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鈴木誠のハイブリッド展望

【KEIRINグランプリ予想】並び発表!3番手を回る選手に追い風/鈴木誠の展望

2021/12/26 (日) 12:01 7

現役時代はKEIRINグランプリを優勝するなどトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は静岡競輪場で開催されるKEIRINグランプリの決勝レース展望です。

並び発表 関東は3人で上位独占を狙う

 12月30日に静岡競輪場で行われる「KEIRINグランプリ2021」の共同記者会見が21日夕方、都内ホテルで行われました。

 この日は出場する9選手のコメントだけでなく、注目されていた並びも発表されています。レース当日まではまだ時間もありますが、皆様の車券予想の参考になればとも思い、一足早くレース展望をしていきたいと思います。

 昨年に引き続き、3年連続でのグランプリ出場となった中国コンビですが、昨年とは逆で清水選手-松浦選手の並びとなりました。

清水裕友(左)と松浦悠士 (提供:公財 JKA)

 北日本ライン(佐藤選手、守澤選手)の2人も2年連続でのグランプリ出場となります。昨年はラインの先頭を盟友の新田選手が走りましたが、目標不在となった今年は単騎かつ、何度も2人ともに連係をしてきた郡司選手を選択。番手は昨年と同様に佐藤選手、3番手が守澤選手となりました。

 一方、グランプリ初出場となった吉田選手、宿口選手と、これが12度目のグランプリ出場となる平原選手の関東ライン。前を任されたのは吉田選手で、番手が宿口選手。平原選手は3番手を選択しました。そして、こちらもグランプリ初出場となる古性選手は単騎でのレースとなります。

 この3つのラインの中で、最も注目していたのは関東ラインの並びでした。先頭が吉田選手となるのは想定していましたが、ひょっとしたら宿口選手が平原選手の後ろを回るのでは…とも思っていたのです。

 この並びとなったのは、後輩の2人に頑張ってくれという意思の表れだけでなく、今年、宿口選手との連係では、幾度となく前を任せてきたことも関係していると思います。

宿口陽一(提供:公財 JKA)

 こうなると、吉田選手は捨て身の先行をするのでは…と思われる方も多いかもしれませんが、コメントを聞く限り、平原選手は関東の3人で上位独占を狙っているようです。

 ただ、徹底先行不在のレースとなっただけに、前を任された吉田選手は、自分がゴールまで持つ位置に来たと思ったのなら、一気に踏み込んでいくはず。宿口選手も後ろに平原選手が付いていることを考えると、仕掛けが早くなるかもしれませんし、結果として、3番手を走る平原選手に優勝のチャンスが巡ってくるのかもしれません。

 同じ自力型で、吉田選手よりも先行の意欲が強く見えるのが清水選手です。【ひろしまピースカップ】で完全優勝を決めたように、万全の調整でこの舞台へと臨んでいる松浦選手が前で走っても良かったと思いますが、ここもコメントから察する限り、悔いが残らないようなレースをしたいという、清水選手の意思を尊重した印象も受けます。

清水裕友 (提供:公財 JKA)

静岡の冷たい向かい風は3番手を回る選手に追い風

 何度も連係実績のある南関東+北日本の並び。先行よりも捲りを狙ってきそうな郡司選手ですが、後ろに2人が付いてくれたことで、大きなチャンスが巡ってきたと言えます。

 その一方でやはり皆さんが気にされているのは3番手を回る、守澤選手の怪我からの回復ではないのでしょうか? 

【KEIRINグランプリ2021】には9番手での選出ながら、競走得点では佐藤選手を上回っています。もし、守澤選手が万全だったのならば、郡司選手の番手を回っていたのかもしれません。ただ、怪我をした時点で3番手を回ることを決めたのでしょう。

守澤太志(提供:公財 JKA)

 手術こそしましたが、決して100%の状態でレースに臨めてはいないと思います。ただ、怪我の痛みはあっても、勝負所で突っ込んでこられるだけの脚は持っています。

 静岡バンクは4コーナーからのみなし直線が長い上に、この時期の先行選手を苦しめるのが、ホームで壁の様に待ち受ける冷たい向かい風。むしろ3番手からレースを進められる守澤選手に展開が向くことも考えられます。

 それは、関東ラインの3番手を走る平原選手も同じです。前を2人に任せたことで、これまでよりも気楽にレースに臨めていると思いますし、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できる展開になったとするのなら、悲願のグランプリ制覇は充分にあり得ると思います。

平原康多(提供:公財 JKA)

 単騎でも侮れないレースを見せられる古性選手ですが、しかも静岡バンクは2019、20年の【たちあおい賞争奪戦】で連覇しているように、得意としているバンク。グランプリに初出場というプレッシャーもあるとは思いますが、4コーナーからの捌きは抜群ですし、今回も間隙を縫いながら、確実に伸びてくるのではとも想像させられます。

 いずれにしても、前受けをするのはどの選手なのか? ラインの隊列はどうなるのか? そして、先行するのはどの選手なのか? など展開を予想するだけでも楽しみになってくる、今年の【KEIRINグランプリ2021】。

 私の結論はまたレース前に改めて発表したいと思いますが、皆さんもレースの当日まで予想を楽しんでください。

鈴木誠の結論はウマい車券へ
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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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