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【ドラマチック激闘譜2024】文句なしの同期ワンツー/競輪祭直前特別企画

アプリ限定 2024/11/15 (金) 18:00 4

いよいよ19日、GI戦線のラストを飾る競輪祭が開幕する。このシリーズでグランプリの出場選手が決まり、競輪界は一気に締めくくりの12月に向けて“年末”の色を濃くしていく。今回は今年ここまでの激闘を振り返るべく、選手の声を直接取材し続け、2024年の激闘譜を“現場目線”で知る競輪記者たちの「記憶に残る一戦」についてお届けする。(企画・構成 netkeirin編集部)

8月18日・平塚競輪「オールスター競輪」決勝
アオケイ・石濱記者

 競輪にのめり込む毎日なので、あっという間に時間が過ぎていく。気づけば今年のGIは「競輪祭」ひとつだけ。これが終わるとグランプリの9名が出揃い、いよいよ年末の大一番を迎える。たくさんの激闘があった今年の競輪界だが、振り返っていく中で古性優作が獲ったオールスター決勝戦が印象強い。GIという最高峰の舞台で同期の窓場千加頼とワンツーを決めた決勝戦。お互いが力を出し切ったことによって生まれた最高の結果だった。

同期(100期)の古性優作(左)と窓場千加頼(撮影:北山宏一)

決勝並び
⑧松井宏佑-①郡司浩平
⑦窓場千加頼-②古性優作
⑨新山響平-③佐藤慎太郎-④守澤太志-⑥渡部幸訓
⑤眞杉匠

 この開催の松井は抜群の仕上がりだった。展開が向いたのもあったが、準決勝ではあの脇本雄太を捲っている。準決勝のレース後の郡司浩平に「ワッキーを捲れるのは松井くらい」と言わせるほど超抜だった。新山も準決勝を逃げ切っている。犬伏湧也や深谷知広を完封しているモノで価値のある押し切り。こちらもデキは良さそうだったし、関東からただ一人勝ち上がった眞杉も連日軽快な動きでファイナル進出。当たり前だがGI決勝ということもあってとてつもないメンバーで行われた。

超抜の選手たちが勝ち進んだオールスター競輪決勝(撮影:北山宏一)

 レースのポイントは古性に任された窓場の動きがどう出るか、だった。逃げるのか位置に拘るのか捌くのか捲るのか。同期と言えども古性は大格上。引き出しだって考えられた。それでも窓場は勝負から逃げなかった。リスクのある前受けをし、新山ラインを受けて5番手を確保。絶好調だった松井を後ろに置き、圧で牽制すると松井は全く動けなかった。

 そして勇気を出して2角から先捲り。佐藤の牽制を力で乗り越えると古性とのワンツー。最後は差されたものの力勝負をしてこの大舞台で見事に好連係を決めたのだ。これは脚力だけではなく、気持ち、精神的にも窓場が強くなっていることを象徴する走りだった。

古性優作(黒・2番車)が優勝、窓場千加頼(橙・7番車)が準優勝となった(写真提供:チャリ・ロト)

 もちろん、差した古性も素晴らしい。窓場の上がりタイムは11秒1。このとてつもないタイムを軽く差し切る辺りさすが古性と感じさせた。今回のオールスターは自身初のファン投票1位で迎えた大切な大会だった。難しいことを当たり前に軽くやってのける古性は誰もが認める“輪界最強”になりつつある。

 ちなみにこのオールスター準優勝で窓場は賞金ランキングも一気に上昇。本稿執筆時点の11月8日現在、第12位の位置にいる。9位の岩本俊介との差は1,000万弱。今回行われる競輪祭の結果次第では悲願のグランプリ出場も見えてくる。古性もオールスターを制した後は寬仁親王牌を優勝しGI連覇。未だ手にしていない競輪祭のタイトルは何としても欲しいはずで、最後のビッグも緩めることなく奪いに行く。

「ダブルグランドスラム」を目標に掲げている古性優作(写真提供:チャリ・ロト)

平塚競輪「オールスター競輪」決勝戦結果

着順車番競輪選手名
優勝古性優作
2着窓場千加頼
3着新山響平
4着松井宏佑
5着佐藤慎太郎
6着郡司浩平
7着守澤太志
8着渡部幸訓
9着眞杉匠

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