2021/11/14 (日) 12:00 11
4年連続KEIRINグランプリ出場はほぼ確実。日本一の競輪選手へ邁進する清水裕友の新コラム『猪突猛進』。第2弾のテーマは4連覇を飾った地元・防府記念(周防国府杯争奪戦)の振り返りと朝日新聞社杯競輪祭への決意をお届けします。最後にはお便りコーナーも。どうぞ楽しみください。
netkeirin 読者のみなさん、こんにちは。大事な位置づけの10月が終わりました。GI・寛仁親王牌は結果を出せませんでしたが、月またぎ開催だった地元の防府記念を4連覇を達成することができました。応援ありがとうございました。今年も残すGIは競輪祭だけ。喜びにひたりすぎず、タイトル獲得を目指して準備していきたいと思います。
絶対に達成してやろうと思っていた地元記念4連覇は本当にうれしかった。開催前に「今の制度で同一記念4連覇をやった人はいない」と聞いていて、“誰もできていないということは無理かなぁ”という気持ちもどこかにあった(笑)。でも、中四国に勢いがあるなかで、最後も前後のおかげで優勝することができた。とくに小学生の頃から知っている(宮本)隼輔、山下(一輝)さんと決勝で上位独占を決められたことはめちゃめちゃうれしいし、まさか、という感じです。感慨深いですね。とくに隼輔が仕上がっていた。相当、気合が入っていた。練習とかではそういう雰囲気をあまり出さないタイプだけど、今回は出ていた(笑)。決勝でも頼もしかったですね。
売り上げも良かったようで、なによりです。レースカットもあったのに。準決勝で負けてしまった新田(祐大)さんや松浦(悠士)さんが最終日に走ったことも大きかったみたいですね。それにしても、相変わらず防府バンクの声援はすごかった。毎年、他地区の選手からも言ってもらえるけど、今年も柏野(智典)さんから決勝の選手紹介後に「すごいね。あたたかいね」って言ってもらえて。新田さんからも直接、言ってもらえました。やっぱりお客さんの声援が一番、力になるんで。こっちも地元で結果を出そうという気持ちになるんですよね。地元選手として走れることを誇りに思います。まだ防府記念に来場されたことがない方はぜひ、本場に足を運んで防府記念の雰囲気を味わってほしいです。
優勝という結果には大満足だけど、手放しで喜べない気持ちもある。準決勝のレース内容は反省で、前で頑張ってくれた太我に申し訳なかった。地元記念で絶対に勝ち上がらないといけないという気持ちが強すぎて全く気持ちに余裕がありませんでした。1回目の雨谷さんの煽りをもらったときに少し浮いた感じがあって。その後の1コーナーでも外外を回されて完全に浮いてしまったと思ってしまって、外では間に合わないと思い内にいく判断をしました。
でもそのあと太我はもうひと伸びしてました。後からレースを見ても出切れてたと思う。ゴールした直後から誤った判断だったと思い、決勝に乗れて嬉しいって言う気持ちよりも太我に申し訳ないことをしたという気持ちの方が大きかった。4日間で唯一あのレースだけは心残りに。脚力も精神的にも強くなり次に太我と一緒になった時はしっかりと援護したい。それでしか返せないと思う。
ひとまず目標にしていた地元記念4連覇が達成できた。思い返せば、調子自体は普通だったかな。相当良かった平塚記念に比べると、うーん、って感じ。気持ちと周りのサポートのおかげ。本当に緊張してて、年々、緊張の度合いが増している。よその競輪場だったら、ここまではしないでしょうね。「いつもそれくらい緊張しろ」と言われたら返す言葉もないですけど(笑)。毎年“防府記念を優勝する”と言って自分にプレッシャーをかけてきたけど、体に悪い。寿命が縮んでますよ、絶対に。決勝戦のゴール後、隼輔から「4連覇したから、もうエエやろ」って言われたし、来年は山口勢で5連覇を目指します!
これで今年最後のGI・競輪祭に気持ち良く向かえる。GIタイトルを獲ることも目標なので、今年のラストチャンス、頑張ってきたいと思います。
最後に、11月9日に27歳になりました。27歳の清水裕友も、タイトルを獲れるように精いっぱい頑張ります。これからも応援よろしくお願いします!
【読者から届いた質問コーナー】
ーー一番欲しいタイトルは? 意識しているGIレースはありますか?
ダービーですね。権威がある大会だし、走っていてダービーの雰囲気が一番いいと感じているので。
ーーKEIRINグランプリに向けてこれからどんな準備をしていきますか?
まだ確定になっていないので、グランプリのことは考えていないです。まずは競輪祭に全力投球。脚力を向上させたいですね。
ーーS級S班の中で最年少ですが9人の序列はありますか?
基本的に個人事業主なので序列とかはないですね。年下だから、というのもないです。
ーー「わや」みたいな、山口の方言を使って選手同士で談笑したりしますか?(話す人の地区によって、方言を意識したりしますか?)
山口県の選手とは山口の方言でしゃべりますね。あとは他地区の選手の方言を真似したりします。九州の人の「○○○っち」とか、高知の「○○○するろ」みたいな。語尾に「ろ」を付けて真似したりします。
ーー「思ったことを口にしていく」とおっしゃっていましたが、この人だけには思ってても言えないな、っていう怖い人はいますか?
競輪界ではいないですね。昔は親父が一番怖かった。よく怒られたので、怒られることに対しては免疫ができています。個人的には、ネチネチ言われる方が嫌ですね。
ーー今乗っている車は何台目ですか? また替える予定はありますか?
4台目です。替える予定は今のところはないですね。
ーー子供の頃に好きだったアイドルはいますか?
全く興味を示さなかったんですよね…。好きな女優とかもいなかった。中日ドラゴンズおたくでした(笑)。
ーー結婚観について教えてください
特にないです(笑)。
ーー私生活などでルーティンみたいなものはありますか?
毎朝、起きてすぐにバターコーヒーを飲みます。競走中も買って持ち込んで飲んでます。昔からあまり朝ご飯が食べられない人間で、そんな感じになりましたね。
ーー40歳、男性です。私は妻が怖いです。怖いものってありますか?
雷は本当に苦手。自分のところに落ちてくるんじゃないか、って思う。以前に松浦(悠士)さんと食事をしていて、雷が鳴ったのでめちゃめちゃビビっていたら、松浦さんに笑われた…。
(取材・構成=netkeirin編集部)
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清水裕友
Hiroto Shimizu
清水裕友(しみずひろと)。山口県防府市出身。105期。日本競輪選手会山口支部所属。師匠は國村洋。ビックレースはGI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」(2020年)、GII「サマーナイトフェスティバル」(2020年)、GII「ウィナーズカップ」(2021年)。