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鈴木誠のハイブリッド展望

【たちあおい賞争奪戦予想】決勝はほぼ特選メンバーの再戦に! 先行していった新山を捲っていくのは、深谷と眞杉! ダッシュの違いで深谷が地元記念制覇を果たす!/鈴木誠の展望

2025/02/16 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は静岡競輪場で開催されている「たちあおい賞争奪戦」の決勝レース展望です。

若手選手が台頭した今大会! 最終日もけれん味のないレースに注目!

「たちあおい賞争奪戦」が行われている静岡競輪場に、今年もCS中継とイベントの仕事で呼んでいただきました。

 競輪場の近郊にサテライトといった場外発売所が無いだけでなく、他場とも距離が離れている静岡競輪場は、来場者の多い競輪場ともなっています。

 主催者も競輪場に来てくれている、ファンの皆さんを楽しませるべく、連日に渡って様々なイベントを開催しています。

 開催2日目は現役を引退した神山雄一郎さんのトークショーが行われていただけなく、準決勝が行われた開催3日目には、イベントステージでの女子プロレスは、とても迫力がありました。

 開催最終日もダンスコンテストやお笑いライブといったイベントが予定されています。また、自分も伊藤勝也さん、坂本勉さんと共にレース展望トークショーに出演します。

 これをお読みの静岡競輪場の近くに住んでいられる競輪ファンの皆さんは、競輪をやったことがない友達や知人の方に、「こんな楽しいイベントがやっているよ」と声をかけて、一緒に静岡競輪場へと足をお運びください。

 今大会は競輪をあまり知らない人が見ても、スピード感や迫力を感じさせるレースが行われていたと思います。それは今大会に出場している、若手先行選手の台頭もあったはずです。

 準決勝にも今や記念大会の常連となった藤井選手や、昨年のヤンググランプリにも出場していた後藤選手といった、勢いのある若手が、実績充分のSS班に真っ向から向かっていきました。

 ただ、準決勝の11レースに出場した藤井選手は、2コーナーから捲っていった眞杉選手に飲み込まれただけでなく、12レースに出場した後藤選手も、先行したその上を深谷選手に交わされていきました。

 藤井選手、後藤選手ともに、改めてSS班といったトップクラスの選手との力の差を感じ取ったはずです。これを繰り返していくうちに、仕掛けるタイミングも分かってくるだけでなく、いつかは、捲ってきた選手を寄せ付けないような脚力もついてくることでしょう。

 準決勝に進出した若手選手では、石原選手もいい走りをしていました。開催最終日は、こうした若手選手の走りにも注目してもらいたいと思います。

 結果的に決勝メンバーの8名は、ほぼ初日の特選に出場した選手たちとなりました。特選からの連勝で準決勝へと進んできた、松浦選手の落車は残念でしたが、その時とは車番が違うだけに、決勝は選手間の駆け引きも重要となってきそうです。

 決勝の並びは①深谷選手-⑨岩本選手の南関東ライン、⑧嘉永選手-②荒井選手の九州ライン、③眞杉選手-⑦坂井選手の関東ライン、⑤新山選手の後ろは④浅井選手と、特選と全く同じ四分戦となりました。また⑥河端選手は単騎となります。

 特選では前受けをした新山選手が突っ張り先行を見せましたが、ここは車番通りに深谷選手がスタートを取っていきそうです。

 深谷選手もそのまま突っ張っていける脚力はありますが、同じく前受けをした準決勝12レースと同じように、いったん下げてから新山選手の先行を引き出していくと見ています。

 その時の他のラインですが、ここでは眞杉選手の仕掛けがポイントになりそうです。眞杉選手は捲りを狙ってくるはずですが、深谷選手をイン切りした場合には、先行していく新山選手の3番手に入れます。

 眞杉選手の捲りを封じ込むべく、新山選手は抑え先行に持ち込む手もあります。ただ、あまりにも流してしまうと、後方に下げた深谷選手が一気に捲ってくるので、早いタイミングから全開で踏み出していくはずです。

 眞杉選手も離されないようについていきますが、両者が並んだ時に後方から一気に交わしていきそうなのが、今大会好調の深谷選手です。

 深谷選手は準決勝で見せたダッシュ力も見事でしたが、二次予選でも2周の距離を果敢に先行していきながら、上がりタイムも優秀にまとめていました。

 眞杉選手は横の動きもできるだけに、横に並んだ時に合わせられる可能性もありますが、スピードの違いですんなりと交わして行くはずです。その時は番手の岩本選手との上位独占が車券の本線となります。

 また、眞杉選手を捲り切れなかったとしても、静岡バンクの長い直線ならば差し切れると見ています。三連単では深谷選手⇔眞杉選手の組み合わせも抑えておくべきでしょう。

 印としては◎①深谷選手、〇⑨岩本選手、△③眞杉選手、⑤新山選手とします。買い目には入れていませんが、新山選手が逃げ切った場合には高配当も望めそうです。

 九州ラインは前を任された嘉永選手の機動力が、他の自力型よりも見劣るだけに、道中の位置取りが鍵となってきます。単騎の河端選手はタテ脚こそ魅力的ですが、位置取りに難があるので、ここでの上位争いは難しいでしょう。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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