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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【善知鳥杯争奪戦 予想】北日本の前受けから突っ張り そのとき眞杉が起こすアクションとは /ヤマコウ展望

2024/09/29 (日) 06:00 25

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 青森競輪「開設74周年記念・善知鳥争奪戦(GIII)」の決勝メンバーが決まりました。

ライン構成は以下の通りです。

⑥高橋晋也(福島・115期)ー①新山響平(青森・107期)ー⑤守澤太志(秋田・96期)ー⑨永澤剛(青森・91期)
②森田優弥(埼玉・113期)ー⑦宿口陽一(埼玉・91期)
③眞杉匠(栃木・113期)ー⑧長島大介(栃木・96期)
④佐々木眞也(神奈川・117期)

 ⑥高橋が決勝に勝ち上がった事で、更に地元の①新山が有利なメンバー構成となりました。新山は「先行にこだわりがあるのではなく、勝てる手段として先行している」と言います。その結果、2周先行ができるようになり、今や数少ない本格先行選手です。そこに⑥高橋が前を走ることで盤石の体制ができました。②森田や⑦眞杉、単騎の④佐々木はどう走るのでしょうか。

 ひとつ考えられるのは、①新山はヨコの動きをあまり得意としていないので、北日本ラインに突っ張られたら①新山のところに照準を絞ることです。しかし、選手にとっての地元記念はGI以上に大切な大会であり、それを邪魔することは憚(はばか)られる不文律が存在します。ですから、積極的に行きたくないのが本音です。しかし、④佐々木はまだ地位が確立しておらず、①新山や⑤守澤の位置を狙うことも考えられます。この車番ですと北日本が前受け、中団が②森田、③眞杉が押さえる展開で考えます。

S.⑥①⑤⑨ ②⑦ ③⑧ ④

 ①新山の前を回る以上、⑥高橋は先行するでしょうね。③眞杉にしても突っ張られて中団を関東同士の②森田と取り合うことはしたくないはずで、一度後ろに下がるか徹底的に⑥高橋とやり合うかの2択です。私は一度引いて、巻き返すタイミングを図り打鐘4角でもう一度アクションを起こすと考えています。

眞杉匠(写真提供:チャリ・ロト)

   ←③⑧

H.⑥①⑤⑨ ④ ②⑦



 ←③⑧

B.←①⑤⑨ ④ ②⑦

   ⑥

 ①新山が絡まれることなく番手から出ると優勝するでしょう。⑤守澤が付きバテすることも考えられます。

・本線
1ー5ー942
1ー2ー549

新山響平(写真提供:チャリ・ロト)

 穴目は後攻めの③眞杉と⑥高橋ー①新山がもがき合い、足を貯める②森田の一発だと思います。

・別線
2ー7ー4593

 ②森田は、③眞杉と同じ開催でセッティングなど色んなアドバイスがありました。GI、GIIではなく他地区のGIIIということで、心ゆくまで話すことができたと思います。同期で結果も残している③眞杉の話は、乾いたスポンジのように吸収したことでしょう。同じ言葉でも成し得た人の話とそうでない人の話は言葉の重みが違います。オールスター、富山記念、宇都宮共同通信社杯と不調でしたが、今節の森田は動けています。チャンスが来たら掴む脚力はあるでしょう。

森田優弥(写真提供:チャリ・ロト)

(スピードチャンネル専属解説者)

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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