2025/02/07 (金) 12:00 23
奈良競輪の大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 春日賞争覇戦(GIII)」が8〜11日に開催される。昨年のグランプリ覇者であり、GI2冠でMVPに選ばれた古性優作(33歳・大阪=100期)が昨年大会に続いて出場する。
そう、昨年大会の決勝は古性が脇本雄太(35歳・福井=94期)に先行で真っ向勝負を挑み、壮絶なバトルとなった。近畿は古性と脇本と三谷竜生(37歳・奈良=101期)ー三谷将太(39歳・奈良=92期)で別れての戦いだった。燃え上がる戦いは竜生のまくり優勝に翔太が続いて、2018年大会以来、2回目の兄弟ワンツーを地元記念で飾った。
残念ながらワッキーが身体の不調を抱え、欠場となってしまった。すでにボロボロの体だ。昨年終盤の競輪祭、グランプリと戦い抜いた反動なのか…。回復を祈るばかりで、まずは今回の古性の走りに注目したい。
古性は、何をする? 常に、ゾクゾクする。
ビートルズの「It’s All Too Much」という曲を聞いてから、私は「Too Much」が信条になっている。全体の「It’s All Too Much」は、もうたくさん、という感じなのだが、その「Too Much」に私はこだわりたいと思ったのだ。
正常なものに何かが足されていて、誰かを、何かを刺激する。現在の競輪界では古性の走りが、選手たちに、ファンに、競輪界に何かをプラスしていっている。古性が目指しているのは、他の追随を許さない高み。あの笑顔に秘められた「Too Much」を今回も期待したい。
ラインの先頭で戦う場合、番手、もしかしたら3番手の場合。古性は七変化していく。古性、根性、過剰に異常〜。いやそれは、彼の正常。
見ている人すべてが感じているだろう。今年の郡司浩平(34歳・神奈川=99期)はひと味違う。立川記念の準優勝から、松阪、高松と記念を連続優勝。当コラムで何度も書いてきた、王道の、正統派の郡司からの脱却が明らかに見てとれる。
鬼平。“郡司鬼平”、と化した。古性にやられがちなイメージを払しょくする、鬼、に変貌している。このシリーズ、短走路のせめぎ合いは、息をつく間もないだろう。燃える三谷兄弟もいて、直前控室の空気はどんなものになるのだろう。
そして、平原康多(42歳・埼玉=87期)は落車明けの参戦になる。さすがに古性や郡司とはひと世代違う上のところにいる。だが、若いころの平原こそ、古性のような暴れっぷりを散々見せつけてきた。
無理はもちろんしてほしくないが、安全に、それでいて彼らに負けないノーガードの戦いに挑む。昨年からの成長著しい佐々木悠葵(29歳・群馬=115期)や小林泰正(30歳・群馬=113期)との連係で、関東に流れを引き込む。そしてそれは、1月斡旋が止まっていた眞杉匠(26歳・栃木=113期)と坂井洋(30歳・栃木=115期)の心を燃え上がらせるだろう。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。