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鈴木誠のハイブリッド展望

【立川GIII・決勝レース展望】 波乱のグランプリ回顧、そして一見順当に決まりそうに見える鳳凰賞典レースの見どころは?

2021/01/07 (木) 12:00 1

 あけましておめでとうございます。今年もこのコラムをご贔屓にしていただけますと幸いです。今年も1年、よろしくお願いいたします。

 さて、年始最初ということで、まずは年末のグランプリを振り返りたいと思います。展開としてはほぼ予想通りでしたが、落車明けの影響もあったのか、脇本選手のかかりがそれほど良くなく、平原選手が清水選手をブロックにいったときに、そのタイミングを見逃さなかった和田選手に勝機が回ってきました。

 今回は全員にチャンスがありましたし、見ごたえもあって、感動を覚えるようなグランプリでした。グランプリの覇者となった和田選手は今年1年、1番車のユニフォームを着用してのレースとなります。

 今まで以上に責任と結果を求められる選手となるわけですが、競輪が好きで、強くなりたいという初心を忘れることなく、練習に取り組んでもらいたいですし、レースにおいても常にお客様のことを思いながら、このプレッシャーを楽しむつもりで一年間頑張って欲しいです。

 今年最初のGIIIとなる鳳凰賞典レース(GIII・立川記念)にも、グランプリに出場していたS級S班の3名(郡司選手、清水選手、平原選手)が力通りの結果を出して、決勝に勝ち上がってきています。

 並びですが、関東の並びが鈴木(庸)選手の後ろに、平原選手-鈴木(竜)選手。南関東ですが、郡司選手-近藤選手と神奈川の2人が並び、その後ろには近藤選手。中国地区は清水選手-桑原選手が2車となり、九州の坂本選手は単騎でのレースを選択しました。

 大きく分けて三分戦となりましたが、このメンバーを見たときに、誰が先行するかといえば、やはり地元の鈴木(庸)選手となりそうです。そこに郡司選手、清水選手がどう仕掛けていくかが、レースの見どころになるかと思います。

 準決勝を振り返ると、S級S班の3人でさすがだなというレースを見せてくれたのが、早めに仕掛けに行ってラインを残した、郡司選手と平原選手だと思います。一方、準決勝での清水選手は勝つ競走をするべく、先行ではなくて捲りを選択しました。

 この3日間を見ても、清水選手は決して本調子ではないのではと見ています。調子がいいのは郡司選手と平原選手、そして、準決勝で果敢に先行した、鈴木(庸)選手も状態が良さそうです。

 地元の鈴木(竜)選手は追い込みでここまで3連勝。もともと地力選手であり、すんなり番手を回ってこられれば、直線の長い立川バンクを生かして、抜け出す展開も見込めるかもしれません。

 そこに郡司選手と清水選手がどう巻き返してくるかですが、準決勝では1周以上も先行してみせた、郡司選手の調子が良さそうです。鈴木(庸)選手が思いっきり踏み出したときにも脚をためながら、捲り追い込みを決められそうなのは郡司選手なのではと思います。

 もし、鈴木(庸)選手が流していくようだと、そこを見逃さないのがS級S班の選手ですし、その場合は郡司選手がホームで先行する展開もあり得るかもしれません。

 もうひとつ、注目したいのがスタートしてからの位置取りです。関東ラインがスタートを取ると、枠的には南関東ラインが中団、中国地区が後団となるのが想定されます。

 この並びになった場合、打鐘が鳴った後で、後団の清水選手が関東ラインを抑えにいく形になるのですが、それを郡司選手がさらに抑えていくような流れになると、関東ラインの後の4番手を取りやすくなるのは郡司選手となります。逆に郡司選手が前受けをしてしまうと、関東ラインの後ろに入れる清水選手にも勝機が訪れるかもしれません。

 ただ、S級S班の選手が3人揃っていた場合、終わってみたら、その3人で決まっていたというのもよくある話ではありますが…。

 まとめとなりますが、本命は平原選手で、対抗は鈴木(竜)選手。連下は郡司選手で、穴は清水選手です。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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