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鈴木誠のハイブリッド展望

【椿賞争奪戦予想】展開次第で結果がガラリと変わる、難解な330バンク! スピード対決を制して、勝利をあげるのはどの選手だ?/鈴木誠の展望

2021/12/19 (日) 12:00 2

現役時代はKEIRINグランプリを優勝するなどトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は伊東競輪場で開催されている椿賞争奪戦の決勝レース展望です。

単騎の新田は競輪界随一のトップスピードで、一発を狙っていく!

【椿賞争奪戦】の3日前に伊豆ベロドロームで開催されていたのが、「第90回全日本自転車競技選手権大会トラックレース」です。

 開催最終日となる13日の1kmタイムトライアルには、【椿賞争奪戦】の決勝にも名を連ねている新田選手、寺崎選手、深谷選手の姿がありました。

 結果は新田選手が大会新記録となる1分0秒107で優勝。大会2日目の男子スプリントで優勝を果たした寺崎選手は4着、深谷選手は5着となっています。

 その3人に加えて準決勝を優勝した北津留選手も元々はナショナルチームの一員。こうしたスプリンター型の選手たちが、気温が下がって重たくなったバンクでも、スピードが削がれることなく決勝に進んできました。

 並びですが、寺崎選手-村田選手-椎木尾選手で近畿ラインを形成。深谷選手-松坂選手の南関東ラインで並び、北津留選手の後ろは坂口選手が付けました。そして長島選手、新田選手は単騎を選択しています。

 先ほども書いたように、スプリンターの自力型がずらりと揃ったメンバー構成の中で、誰が先行をするかですが、ここまでのレース内容からしても、寺崎選手と深谷選手の争いになるのではと思います。

 前受けをするのは近畿ラインとなりそうです。車番的には誘導員の後ろが取れそうな深谷選手ですが、そこまで前受けにはこだわらない一方で、寺崎選手は前受けから一度車を下げて、一気に踏み出していくレースがよく見られます。

 村田選手と椎木尾選手もスタートがいいだけに、寺崎選手も難なく誘導員の後ろに付けられそうです。その後ろが北津留選手-坂口選手で、位置にこだわらない南関東ラインは後方から車を上げて、近畿ラインを抑えにかかるはずです。

 もし、その時に寺崎選手が突っ張ってくるようだと、深谷選手も引かない性格をしているので、2人でもがき合うはず。そうなると、北津留選手、そして単騎と言えども新田選手にとっては絶好の捲り頃となります。

 北津留選手は今大会における仕上がりの良さが目立っています。特に準決勝では突っ張り先行をしながら、その上を捲っていった深谷選手の後ろに飛びつくと、ゴール前では鮮やかに抜き去っての優勝。スプリンター型の選手ながら、長い距離も踏んでいける選手であることを証明しました。

 深谷選手が先行した場合でも、今大会の北津留選手ならば、その上を捲っていけるはず。後ろに付けている坂口選手も、初日から2-2-2と調子の良さが目立っていますし、混成ラインでのワンツーも充分に可能性があると見ています。

 単騎となった新田選手ですが、むしろラインが無いことで、自分の走りに集中できるのかもしれません。展開次第となりますが、この9名の中でもトップスピードは随一なだけに、展開がはまれば一発も充分にあります。同じく単騎の長島選手も新田選手のスピードに乗っていけるようだと、車券圏内に入る可能性が出てきそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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