2025/05/04 (日) 08:30 22
KEIRINグランプリ二度制覇!“ヤマコウ”の愛称で知られる山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。
第79回日本選手権競輪決勝メンバーが揃いました。ライン構成は以下の通りです。
①古性優作(大阪・100期)
②新山響平(青森・107期)ー⑧菅田壱道(宮城・91期)ー⑥阿部力也(宮城・100期)
③眞杉匠(栃木・113期)ー⑨吉田拓矢(茨城・107期)
④浅井康太(三重・90期)
⑦松井宏佑(神奈川・113期)ー⑤岩本俊介(千葉・90期)
実力日本一を決めるトーナメントである日本選手権競輪は、賞金も他のGIと違い破格の9400万円になります。レースも緊張感あふれるレースが多かったですね。その中で印象的だったのが2日に行われたゴールデンレーサー賞でした。前受けした古性は先行する眞杉の3番手を捌いて吉田拓矢のインを突いて1着。古性の後ろに陣取った郡司浩平(神奈川・99期)は、先行するつもりはあったでしょうが、古性の動きに翻弄されて前に出られず、単騎の選手も好位を回ることはできませんでした。レース後、「豪快なレースをしたかったがしょーもないレースだった」と険しい顔(本人は普通なのかも…)でコメントしました。その後「単騎の選手は気になったか?」の質問に「内に行くタイプばかりだったのでやり易かった」と答えています。ヨコの動きは絶対的な自信があるんでしょうね。決勝も好位は優先的に回れると思います。
眞杉匠と新山響平も強気なレースで決勝に駒を進めました。眞杉は特選で先手の番手を奪う競走で、「先手の3番手を取って自力」の方程式を持ち込みませんでした。流れに乗るのも大切ですが常識にとらわれない能力も時には必要です。眞杉のバランス能力は見事でした。新山も準決勝、厳しいメンバーでしたが挑戦者の太田海也を受け止め、なおかつ勝つという見事なレースでした。
さて決勝はどう動くでしょうか。②新山はダービーの決勝といえども自分の走りを貫くと思います。そうでなければ準決勝で太田とやり合うことはできません。前受け突っ張りです。その後ろは①古性がいると思います。
S.②⑧⑥ ① ③⑨ ④ ⑦⑤
⑦松井は脚を溜めたいので突っ張られたら無理に抵抗しないでしょう。そのまま②新山が先行態勢で、次のポイントは①古性③眞杉がどこで仕掛けるかですね。②新山の後ろを狙う可能性もあるでしょうね。
←③⑨
H.②⑧⑥ ① ④ ⑦⑤
←③⑨
B. ←① ⑦⑤
②⑧⑥ ④
⑧菅田もブロックしながら前に踏むでしょうが①古性に決められることも…。
・1=3-2948
・1=2-3894
③眞杉が前ならレースはどう動くのか?
S.③⑨ ① ②⑧⑥ ④ ⑦⑤
これだと②新山は松井にフタをされてしまいインに詰まる可能性もありますね。その時③眞杉は腹を括って逃げるでしょう。
・9=1-348
先日の豊橋全日本選抜競輪決勝は眞杉が吉田拓矢を連れて逃げました。眞杉は初めてのタイトルが吉田拓矢の番手でした。そのアンサーレースだったとも言えます。少しでも隙があれば眞杉は逃げることもあるのではないでしょうか。いずれにしても①古性②新山③眞杉が抜けている存在ですね。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。