さを改めて感じた開催でした。連日、前を走る選手が皆、強風の中でも思い切り良く行ってくれて、地元選手を盛り立ててくれました。

4日間の熱いシリーズが行われた豊橋競輪場(撮影:島尻譲)

デビューした頃にお客さんからもらった言葉

 地元の競輪場はお客さんの声援も多く凄く嬉しかったです。調子が悪くて勝てないときでも、お客さんの激励の言葉は心に響きます。モチベーションが上がり、さらに頑張ろうという気持ちになるんです。私がデビューした頃、なかなか勝てない時期に「自分の道は自分で切り開け!」と声を掛けてもらったのを思い出しました。その言葉を改めて胸に刻み、これからの戦いに備えていこうと思います。

自分の道は自分で切り開いていくしかない(撮影:島尻譲)

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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