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【ガールズグランプリ2021予想】「児玉碧衣の4連覇はある? 阻むのは誰?」 〜競輪記者座談会

2021/12/16 (木) 12:00 10

「ガールズグランプリ2021」が12月28日に静岡競輪場で開催される。そこで、ガールズケイリンの歴史を近くで見守ってきた競輪記者の皆様に集まってもらい『ガールズグランプリ2021』を徹底討論してもらいました。焦点は「児玉碧衣の4連覇はある? ない?」です。どうぞご覧ください。(取材日:12月3日)

尾方真生飛躍の要因は…“天才”

デイリースポーツ 松本直記者(以下松本) まず初出場の尾方真生について。この一年で大きく飛躍しましたよね。環境の良さも大きいです。藤田剣次さんが師匠で、矢野光世、小林優香、児玉碧衣、林真奈美、大久保花梨と、先輩たちを見ながら練習してきたのが結果に結びついてきたのかなと思います。

東京スポーツ 前田睦生記者(以下前田) 飛躍の理由はただひとつ、天才だからです。九州の山奥で生まれ育って鍛えられた足腰。競輪のために、自転車に乗るために生まれてきたような肉体。そこに加えて今お堅いことをいった松本記者の練習環境という点もあげさせてください(笑)。

児玉碧衣の妹弟子・尾方真生。前田記者は“自転車に乗るために生まれてきたようだ”と絶賛(撮影:島尻譲)

日刊スポーツ 松井律記者(以下松井) 自転車に乗っている時と乗っていない時のギャップがいいよね。普通にしているとほんわかしていて。発走直前くらいまで平気で話しかけてきちゃうぐらい気軽さがあって、緊張感がないようにも見えちゃうけど、実際のレースになるとピリッとした良いレースになるんだよね。

松本 やっぱり函館(サマーナイトフェスティバル)で児玉に勝ったのが転機になったと思います。あれで自信をつけて、ポンポンポンと優勝を積み重ねていって。

松井 ガールズケイリンのレベルが上がってきて、先行する選手が少なくなってきたんですよね。みんな踏む距離が短くなったり、位置を狙ったりっていうケースが増えてきた中で、思い切って1周以上行けるっていうのは強みだよね。

松本 (今の競走スタイルになった)きっかけが去年の競輪祭の前に、姉弟子の児玉からもらったアドバイスです。デビューしてからまくりが多かった尾方に「もっと長い距離を行った方がいいよ」と。そこから変わりましたよね。で、その児玉に勝っちゃうんですから。児玉にとっては、練習仲間であり可愛い後輩だから強くなってほしいと思ってアドバイスしたんだろうけど。

松井 想像以上に強くなっちゃった(笑)

松本 立場的にもチャレンジャーだったから気が楽だったんじゃないですかね。尾方がレースを作って、強い選手にまくらせないレースをしていたのが今年はハマったかなという気がします。来年はマークされることも多いでしょうね。ここからもう一皮剥けられるか。グランプリでどんなレースするのかも楽しみですよね!

前田 でました、松本記者の「ですよね」(笑)。キメの語尾(笑)。

“執念”で初出場を決めた坂口楓華

近畿から1人で乗り込む坂口楓華。記者陣が口を揃えて彼女の「意志の強さ」に言及した

松本 (笑)。もう一人、初出場の坂口楓華はどうでしょう?

2021年はTV等での露出も多かった児玉碧衣(撮影:島尻譲)
2021年はTV等での露出も多かった児玉碧衣(撮影:島尻譲)

松井 去年は賞金9位で、グランプリに乗る夢を見て、でもギリギリダメで。その悔しさがバネになって、自分はどうしたらいいかを考えながら1年やってきたと思うんですよ。去年は“着をまとめる”ようなレースが多かったんだけど、今年は差されてもいいからという感じで“先行”していたよね。あと本数はすごい走っていた、とにかく。

前田 92走していたんですよね。追加はあっただろうけど補充が無い中で。

松本 丈夫な体というのも彼女のひとつの強みだと思います。落車があっても休まず走っていたし、普通なら大宮の落車の後だって休んでもいいかなと思ったんだけど、賞金争いがありますからね。

前田 お姉さんとロードレースやっていたんですよね。研究熱心な選手で“他の選手はこんな走りしている”とか細やかに知っているんですよね、彼女。

松本 競輪場でいろんな選手のアドバイスを聞いていますね。競輪祭の前も吉本哲郎さんにアドバイスをもらったりとか。そういうフットワークの軽さも今回出場の要因だと思います。

前田 あとは“執念”ですね。去年の競輪祭が終わった後、さめざめと泣いていたじゃないですか。悔しい気持ちなのか、見ていて何とも言えないものがありましたけど。そこから這い上がってくるんだから。

松井 そうだね。今回の競輪祭で落車の後に乗ると言って、結局欠場にはなっちゃったけど、それでも乗ろうとしていた。まさに“執念”。彼女の場合は良い意味で泥臭さがあるよね。

松本 そうなんですよ。やはりトップ7というとどうしても圧倒的な“脚力”が目立ってしまいますけど、坂口のような泥臭い選手でもグランプリに出られたってことで刺激を受けた選手も多いと思いますよ。石井寛子はどうですか?

石井寛子のプロ根性とフェアプレー精神

デビューの年からガールズグランプリに出続けている石井寛子(撮影:島尻譲)

前田 今年何勝したんでしたっけ? もの凄かったでしょ。

松本 優勝回数はもしかしたら自己ベストかもしれないですね。23回。

前田 23回って! そんな数字あるんですか(笑)。

松井 あり得ない数字だよね、それで71勝! しかもデビューから成績が10年変わらないからね。ガールズのレベルが上がっているのに地位を維持しているということは、進化し続けているということ。同じじゃ下がっていっちゃう時代だからね。

松本 彼女だけですからね。デビューの年からガールズグランプリに出続けている選手というのは。今年は練習環境を求めて色んなところへ練習に行ったり、自分が強くなるために時間を使っている感じはしますよね。練習と身体のケア。それが実を結んできたんだと思います。

前田 石井寛子も中村由香里も「60まで走りたい」と本気で言っていて、「おばあちゃんになっても取材してくれ」と言われます(笑)。

松本 まだあと20何年ありますけど、多分続けてるんじゃないですかね(笑)?

前田 男子でやれている人たちがいるから、そういうのも作り上げたいという気持ちがあるんでしょうね。それくらい、職業としての良さを見せたい責任感みたいなのを持っていますよ。「ガールズケイリンは良いものだ」と世の中に示していますよ。

松井 あと、石井の凄さは捨てレースが無いところ。全部のレース勝ちたいし、全部のレース1着を狙うっていうプロ根性。これは別格かなと。気が抜けて、これはダメだってやめてしまうレースが無いよね。最後までコース探しているし負けるときでも最後まで踏んでいるし。

前田 男子でたとえると、平原とか荒々しくない古性とか(笑)。

松井 松浦にも近いかな(笑)。

前田 重注(重大走行注意; 走行中の違反行為に対する失格に次ぐ重いペナルティー)や罰則にならないようなライン取りが見事で、失格がゼロでこの成績。フェアプレー賞の鑑。

松本 「落車しない・させない」これが彼女のポリシーですね。では、小林莉子はどうですか?

グランプリに小林莉子が帰ってきた

グランプリ初代王者にして、6年振りにガールズグランプリ出場となる小林莉子

松井 やっぱり1期生はすごいですよ。以前との決定的な違いは走行距離が延びたところかな。自力を使って、タテ足を磨きに磨いて。前は位置取っての追い込みだったんだけど、今は半周ぐらいだったら行くという自信が見える。変に番手に固執しないで一車下げてもいいみたいな。

前田 その分直線でズバーッと伸びますからね。やはりタテ磨いたんでしょうね。タテ足ないと勝負にならないというのがこの何年間の課題でしたから。

松本 石井寛子と似ている部分で、よく考えてレースをしていますよね。児玉みたいな派手なタテ足があるわけじゃないから、どうやったら勝てるか、どうやったら良い位置に入れるかと、頭を使ったレースをしてきた印象ですね。彼女は第一回のガールズグランプリ勝っていて、そのあと補欠が2回かな(2014、16年)。悔しい思いもしてきて、久しぶりにグランプリに乗れて。

前田 岸和田グランプリ(2014)の補欠の時は、小林莉子と競輪場へ向かう道が一緒だったけれど、スーツケースをガラガラひきながら、歩く姿が小さく見えましたね。出られないのにそこに行かなきゃいけない、悔しさが滲んでいるような。あのときは私の膝下ぐらいなんじゃないか、って思えるぐらい小さくなってましたね(笑)。

松井 (笑)でも、去年の後半くらいから体つきはがっちりしてきたよね。

“逃げて11秒台”へのこだわりを見せてきた高木真備

グランプリは5回目の出場となる高木真備。五輪仕様の黒いフレームで悲願のVを掴むか(撮影:島尻譲)

松本 高木真備はどうですか?

松井 真備は出走本数がこのなかで1番少ないんじゃないかな。1か月あっせん停止があったし、病気欠場もあったんで。よくここまで来たなあという。追加で豊橋が入ったとは言え、坂口と20走も違うし、石井とも十何走違うでしょ。

前田 坂口、尾方と熾烈な争いをしていましたよね11月頭くらいは。追加をもらったり、賞金ランキングをにらんだり。よく盛り返してきましたよね。

松井 3連対率の95%ってすごい数字だよね。

前田 着外が3回しかない? 信じられない

松本 高木に関しては今年はスタートダッシュが決まらなかったんですよね。1月のトライアルで負けちゃって。3月のコレクションが落車、4月のあっせんが止まって前半戦のリズムがすごく悪かった。でも5月に復帰・優勝してそこから怒涛の1着ラッシュで。やっぱり定位置までは戻ってきましたよね。高木も何回もグランプリ出ていて、優勝するためにはやはりトライアルで優勝して、良い枠をもらって、グランプリに行くのが勝利に一番近いんじゃないかなという話をしていて、結果、それは叶わなかったんですけど、それでも小倉で2着ですか。良い波を作って、ピークをガールズグランプリに持っていけそうですね。

松井 ちょうどその宇都宮、豊橋、小倉、が強行日程で。宇都宮から豊橋へ中ゼロ日。要するに賞金をちょっとでも積み上げたくて追加をもらって。で、中2日でビッグレースでしょ。多分調整なんかできてないでしょこの3場所。すごい馬力だよね。

前田 5月30日のいわき平で400バンクで逃げた時の自己記録更新(11秒8)を出して。このときは、あっせん止まったあとの1ヶ月で、“逃げて11秒台を出さないと勝負にならない”と、高木自身が明確な目標を持って走っていた。

松井 相当バイク誘導やったんでしょうね。

前田 仕掛けるタイミングとか踏み方、1周のペース配分とか綿密にやっていましたけど、それが単純に強さにつながったんでしょうね。あと秋からは新しい自転車、黒いブリヂストンの。

松本 結局このメンバーで言うと、そのTS9(ブリヂストン)という新しいオリンピック仕様の自転車に乗っていないのは、小林莉子と石井寛子。乗ってるのは児玉、小林優香、高木、尾方ですね。坂口も乗ってなかったのですが、もしかしたら今回投入してくるかもしれないですけれど。どのフレームを使ってくるかもこのグランプリのひとつのテーマかもしれませんね。

前田 児玉も11.5なんかは普通に出しちゃうから、みんなそこに近づかないといけないんでしょうけどね。

松井 昔はガールズ選手はA級とタイムが結構近くておーって騒がれていたけど、競輪祭見てたらS級選手とそんなに変わらないレベルですよね(笑)。自転車が違うとはいえね。

前田 66万円ポンと出すんだからみんな度胸ありますよ。

松井 先行投資で70万はすごいよね〜。

前田 バカ高いですよこれ。しかしモノが良いんだから仕方がない、適正価格です(笑)。

松本 その五輪帰りの小林優香はどうです?

小林優香が帰ってきて役者が揃った

ガールズケイリンに再び風を吹き込む小林優香 児玉とのマッチアップから目が離せない(撮影:島尻譲)

松井 東京五輪が終わって、オールスター開催時は思い詰めたような顔をして余裕もなかったけど、日に日に表情が柔らかくなって競輪選手っぽくなっていったよね。3期生でデビューしてガールズケイリンの“風”を変えたのが小林優香だった。1期生の加瀬加奈子だとか、2期生の石井寛子だとか、当時は「強い人が当たり前に勝つ」という感じのレースが続いてたのを、3期生で小林優香とか石井貴子とか、奥井迪とかが出てきて、かき回して、本当にガールズケイリンが競走っぽくなってきたよね。レースが面白くなってきたんだよね。勝率95%とかで、圧倒的な金がかかっている状況で勝ち続けるプレッシャーとか、人気を背負う圧倒的な支持の中で結果を出していく大変さがあって、それを22歳くらいでやってきたわけだから、恐ろしい精神力ですよ。

前田 東京五輪が終わってからしばらくして、小林優香は人間が変わったんですよね。何かに追い詰められて、苛まれて、そこで結局戦うしかない環境だったから、逃げられなくて、ボロボロになって、顔色もずっと悪いし。抱え込みすぎたから最初は結果も出なくて、どうなるんだと思っていたけど、競輪を走るとか、パリ五輪目指すとか、新しい目標ができて、全部プラスに働いて、今は笑顔しかないですもんね。たぶん、メシを食ってるときでも笑ってるんじゃないか、ってくらい明るい(笑)。

松井 憑きものが取れたみたいな状態だよね(笑)。

松本 やっぱりガールズケイリンの最高のカードですよね。児玉と小林優香のマッチアップというのは。

松井 オールスターで見せてくれた児玉と小林が直線一騎打ち。あれはあの2人だけの世界だったよね。ワクワクしたし、「これだよな」って。やっと役者が揃ったなって小林優香が帰ってきて感じましたよね。絶好調の小林を倒してこそ、児玉も真の女王になれるんじゃないかな。小倉の競輪祭でも優勝タイムが一緒だもんね、11.8でふたりとも。

松井記者が「2人の世界」と称した、いわき平競輪ガールズドリームレース決勝。児玉碧衣(白)小林優香(青)(撮影:島尻譲)

松本 児玉のグランプリ初制覇の時は小林優香に勝っていますが、オリンピックに向けて練習してさらに強くなった小林優香とこのグランプリでの対戦というのが熱いですね。いわき平の時は、小林優香は多分5割くらいしか力が出せていないんじゃないかな。

前田 それこそ予想するうえでは、記者としては悩みどころですよね。三連覇しているから基本は児玉が二重丸になるけれど、これは迷いますよ。まぁ私みたいな穴狙いの人は関係ないけど(笑)。で、その児玉碧衣。

児玉碧衣の4連覇はある? ない?

2021年はTV等での露出も多かった児玉碧衣(撮影:島尻譲)
2021年はTV等での露出も多かった児玉碧衣(撮影:島尻譲)

松井 児玉碧衣はもう凄いの一言ですよ。去年グランプリ3連覇してちょっと“燃え尽き症候群”みたいになっちゃったんだよね。モチベーションをどこに持っていけばいいかわからない状況で、それでも来る開催、来る開催、力で勝って。ちょっとケタ違いだよね。

前田 ただ年間2〜3回真っ青になっているときありますからね。どうしたんだよって(笑)。

松本 もしかして支払いとか(笑)?

前田 一応児玉碧衣も人間だってことだと思う(笑)。これ勝たないと大家が来るとか? そういうのは確かに背負っているかもしれないですね(笑)。ただ、金、金と言いつつも、勝つ原動力? その根底には凄いものがあるんだと思いますけれど。

松井 児玉を分析するのは勝ったレースじゃなくて負けたレースを見ないと参考にならないよね。勝ったレースは1コーナー、2コーナーから仕掛けて勝っているのが大半だから、レースは単調だしそんな怖さもない。自転車の上を1人バイクで超えていくっていう感じのレースだから。センスとかテクニックじゃないんだよね、児玉の場合はね。

松本 そうですね。児玉本人は負けたレースを見ないんですって。開催終わった後、悪いイメージがついちゃうから。だからもう忘れているんでしょうね。完全に良いマインドに入っているし、今流れが良いですよね。負けパターンがあるとしたら、小倉の久米詩がやったレース(7月3日の吉岡稔真カップ争奪戦)。これは児玉の負けパターンかなと。グランプリの舞台でこれをやっちゃうと負けるのかなという気がするけど、外に踏めれば、コースがあれば、問題無いかなという気がしますよね。

松井 サトミナ(佐藤水菜)が一回合わせたのは京王閣(5/6 ガールズケイリンコレクション)か。だから児玉って1番車がよくないんだよね、本当は。

松本 トライアルを勝つと1番車もらえて他の人は喜ぶんだけど、児玉に関しては…。

前田 位置取りとかやってこなかったし、そういう意識もなかっただろうし。空いたところから行くっていう感じだから。でもガールズケイリンに居てよかったと思える大スターですよ。人間性も含めて。今年は表に出る機会も多かった。

松井 凄いよね、『アウト×デラックス』に『さんま御殿』に。

松本 もちろんお金のためというのは本音なんだろうけど、普通は言いにくいことだからここまで清々しく言ってくれるとね(笑)。

前田 反感買うのは本人も承知でやっているんじゃないですか。「金のことばかり言って〜」と言われたら言われたで傷ついているらしいですけど(笑)。ガールズケイリンを世の中にアピールするということを完全にやり遂げている人物ですから。松本記者なんか気安く「あおいちゃ〜ん」とか呼んでますけど、やめて欲しいです(笑)。

小倉競輪ガールズグランプリトライアルレース表彰台の児玉碧衣と小林優香(撮影:島尻譲)

松本 (笑)。では、今年のグランプリも児玉が中心になりますかね。4連覇についてはどうですかね? 

前田 4連覇の可能性は、高いのは高い。負ける条件を何個か挙げろと言われたら何個かしか挙がらないですよ。児玉が自分のタイミング掴んでいったら勝つんじゃないの…というのが自然。強いて言うなら小林優香ピッタリマークして差す、かな。

松井 それか尾方が先行して小林優香が先まくりね。

前田 そう何個かしか条件が出てこない。それだけやっぱり児玉の優勝の可能性というのは限りなく高いとは思いますよ。

松井 あとは位置取りも結構できる真備とか坂口楓華と並走になっちゃうとかね。

前田 ただ、やっぱり尾方が初出場である程度バーンと行くだろうからペースも上がるし。児玉が不利になるパターンにも、あまりならないのかな。児玉をイジメようという性格の人もいないだろうしな。

松本 児玉のまくりに乗って差そうと思っている人もいるし、そうですね…イジメるタイプがいないですね。

記者注目の3選手は

スポーツ紙記者たちがあげた選手に注目!

松井 ただ、児玉に簡単に勝たせちゃダメだよね。だから自分が期待しているのは『小林優香』。小林優香が勝つことによって、またこの2人のバチバチ感が増して面白くなるんじゃないかという期待感はありますね。どっちを応援するとか・しないとかじゃなくて、ドラマとして。

松本 ぼくは『石井寛子』に期待しています。動く選手が多いので(尾方、児玉、小林優香)。石井寛子のレースを読む力というのが発揮できるかなと。グランプリ(平塚、2017年)で勝ったときもそうですけど、1回切ってレースを動かすこともできるし、児玉に付いて行って、差したこともあるし、初手から児玉にマークすることもできるし。とにかく今年の函館のサマーナイトが凄かったんですよ。女子であの外を踏んでの差し脚というのが。あの函館を見たときに今年は石井寛子でグランプリいけるんじゃないかなと思ったくらい。他のメンバーと年齢が 10くらい上なんですけど、デビューしたときよりも進化してきてますから。

前田 私は『尾方真生』。尾方は…まくられると思います(笑)。ストップ児玉というよりはこのレースをリードして、来年以降につなげるという、存在感を示して欲しい。さっき言ったように児玉が負けるパターンは、今出たように優香の先まくりか、優香か寛子か真備が直付け、これぐらいしかない。他の選手では厳しいし、先まくりで石井寛子と高木真備の先まくりだったら児玉がまくっちゃう。その4パターンでしょうね。優香先まくりと、後ろに3人誰かいて差す。

松井 奥井迪が乗っていたときは、“奥井の先行”でわかりやすかったよね。今年は尾方がその役目なんだよね、どっちかというとね。

松本 そうですね。レースを作るのは尾方。先まくり勝負してやろうという気持ちがあるのは多分、小林優香なんでしょうね。オールスターが後ろついて差せなかったから、同じレースはしないと思うんですよね。先まくりで勝ってこそって気がします。その上を、小林、高木とかでまくっていって、その上を児玉がまくれるのかみたいなレース展開になるのかなという気はしますね。

前田 尾方はこれからあと15年は注目する選手だから、ここで名前を覚えるだけじゃなくてレースに注目して欲しい。この選手を覚えることがガールズケイリンを楽しむ材料になっていくと思いますよ。

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