2025/02/19 (水) 15:00 2
現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小松島競輪場で開催されているウィンチケットミッドナイトの決勝レース展望です。
【ウィンチケットミッドナイトG3】は、昨年の【WTミッドナイトG3】に続く、ミッドナイト開催でのGIIIとなりました。 昨年の【WTミッドナイトG3】の予想コラムでも書かせてもらましたが、現役時はミッドナイト競輪が始まるにあたって、小倉競輪場で行われたS級の大会に出場したことがあります。
それまでナイター開催は走っていたものの、更に夜が深い時間のミッドナイト開催となると、起きてからレースを迎えるまでの時間が、あまりにも長くなりすぎるので、前検日はかなり夜更かしをしました。
解説者となった今は、ナイター開催の解説だけでなく、現役時は一度も走ったことが無かった、モーニング開催の解説を務める機会も増えてきました。
どちらも体内時計を合わせるところから仕事は始まります。ただ、年齢のせいなのか、早めに起きてしまいがちなので(笑)、早い時間の解説の方が予想も冴えわたっているかもしれません。
ミッドナイト開催で若手選手が台頭しているのは、夜に強いのも関係しているのではと思ったこともあります。ただ、S級の実力者が揃った今大会は、そうやすやすと勝たせてはもらえなかったようです。
それでも決勝には25歳の久田選手が名を連ねていますし、他にも7車の競輪に慣れている選手たちが、順当に勝ち上がってきた印象を受けました。
その中でも抜けた存在となっているのが、長きに渡ってSS級に在籍してきた新田選手です。初日の特選は6番手から捲っていくと、1周半の距離を押し切って勝利。準決勝も大川選手の番手から、直線で抜け出すという危なげないレースを見せていました。
決勝の並びは①新田選手-③松坂選手、②鈴木選手-④金子選手-⑤佐藤選手、⑦久田選手-⑥島川選手と三分戦になりました。特選でも連携した新田選手と松坂選手が混成ラインながらも、その他は関東ライン、徳島ラインと順当な並びになっています。
ここは鈴木選手の先行1車といったメンバー構成となりました。最近の鈴木選手はバック本数にも表れているように、積極的なレースを見せています。
決勝も佐藤選手に前を任せても良かったかと思いますが、体調の良さも含めて、ここは自分が前で駆けた方が勝機があると見たのでしょう。
ただ、久田選手、島川選手と徳島の両者も連日に渡っていいレースを見せています。この決勝でも前受けをした新田選手に対して、後方となった久田選手が抑え先行に入る。そのタイミングに合わせて、鈴木選手が捲っていく展開になりそうです。
その時に新田選手が突っ張っていくのか、後ろまで下げるのかがポイントとなります。新田選手は鈴木選手との競りでは分が悪いので、6番手まで下げてからの捲りを狙う作戦もあります。
ただ、久田選手を突っ張っていきながら鈴木選手を前に出すと、4番手に入ることができます。この作戦の方が先捲りができるので、より優勝に近づくと言えるでしょう。
順当ならば番手を回っている松坂選手とのライン決着となるのですが、初日の特選のように、新田選手のダッシュに松坂選手がついていけないかもしれません。その時には新田選手の後ろに鈴木選手が入っている可能性もあり得ます。
島川選手は久田選手が4番手を取れた時には、その捲りに乗っていけるので、久田選手の位置取りや、仕掛けるタイミングによっては優勝も見えてきます。
印としては◎①新田選手、〇②鈴木選手、△⑥島川選手、×③松坂選手に打ちました。本線は新田選手-鈴木選手での決着ながらも、島川選手が3連単の頭まで来た場合には、思った以上の高配当になるかもしれません。
鈴木誠
千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。