アプリ限定 2024/12/13 (金) 18:00 31
競輪ファンにとって年末の風物詩である「KEIRINグランプリ」。今年は2021年以来の静岡競輪場を舞台に12月30日に行われる。そこでnetkeirin編集部は、スポーツ紙の敏腕記者3名を集め、恒例の座談会を開催。前編は、選手を間近で取材してきた彼らが2024年のトップ戦線を総括する(文中敬称略)。(取材日:12月6日)
デイリースポーツ 松本直記者(以下松本) 「S級S班、天国と地獄」をテーマに、2024年の競輪シーンを振りかえりましょう。
東京スポーツ 前田睦生記者(以下前田) 私たち記者が見たリアルな選手たちの姿もお伝えします。
日刊スポーツ 松井律記者(以下松井) グランプリ出場メンバーも去年と変わって、S班の出入りが多い1年になったね。
松本 2月の全日本選抜競輪で郡司浩平が優勝を決めて、 5月の日本選手権競輪で平原康多が優勝。S班復帰を決めたのはこの2人。6月の高松宮記念杯で北井佑季が初優勝。古性優作が夏頃からエンジンがかかってきて、最後のグランプリへの賞金争いを脇本雄太が競輪祭でひと捲りして仕留めた。ざっとこんな流れでしたね。
前田 S班に復帰した選手からいきましょう。まずは郡司浩平。去年はケガが多く、それでS級S班から陥落して。
松井 一番の落とし穴は地元の平塚ダービー落車だったよね。「もう絶対獲るぞ」というところでしくじってリズムが壊れた。だけど、深谷が来て、松井と北井が成長して...と南関が厚くなっていった流れの中でボンと岐阜の全日本選抜で花開いた感じだったよね。
松本 全日本選抜に関しては北井佑季の引っ張りが大きかったし、彼の成長が郡司には大きかったですね。
松井 北井の準決勝はすごかった。
松本 郡司は去年の競輪祭でS級S班からの陥落が決まってから、1か月休んだじゃないですか。で、年明け1月の岸和田FIから復帰して優勝。リフレッシュがうまくいったんですね。1月からもう優勝、優勝で。
前田 タテがパワーアップしている感じだったから「返り咲くんだろうな」とは思ったけど、年明け早々だったからすごいです。やっぱり郡司は持っているんだな、と。
松本 郡司がS班復帰を決めたことで、南関にとっては高松宮記念杯での北井の優勝に繋がったのかなと。
松井 そうだね。
松本 そして平原康多。
松井 平原はSSから陥落後も流れが悪くて、FIでも勝てなかった。四日市では若手の纐纈洸翔に手玉に取られるようなレースだった。「大丈夫か?」と思ったところで、まさかのダービーを。ダービーは今まで獲れてなかったでしょ。
前田 高額賞金(ダービーとオールスター、グランプリ)に縁のない男、と。
松井 ダービーに関しては、今まで平原がやってきたことが結果になったなって本当に思ったね。調子うんぬんじゃないんだって。決して下馬評は高くなかったけど、 吉田拓矢が平原のために先行して、平原の背中をずっと見てきた武藤龍生が3番手でしっかり仕事して。彼の人間力というか、そういうものが獲ったタイトルだったかな。
前田 2024年の一番いいシーンだったかもしれないです。
松井 なかなか泣かない平原が、表彰式で泣いて言葉を詰まらせていて。
松本 郡司と平原は、苦しんだ後のことだったから、やっぱりグッとくるものはあったんでしょうね。
松本 続いてグランプリ初出場の北井佑季。「本当にこんなに練習するのか」って言うくらい練習の鬼だって、いろんな人から聞きますよね。
松井 川崎記念のエピソードはすごいよね。準決勝で眞杉とバチバチやったけど、先行させてもらえず負けて。悔しくてレース後に検車場からいなくなっちゃった。どうしてたかっていうと、3階のトレーニングルームで倒れるほどワットバイクでモガいてたって。「北井、大丈夫か」って同県のみんなも心配して、なんかもう劇画みたいな話だよね。
松本 とことんストイックというか、負けん気が強いというか。それが北井の原動力なんでしょうね。
前田 北井は、今年は種を蒔く時期かなと思ったけど一気に来ましたね。神奈川の、南関の流れに乗って、GIまで獲った。高松宮記念杯決勝は、古性に突っ込まれてコケながら制して...壮絶っぷりも北井らしくてすごい。
松井 北井の師匠の高木隆弘も平塚記念で落車滑入で優勝したレースがあって。高木さんも「あれを思い出した」と言っていた。そんなところまで似ているのか(笑)。
前田 死闘を制す力はやっぱり本物。
松本 郡司と北井の神奈川2人は、前後を入れ替えてGIを1つずつ獲った。グランプリでまた連係できる。並びも含めて楽しみですよね。
松井 去年の競輪祭では松井宏佑が獲りかけたけど逃がしてしまって。北井は今回、GIを掴めてよかった。
松本 古性はどうでしょう。夏から秋にかけての充実度はすごい。ほとんど車券にからんでいました。
松井 単騎だろうが目標がいようが、どんなときでも3着以内に入らないことはないから、敵にしたら本当に厄介な相手なんだろうな。
前田 「前の選手のこの動きがこうなる」とか、選手単体の動きを見極めている話は聞いていましたが、レース全体もここまで綿密に見えているのか、と思わされることがたびたびあります。多分9人全員のことが見えていますよね。
松井 同じようなことを、昔の松浦に感じたな。例えば「ここで自分がブロックすると、はじかれた選手はこっちの選手が邪魔になるから、自分が勝ちやすくなる」みたいな。将棋で言うと、3〜4手まで先を見た動きができるというのがあった。今は古性がそうだね。
前田 極まっている感じですね…。
松本 そして最終的に競輪祭を脇本雄太が獲りました。
前田 ワッキーもね、ヒヤヒヤというか...。
松井 本当に危なかったね。
前田 ウィナーズカップ(GII)は窓場と古性の力を借りて勝てたけど、やっぱり「大ケガからもう1回GIを獲れるのか」っていうところをモノにしました。
松本 ワッキーは今年ダービーに出てないんですよね。だから一番の高額賞金レースを走れていない。ウィナーズを勝った後も体はボロボロでした。
松井 自宅にジムを作ったことが話題になってはいたけど、本人は常に何かを抱えて走ってる感じだった。
前田 4月の西武園記念初日はレース後に椅子から立てなくて。
松本 今年は確かに初戦の大宮記念を初日だけ走って欠場したり、体調が整わない1年でした。だけど最終的に競輪祭を獲って「やっぱ強いな」って。
松井 最後のひと飲み、勝利への執念というか。ワッキーはただの天才じゃなくて、ものすごい負けん気が強い。届くの!? っていうレースが何度もあったじゃん。「こりゃダメだ」と思っても最後に届く。
前田 ワッキーって大変ですよね。勝ってもあまり褒められないけど、負けた時にはすごく叩かれる。でもそれがやっぱり横綱というか、受けて立つという、立ち位置なんでしょうね。
松本 そして賞金でグランプリ出場を決めた眞杉匠、清水裕友、新山響平。この3人は去年に続きS級S班を維持しました。
松井 前半ケガして出遅れたけど、眞杉はとにかく9月の共同通信社杯(GII)だったね。決勝の一発。南修二の内をしゃくって古性を飲み込んでっていうのは、普通の選手じゃ絶対できない。ゾーンに入ってるレースだったね。
前田 暴走族のフルスロットルみたいな(笑)。
松本 眞杉は1月の自分の祝勝会の前に練習中に落車して…。腕を吊って祝勝会に出た選手なんて後にも先にもいないんじゃないかな。
前田 あの写真には笑ってしまった(笑)。
松本 眞杉のヤンチャぶりというか、普段の練習でもゴリゴリ並走するという話は聞きましたけどね。春先はどうなっちゃうのかなと思ったけれど、尻上がりに調子を上げていって。共同通信社杯は地元の宇都宮でしたし。
松井 眞杉のモチベーション的によかったよね。そこにちゃんとピントを持っていけた。
松本 2002年の宇都宮での共同を優勝したのが神山雄一郎さん。それから22年ぶりに宇都宮での共同を眞杉が勝ちました。彼もすごく「持っている」と思った開催でしたね。
松井 今年の前半は清水裕友が話題を独占したんじゃない?
前田 走りっぷり、内容、結果も伴って。
松井 地元が3、4人固まったって全部清水がやっつけちゃった。
松本 ヒールを演じましたね。大宮記念も静岡記念も。アウェーで勝って、全日本選抜も準優勝。今年も安泰だなと思ったんですが...。
松井 本人が苦手としている夏場はまあまあだったけど、その後のケガが大きかったね。
松本 共同通信社杯の落車。
前田 地元の防府記念や競輪祭は、相当ダメージがあったような印象になっちゃいましたけど。
松本 防府記念は7連覇できなかったことで肩の荷は降りたのかもしれないけど、やっぱりショックも大きかったのですかね。前田君は、リニューアル後の防府記念を走った清水を見ていたわけだけど。
前田 顔色がずっと悪かった。
松本 プレッシャーと、整ってない状況でも期待に応えなくてはいけないっていう。
前田 審議になったのは二次予選かな。失格にはならずにセーフでしたけど、「首の皮ほんの一枚繋がった感じ」って言ったので「首が太いから大丈夫だよ」と返したら、ちょっと笑ってくれた(笑)。
松本 記者ができることはそれぐらいしかないかもね。
前田 本人はヒリヒリもしてないし、しっかり臨めているんだろうけど、やっぱり抱えているものは誰にもわからないぐらい大きかったのでしょうね。決勝が終わった後に感じました。
松本 今回、清水は単騎のグランプリになりました。この選手は、単騎の方が怖いんじゃないかな。
松井 2018年の静岡大会が清水のグランプリ初出場だよね。そのときも単騎で6番車だった。今回の抽選順を見ると、清水が6番車になる可能性は高いんじゃないかと思って。本当にそうなったら、ちょっとドラマがありそうだよね。
松本 そして新山響平。
前田 この話題のテーマが「天国と地獄」だけど、新山は9月末の青森記念ぐらいまで地獄ロードでしたよね。すっと頑張り続けて、レース内容もいいのに。
松井 年頭って、普通だったらオフを作らなきゃいけないと思うんだよね。野球選手みたいに、シーズンが終わったら。新山はそれがないまま行くから。やっぱりいつも前半は良くない。スロースターターだよね。
松本 新山、結局今年いくつGI決勝に乗りました? 4つですよね。
前田 「逃げ切れるんじゃないか、優勝できるんじゃないか」と思うレースもあった。いいところがピョンピョンってあるんだけど、それらは全部「天国に届きません状態」。青森で眞杉にいじめられて、序盤は北井に散々いじめられて。
松井 新山は自分自身を分析して「自分はゴール前までボールを運べるけど、ゴールに押し込めない」って。ボールをゴールに押し込むためにどうしたらいいのか、ずっと模索していたよね。
松本 ラインがあってこその新山なんですけど、グランプリは単騎が濃厚ということで。天国モードに入るのか、もしかしたら地獄編になっちゃうのか。どうなんだろう。
松井 でもやっぱり、みんなどこかで「新山はグランプリに乗って欲しいな」って思っていたよね。
松本 四日市記念の中野慎詞のレースっぷり。救世主・中野が現れて...。あの四日市記念は大きかったんじゃないかな。
松井 あの優勝で賞金はワッキーを抜いたんだもんね。
前田 あれでだいぶ有利になった。
松本 さあ、そして初のS級S班、岩本俊介。
松井 ダービー準優勝だからね。ただ、彼も地獄を見たよね。
前田 驚いてはいけない人のはずなんです。もっと早くGI優勝していてもいい。デビュー時から期待されてきて、記念の優勝はポツポツできるようになって、GIIの決勝に乗ったりしたけど、やっと今年GIの決勝に乗った。ちょっと時間がかかりましたね。
松本 94期の岩本とは、ちょうど自分の記者としてのデビューと被るんです。岩本のデビュー戦は千葉で、引退する滝澤正光さんと入れ違いだったんですよね。滝澤さんも同じ開催のA級戦に入っていて。
前田 滝澤二世じゃないけど、デビューした時は「怪物」という表現で我々は書いてきた。
松本 デビューからずっと見てきた選手なので、「岩本がついにグランプリに出るところまで来たか」と。今年のダービーで初めてGI決勝に乗ったというのも驚きなんだけどね。
前田 「本当に岩本はGI決勝に乗れないのか? ここで終わっては困る」という存在でした。
松井 「ダービーの決勝2着は絶対グランプリに乗れる」っていうジンクスがある。ただ全体的に賞金が上がっていて、他のGIは2着でもまあまあ賞金があるから。後半戦の岩本はバタバタだったし...。競輪祭には深谷がいて、松浦も慎太郎もいて「これはちょっと厳しいわ、誰かに抜かれちゃうんじゃないか」ぐらいに思っていたんじゃないかな。
松本 競輪祭の決勝はドラマでしたよね。岩本にとっては、同期の脇本が勝つしかない。松浦が2着だったら自分はダメという状況。結局脇本が勝って、犬伏と松浦の2、3着だったわけじゃないですか。それで岩本がグランプリに滑り込めた。やっぱり彼も「持っている人」でしたね。
松井 競輪祭では、和田健太郎がガチガチの岩本をほぐしてやろうと、共同会見とか記者がいるところに常にくっついて和ませていたでしょう。あれには愛を感じた。
前田 和田健太郎が女房役をしていましたね。彼もギリギリでグランプリに乗った経験をしてるから。
松本 S班から陥落した選手にも触れましょう。なんと言っても松浦悠士。
松井 去年のグランプリチャンピオン。
前田 陥落の原因は落車のケガ。それがなければ、賞金ではグランプリに行けるレベルだったんでしょうけど。
松本 最後の最後、競輪祭での状態を見たらね。
前田 だから、松浦は大丈夫じゃないかな。
松井 去年のグランプリも今年の競輪祭も、やっぱり松浦はちゃんと戻してくるね。優勝してもおかしくないデキまで。競輪祭は4連勝で決勝でしょ。
松本 S級S班、グランプリ王者という立場で大変な部分もあって。目立つし狙われる部分もありましたし。アクシデントも多かったけど、最終的には修正力を発揮しました。来年はS級1班になって、今年の郡司みたいにGI一発目の全日本選抜でいきなり優勝したりして、S級S班に返り咲いて欲しい。
松井 彼は、11か月走れればグランプリに乗れるよ。
松本 来年はS班復帰を決めて、12月に再開予定の広島競輪場で地元記念を走ってグランプリという復活ロードを見せて欲しいですね。
松井 競輪祭決勝を走り終えた直後の松浦は、サバサバしていたね。
松本 残り1か月を「楽しみたい」って言ってましたよね。
前田 「チクショー」とかではまったくなくて。人格者ですね。
松本 佐藤慎太郎も苦しい1年でした。
前田 GIの決勝に乗ってチャンスがあっただけに...。オールスターでは「勝てる!」まであったと思ったけど。勝ち切れなかった、という表現がS班から陥落した現実なのかな。限界ではなく現実。来年やってくれると思いますよ。
松井 北日本は新田祐大が失格しちゃって心配だけど、新山がいるし、中野慎詞も頑張ってくれれば。選手は揃ってるから。
松本 中野慎詞という存在は慎太郎さんにとっては大きいんじゃないですかね。それから番組も、これまではS班同士で新山と準決勝へ進めないとか、そういうのもあったけど、逆にS級1班になって、そういった面も解消される。慎太郎さんのGI優勝を待ち望んでるファンがいますので。
松井 GIは2003年の全日本選抜競輪の1回しか獲ってないんだもんね。
松本 松本整さんを超えるGI最年長優勝記録を出せるのは慎太郎さんじゃないですかね。
前田 ぜひとも来年はやってもらいましょう。限界を突破してもらいましょう。
松本 そして山口拳矢。
前田 ときどき病気になったりケガしたりして「あれ、拳矢いなくなってるよ」っていうのがあって、ずっとリズムを生めていない状況。GIではダービーだけはなんとか決勝に乗りましたけど。
松井 プレッシャーも感じないし強心臓なんだけど、今年はさすがに堪えてたね。自分以外のSSがみんな準決勝まで行って、自分だけ二次予選で負けちゃうとか、そういうのが続いて。
前田 ずっと乗り切れない。どこかでポンと波に乗れればそこから活躍があったんでしょうけど。苦しい1年だった。
松井 やっぱり競走スタイルが、先行というより捲りや位置取りで戦う選手だからファンのウケが悪い部分もあって。先行でのし上がってタイトルを獲るというよりは、ラッキーパンチじゃないけど...それが今時なのかもしれないし。だから、落ちた時の立て直しが難しいんだろうね。
前田 であれば、古性までとは言わないけど、位置取りを厳しくしないといけなかったとか、課題が残ったんでしょうね。
松井 そうだね、もっと逃げるとか、もっとヨコをやるとか、もっともっと何かが必要なんだろうね。
松本 だから、山口はちょっとレースが変わったじゃないですか。競輪祭でもすごく来年を見据えているレースをしているなって。S級S班から落ちたことで、また違うレースができるようになるんじゃないかな。自分の見せ方をもう一度ブランディングしていくということを。
松本 深谷知広は今年のグランプリが静岡ということもあって、誰よりも思いは強かった1年だったと思います。
前田 走りは全部正々堂々。彼こそがS班という戦いをして「なんで届かないの!?」っていう。私は納得できない。
松本 みんな「深谷に乗ってほしい」っていう空気感だったと思うよ。ただ、競輪祭が準決勝の落車で終わってしまったっていう...。競輪の神様がいるなら、こんな終わり方があるのかなって。
前田 郡司が鬼のようにヘコんでいて...真っ青だった。
松井 古性も最近、ああいう失格はなかったじゃん。危ないっていうイメージを植え付けてはいるけど、実際はクリーンな走りをしていた。
前田 圧倒的なタテもつけているし。
松井 珍しくあそこだけは、古性は熱くなってしまった。
前田 郡司のスピードが凄まじかったから行かれると思って、自分の思っている以上にやってしまったのかな。郡司も深谷も、そこについてはレースなので別にどうということはないんでしょうけど。
松井 絶対王者を冷静でいられなくさせたのが郡司と深谷だったんだろうね。
松本 並びが出た時点では深谷は決勝に行くと思いましたけど。でも深谷は、この悔しさをバネにして来年また這い上がるんじゃないのかな。来年の全日本選抜は豊橋開催じゃない。静岡に移籍したけど、やっぱり「豊橋の深谷知広」というイメージがある。
松井 豊橋は深谷知広を生んだ場所だからね。
前田 決勝で郡司-深谷で並んで欲しい。
松本 深谷が優勝してS班復帰を決めるっていうね。
前田 郡司はGI決勝でなんとか深谷と結果を残したい。でも、なかなかうまくいかない。記念では時々は決まるけど。
松井 深谷が引っ張るのは決まるんだけどね、引っ張ってもらうのは、なかなかね。
松本 深谷の競輪って正々堂々としてるっていうか。見ている人に伝わるものがあります。年々「伝わる競輪」になってるんじゃないのかなって。
松井 他地区が付いても変わらないどころか、より気合い入れて走ってくれる。そういう深谷の姿勢を、佐藤慎太郎や平原康多が絶賛してるよね。
前田 確かに、今年は大宮記念で深谷が平原を背負って先行したところから始まってるんですよね。
松本 今回S班から落ちた選手たちは、郡司や平原みたいに、春先のGIで決着をつける場面もあるんじゃないかな。
前田 それを期待しています。
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。