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鈴木誠のハイブリッド展望

【和歌山グランプリ予想】三分戦となった決勝戦! SS班の4人が顔を揃えたグランプリの再戦ながらも、連日共に好調な郡司が、今年初の記念制覇へとひた走る!/鈴木誠の展望

2022/01/12 (水) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は和歌山競輪場で開催されている和歌山グランプリの決勝レース展望です。

今年初勝利をあげた古性は、盟友東口との連係で、ワンツーフィニッシュを狙う!

 昨年末の【KEIRINグランプリ2021】を制した古性選手。年間1番車として臨む、この【和歌山グランプリ】では、初日の特選、2日目の二次予選と敗れていたものの、準決勝でようやく勝利をあげました。

 初日や2日目のレースを見ていると、調子やプレッシャー云々ではなく、先行選手のような組み立てをしながら、力で押しきりたい気持ちが強く出ていたように感じました。

 ただ、準決勝はスタートで躊躇したこともあるのでしょうが、位置取りを重点に置いた競走をしたことが功を奏しました。この勝利で初日、2日目に抱えていたもやもやした気持ちも取れたと思います。

 決勝の並びはその古性選手-東口選手が並んだ近畿ラインの後ろに、栃木の神山選手が付けました。また、熊本の松本選手の後ろには、中国ラインの松浦選手-岩津選手。そして、根田選手-郡司選手の南関東ラインの後ろには、準決勝で郡司選手とワンツーを決めた、佐藤選手が付けての三分戦となりました。

 こうなると、先行争いに注目が集まります。3日間を通して先行はしていないものの、松浦選手に前を任された松本選手が積極的に動いていきそうですが、そこは3日間を通してバックを踏んできた根田選手も引かないでしょう。

 根田選手は長い距離をもがけるだけでなく、大柄な身体から繰り出されるパワーのある走りは、冬場の重いバンクを苦にしていません。しかも、後ろを走る郡司選手は二次予選の上がりタイムが11秒2、準決勝でも11秒5の一番時計を出しているように、今大会の出来が抜群です。

 その上、好調な郡司選手の後ろを固めているのが、連携実績のある佐藤選手。展開によっては郡司選手の番手捲りも想定できますが、佐藤選手もそのスピードにしっかりと着いて行けるだけでなく、郡司選手も思い切って仕掛けることができそうです。

 ただ、松本選手と根田選手が長い距離をもがき合うようだと、捲りを狙っていく古性選手にチャンスが巡ってきます。

 しかも、準決勝のレースを見ていると、同じ近畿の東口選手が、古性選手にいい位置を取らせるような走りを見せていました。この2人の連係も抜群なだけに、展開次第では近畿のワンツーも充分に考えられます。

 前受けをしそうなのは松本選手だと思いますが、もし、古性選手が前受けをするようだと、中段でやりあうのが松本選手と根田選手。そこで先行したラインの4番手を取れるので、作戦的にはそれもありかと思います。

 松浦選手も連日共にそつのないレースを見せていますし、前を任せた松本選手が不発だったとしても、自分で進路を作りながら伸びてきそうです。

 400バンクで見無し直線も長い和歌山バンクだけに、ゴール前では決勝に進んだS級S班の4人が、【KEIRINグランプリ2021】のような熱戦を見せてくれているのかもしれません。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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