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前田睦生の感情移入

【競輪の挑戦】4月から開催される「KEIRIN ADVANCE」、エリミネート…生き残るのは誰?

2025/02/04 (火) 12:00 18

競輪の様々な形

競輪の挑戦

 2025年度の競輪開催における新規施策として、いくつかこの4月から施行実施されるものがある。ひとつは男子選手におるインターナショナルレース「KEIRIN ADVANCE(ケイリン アドバンス)」で、4月4開催、6月2開催の6開催行われる予定だ。

 “競輪は難しい”、“当たらない”、と、言われることがあった。そしてその最大の要因として「ライン」が挙げられた。「ラインって何?」ーー。そこでその裏側に、ラインのない、『個』で戦う競走が初心者にはわかりやすいのではないか、という発想が常にあり、過去、挑戦もされてきた。今、多くの新規ファンが増えているからこそ、今回の挑戦の意義がある。

 古いファンは食いつかないかもしれないが、この形の競走で競輪に触れやすくなるかどうか、現状は試験的な意味合いが強い。長く競輪に接していると、「う〜ん」と思いがちだが、20代やこれからの世代である10代、また子どもたちの世代はどうだろうか。

 生き残るのは、誰?

温故知新

挑戦することが必要

 3日制GIII2節が、7月に京王閣で行われる。グレードレースの形態が現在のものになったのは2002年4月から(GI、GIIはその間の変遷もあった)。その前の記念は前節、後節で3日ずつ。A級とS級が行われるものだった。記念が4日制(全S級)になることで指摘され続けているのは、「GIIと、もしかしたらGIとあまり変わらない」というものだ。

 年間の(大きく言えば未来永劫的に)競輪の物語性を生むためのグレードシステムが、物語をおぼろげにしていないか。現在、記念は大きくGIIIというくくりなので、今回の3日制GIIIという表現になるが、かつては前節後節の記念だった。(この、記念とGIIIの差、については、ここではさておく)

 故きを温ねて新しきを知る。記念3日制の時代を知らない世代が多くなり、それが効果的かどうかを知ることは必要だ。

 ルーキーシリーズにおいても、現行のルールからインターナショナルルールで行われる。簡潔に言えば、男子もガールズのルールで行う、ということ。新人が「ラインについて」をルーキーシリーズで、未知数の状態の中で考えるシーンも面白かったが、そこはなくなる。

エリミネーションは極限の興奮

すべてはサバイバル

 当方はエリミネーションとBMXの車券発売を訴えている人間だ。BMXは世界的にもウケると思っている。また、エリミネーションは日本的にウケると思っている。日本人的に、ウケると思っている。

 エリミネーションは例えば、選手が20人走るなら、1周ごとに最後尾の選手が失格となり、エリミネート(除外)される。最後まで残った選手が勝ち、となる。着順がはっきり決まるので3連単で発売できる。生き残るのは、落ちていくのは…誰。

 これは完全に個人(筆者)の考えなので、聞き流すか、笑い飛ばすかで済ませてもらいたいのだが、日本人は閉鎖的で陰湿な傾向を持ち、そこに集団性を加えて狂気的な衝動を感じやすいと思っている。(←この部分に関する議論はしません。私が感じているだけなので)

 絶対、エリミネーション、好きだよ。

 売り上げ的にはやってみないと分からないものではあり、厚く張る、という性質ではなく、そんなに売り上げはないのかもしれない。だが、1日の真ん中のレースに入れて、こんなのもあるんだ、とそそらせてもいいと思う。

エリミネートされるのは、誰

挑む前の緊張

 人間の日常として、『挑戦』は常にかつ永遠に大事。昨今の社会、白か黒か、右か左か、極度に意見の違いを強調する傾向を感じている。自分とは違う考えについては、暴力的にでも攻撃するシーンも見られることが、社会問題となっている。

 SNSがそれを助長する装置となっていることも否定できない。本来のあり方ではないだろう。SNSを生み出した人は嘆いていると思う。目の前に正解が落ちているわけでない。支え合って、時間をかけてでも大切なものにたどり着こうとするための力になりえるものがSNSだと思う。

 しかし、しかし、だ。

 もはやこんな緩やかな、ともすれば「優しい」だけの考え方の人間は生き残れない世界なのかもしれない。エリミネートされるのは、そう、私…。

どこへ、行く


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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