2020/12/27 (日) 12:00 0
今回、広島競輪場で開催されている「ひろしまピースカップ」(GIII・広島記念)ですが、来年の競輪界を沸かしてくれそうな、117期生の活躍が目立っています。
117期生で決勝に残ったのは、地元の町田選手と、ここまで無傷の3連勝で勝ち上がってきた山口選手です。コメント的に町田選手は、「自分の競走をやりたい」と話していたので、ここでも先行して、山口選手に捲られないようなレースをしてくるはず。
一方、山口選手は同じ117期生であり、今はS級に上がっている寺崎選手をライバル視しており、その寺崎選手を超えるには、先に記念を優勝したいと思っているはずです。この町田選手のコメントや、山口選手の心境からしても、先行するのは町田-佐々木-阿部のラインになるのではと見ています。
そうなると、年齢的には117期生の2人よりも少し上ですが、場数を踏んでいる野原選手が、鈴木選手を引き連れて前受けをしてくるはずです。その2人の後ろには、単騎を選択した松谷選手が入ってくるのではないのでしょうか。
後方に位置していそうな山口-皿屋-吉田のラインですが、山口選手が抑えて来たとき、町田選手は早めならば引くでしょうし、遅めならばそのまま出ていく選択をすると思います。その際、同期対決で脚を削り合ってくれるのならば、野原-鈴木の2人にチャンスが回ってきそうです。
野原選手としては117期生でやりあってくれたほうが好都合でしょうし、車券も調子のいい野原選手の後ろに鈴木選手が付ける、この2人の裏表から狙ってみたいと思います。他に調子がよく見えたのは先行力が光る町田選手であり、スプリンターとしての高い能力をレースごとに示している山口選手と、やはり117期生の2人です。
今回の記念競輪を見ていても、地力型が若くなったとの印象があります。そのなかでも切れのあるスピードで捲っていく山口選手が目を引きますが、そのぶん、捲りは接触も多いなど、リスクの高い戦法でもあります。
一方、町田選手はS級になってからほぼ先行していますが、学生の頃から1000mだけでなく、パーシュートというまだ長い距離でも活躍を残してきた中長距離型の選手。今の競輪は一周半以上もがくレースが増えてきましたが、今後、町田選手が先行を続けることによって、ラインとしての信頼度も増してくるでしょうし、自身も力を付けていくことで、さらなる活躍も期待できると見ています。
まとめとなりますが、本命は野原選手で、対抗は鈴木選手。連下は佐々木選手で、穴は山口選手です。3連単の狙い目としては野原-鈴木の折り返しに、3着を町田選手の後ろを回る佐々木選手と阿部選手、そして山口選手が飛んできそうなので、それらの組み合わせを。
もうひとつは野原選手の捲りに、山口選手も合わせていく2人の折り返しに、3着に鈴木選手、佐々木選手、そして準決勝で鮮やかな切り返しを見せた阿部選手を加えた車券が狙い目です。
鈴木誠
千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。