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女王・児玉碧衣の“まだまだ成長中!”

小松島ミッドで強敵撃破V!“完全復活”予感させたが…「まだ戻り切っていない、虚無の状態」/児玉碧衣コラム

2025/02/26 (水) 18:00 8

ガールズケイリン・児玉碧衣選手コラム。今年3場所目となった松阪で2025年の初優勝を飾ると、続く小松島も強敵を撃破して連続完全V。順調に調子を上げているように見えますが実際の手ごたえは!? プライベートでは今まで毛嫌いしていた〇〇にハマっているそうで…。

2月は2節連続完全優勝!(写真提供:チャリ・ロト)

ーー前回のコラムのあと、地元の久留米、松阪、小松島に出場しました。久留米は決勝4着で地元優勝とはならず。ご自身で振り返ってみていかがでしたか。

 久留米は地元だったので優勝したかったのですが…。決勝は(坂口)楓華の仕掛けに反応できたのは良かったけど、楓華が真後ろにハマる展開になってしまったので。今の力では、真後ろに楓華に入られる展開では厳しかったです。それに4着まで沈んでしまったしタレてもいましたね。脚力不足を感じました。

ーー2月に入って初戦は松阪でした。今年の初優勝を見事に3連勝で飾りました。

 松阪の決勝は、カマしてきた渡部遥ちゃんにうまく反応できてスイッチできたのが良かったのかなと。脚力的にはまだまだ足りていないけど、レース勘っていう部分はちょっとずつ取り戻せてきているのかなって感じました。

ーー次節の小松島決勝は太田りゆ選手が強敵という構成でした。

 小松島の決勝は本当はスタートでりゆさんより前の位置を取りたかったんですけど、りゆさんの真後ろになりました。ただ、りゆさんの仕掛けに付いていくという考えは全くなかったです。りゆさんより先にどのタイミングで前に出ようかって考えていたら、内が空いたので掬っていきました。先頭までいければよかったけど締められて、そこでバックを踏んで脚をつかってしまいました。それでもなんとかカマしてきた(石井)貴子さんを追い掛けて、1コーナーではりゆさんが外に踏み出しているのがわかったので、先まくりにいきました。そこから押し切れたのは良かったと思うんですけど…。

ーーけど…? あの小松島の優勝は完全復活を予感させるものに見えましたが、ご自身の中では不満が?

 そうですね…。正直言うと、まだまだ脚力も気持ちも戻り切っていないなって感じます。

ーー太田りゆ選手を相手に優勝できても?

 うーん。勝ってうれしい、負けて悔しい、という気持ちがやっぱり前ほどではないんですよね。虚無の状態といいますか。まだ気持ちのスイッチが入り切っていないのかなって。「早くスイッチ入って!」って自分自身にずっとお願いしているんですけど(苦笑)。私の性格的に、周りから言われて「じゃあ、スイッチを入れるか」ってなるタイプでもないですし。とにかく自分自身の気持ちが上がってくるのをずっと待っている状態です。

強敵・太田りゆ(1番車)を僅差で振り切りV(写真提供:チャリ・ロト)

ーーそうだったのですね。それでもなんとか結果を出して、ファンの期待には応えています。

 お客様がお金をかけてくれて成り立っているわけですし、中途半端な気持ちで走るのは申し訳ないので。そこだけはしっかり頭に入れてやっています。それに走るからにはやっぱり1着を取りたいですからね。そこはしっかり意識して、レースになったらなんとか気持ちを上げて頑張っている、というような状態です。

ーー今年最初のGIも約2か月後に迫ってきましたが。

 そうですね。でも今はそこへ向けて、みたいな感じではないので…。大きな目標は特に立てず、とにかく1日1日、できる限りのことをやっていくしかないのかなと。

ーー「今年は毎日必ず自転車に乗る」という目標を立てていましたが、今でも続いていますか。

 実はそれが…(苦笑)。新年初戦の取手まではちゃんと毎日乗っていたんですけど、その取手の決勝で内を空けるミスをしてしまって…。そこでまた“はぁ、もう無理やわ”みたいな気持ちになってしまい、そこからはバンクにほとんど行かなくなってしまいました。正直言うと、松阪から小松島の間は、一日も練習できていませんでした。プライベートとかではすごく元気だし楽しいけど、自転車と向き合わなきゃいけないってなると、どうしても気分が沈んじゃうんです。スイッチがいつ入ってくれるのか、こればっかりは自分でもわからないので…。

ーーでは少し話題を変えて。22日にはサテライトあだたらのトークショーに出ていましたね。

 はい、呼んでいただきました。

ーートークショーなど積極的に参加されている印象ですが、碧衣選手にとってもプラスになるのですか。

 お客様から生の声をいただけるというのは元気をもらえますし「頑張らなきゃ」って心を動かされる感じはあります。

ーートークショー後は練習もヤル気になる?(笑)

 そういう気持ちで地元に帰るんですけど、いざ1人になって自転車を見ると…。ちょっと重症ですよね(苦笑)。

(撮影:北山宏一)

ーープライベートは楽しいとのことですが、今ハマっているものはありますか。

 最近、小説にめっちゃハマっているんです!

ーー失礼ですが、碧衣選手が本を読むというのはちょっと意外な感じがしました(笑)

 今まではめっちゃ毛嫌いしていたんです。文字ばっかり見ていると眠くなるし。なんなら、眠気を誘うために読むくらいでした。

ーーなにかキッカケがあったのですか。

「変な家」という本がすごくおもしろいと噂でチラチラ聞いていたので、「騙されたと思って読んでみるか」って読み始めたら、めちゃめちゃおもしろくて。それでハマっちゃいましたね。「変な絵」とか、ここ最近だけで一気に7冊読みました。今は眠くなるどころか、ページをめくる手が止まらなくて、次から次へと読んじゃって全然寝られないですね。開催中や移動中の楽しみが増えた感じです。みなさん、オススメの小説があったらぜひ教えてください(笑)。

(撮影:北山宏一)

ーーでは最後に、読者の方からの質問にいくつか答えていただけますか。

 はい、よろしくお願いします。

Q.碧衣選手は他の選手よりレースとレースの間隔が長い気がします。他の選手はよく中2、3日とかで走っているのをよく見かけますが。何か理由があるのですか?

 これはあっせん次第なので、自分でどうこうできるものではないのですが、確かに最近はずっと詰め詰めの日程がないですね。良い感じのスパンで走れていると思います。

ーー碧衣選手が追加で走るケースをあまり見ない気がしますが、断ったりしているのですか。

 いや、そんなことはないですよ。まあでも、そもそも追加の連絡が入ることがそんなに多くない上に、たまに連絡をもらったとしても都合が付かず受けられないとか。間隔が空いている気がするのは、それもあるかもしれません。最近はレースに行った方が指定練習とかでしっかり練習できるので、家にいるより競走にバンバン行った方が強くなれるかも(笑)。

Q.オロナミンCが好きなんですね。また競輪場や家ではお菓子は食べたりしますか。

 オロナミンC、好きです(笑)。5、6年前くらいからかな、レースの前にオロナミンCを飲むのがルーティンになっています。飲み方にもこだわりがあって、空けてグッと一気飲み、それはこだわっています。お菓子は…。開催中は時間があったりヒマなので、たまに食べちゃいますね。家では食べないですけど。

Q.メガネ姿がステキです!度が入っているんですか?それとも伊達メガネですか。

 メガネは度が入っていますよ。コンタクトがあまり好きではないので、コンタクトはレースの時だけ。レース直前にコンタクトをつけて、レースが終わったらすぐ外すので、ほとんどメガネで過ごしています。ちなみに0.2くらいの乱視です。

前検日に見せた“メガネ姿”(撮影:北山宏一)


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女王・児玉碧衣の“まだまだ成長中!”

児玉碧衣

福岡県大野城市出身、108期生のガールズ選手。2015年に松戸競輪場でレースデビュー、初勝利。2018年8月にはガールズケイリンコレクションいわき平ステージ・ガールズドリームレースでビッグレースの初優勝を経験し、同年11月のガールズグランプリトライアルレースの優勝してグランプリの出場権を得た。初出場でガールズケイリングランプリ2018のタイトルを獲得すると、2019年、2020年も優勝し、グランプリ史上初の3連覇を達成。3年連続で賞金女王となった。好きなアーティストは倖田來未。

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