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トップトレーナーの”競輪愛”予想

【競輪祭予想】もつれる展開が予想されるが本命は主導権を握れる若手から

2021/11/22 (月) 23:00 22

競輪歴40年、競輪を愛してやまない矢作芳人調教師が、競輪祭(GI)を大予想! 昨年は管理馬コントレイルで牡馬クラシック3冠を成し遂げると、今年は世界最高峰のレース、ブリーダーズカップ(米GI)で2勝の歴史的快挙を達成。鋭い分析と読みで世界に名を轟かせた名トレーナーが、競輪予想でもその真髄を披露します。

9番・紫帽の新山響平(しんざんきょうへい)は準決勝11Rでかまし先行から見事な逃げ切りを見せた(撮影:島尻譲)

超難解な決勝戦はあの競輪格言を基に買ってみたい

 私事であるが、今月アメリカのブリーダーズカップ開催で日本調教馬初制覇を含む2勝を挙げる事ができた。スポーツの世界においては、国内の成績だけで満足せず世界と戦って勝ってこそ評価される。それによって業界全体の評価が高まるというのが持論で、長く挑戦を続けて来たが、ようやく1つの目標を達成した。競輪界でも世界に通用する強力な若手が早く出現して欲しいと願っている。それが競輪の発展に繋がるのだ。

 さて、それよりも小倉である。準決勝を振り返ろう。10Rは松浦がしっかり展開の利を活かした、郡司と古性は底力の賜物。それにしてもこの別線3人の3連単が1番人気とは…競輪ファンにも底力を見た。

 11R新山が実質先行1車だったレース、そして決勝も同様となる。それにしても渡邉一成の競走はいただけない。今開催では和田圭や山田英明にもあったが、車間を開けて差せないというレースは最悪だ。気持ちは理解できるが、ファンは君たちの頭で買っている。プロとしての自覚を思い出せ。

 吉田はグランプリへの意地を見せた、気迫の3着。12Rは翼が強かった、単騎になってもかまわず捲りを磨いてきた事が生かされた。見事!

 それを踏まえての決勝戦。難しい、難解そのものである。ここで思い出すのは古くからの競輪格言「先行1車は頭で狙え!」新山だ。強力な単騎3人がいて、もつれる展開が想定されるが、最終的な主導権を握るのは彼だろう。ただ相手は決めきれず、手広く行きたい。

単騎が3人、選手によっては年末のグランプリ出場もかかる大一番。様々な駆け引きが予想されるが勝負所で先頭を走れる新山に期待する(撮影:島尻譲)

 ◎新山○松浦▲園田△古性✕吉田。車券は新山を頭だけでなくヒモにも付けて5→3479→全と379→5→全。点数多くても利ザヤは十分だろう。気持ちとしては好漢新山の初戴冠を大いに期待している。

 最後に、無念の思いでこの競輪祭を欠場した脇本雄太の1日も早い回復を祈念して筆を置きたいと思う。グッドレースを!

最終結論と買い目

◎⑤新山響平
〇③松浦悠士
▲④園田匠
△⑨古性優作
✕⑦吉田拓矢

3連単⑤=③④⑦⑨→全、③⑦⑨→⑤→全

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矢作芳人

Yahagi Yoshito

東京都出身。栗東で開業するJRA調教師。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者数日本一の開成中学・高校に入学するも、大学には進学せず競馬界を志す。オーストラリアでの修業の後、JRA競馬学校厩務員課程に入学。厩務員、調教助手を経て、2004年に超難関の調教師試験に合格。翌年厩舎開業。これまで日本ダービー2勝(ディープブリランテ、コントレイル)、米ブリーダーズカップ2勝(ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌ)、優勝賞金13億6000万円のサウジカップ(パンサラッサ)など国内外のGlを多数勝利。2022年は59勝で通算5度目のリーディングトレーナーに輝いた。日本・世界を代表するトップトレーナーにして、年間365日のうち360日は車券を買うという、底知れぬ競輪愛の持ち主。

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