2021/07/04 (日) 13:00 6
こんにちは、ヤマコウです。今回は「小松島競輪開設71周年記念阿波おどり杯争覇戦決勝」を考えます。
ライン構成、メンバーは以下の通り。
②佐々木悠葵(群馬・115期)ー⑤和田圭(宮城・92期)
③山田庸平(佐賀・94期)
④町田太我(広島・117期)ー⑧池田憲昭(香川・90期)
⑨太田竜馬(徳島・109期)ー⑦小川真太郎(徳島・107期)ー①小倉竜二(徳島・77期)
⑥中井太祐(奈良・97期)
展開のイメージは、先行④町田、⑨太田かまし、②佐々木まくり、③山田⑥中井は先行する3、4番手狙いです。
④町田の先行意欲は高い。地元徳島ライン、特に先頭を走る⑨太田はどう考えているでしょうか。
地区的に④町田の番手は⑨太田ですが、そうなると単騎の選手や他のラインが町田の番手を狙いやすくなる。それなら四国4人別れて力勝負しようといった経緯がありました。
⑦太田は中四国地区の先輩として、地元で恥ずかしい負け方はしたくない。最初から④町田の3番手を狙って位置取り失敗、まくり不発のパターンは避けたいはず。それなら、番手の⑦小川や3番手の①小倉にもチャンスある走りをしようと考えていると思います。
太田自身は2年前の小松島記念、島川将貴(徳島・109期)の先行に乗って優勝しました。一度地元記念を獲っている⑨太田なら、④町田相手に真っ向勝負する可能性も十分あると思います。
問題はどの初手を選ぶか。
一番理想のパターンは、前受け②佐々木、中団⑦太田が取って、後方の④町田が動いたところを一気に叩いて主導権。⑦小川が番手まくりで①小倉とゴール勝負です。
ただ、そこに単騎の選手が絡んできます。③山田⑥中井が、④町田ラインについて行くので、⑨太田の巻き返しは少し遅くなりそうです。
かといっていつも通りの前受けだと、④町田に叩かれ、7番手かましとなり分が悪いです。
それか前受けから突っ張り先行。ちょっとリスク高いですね。
④町田は2月の高松記念決勝で後ろ攻めをして失敗しました。前受けの眞杉匠(栃木・113期)が突っ張ったからです(優勝は松浦悠士)。
4月の西武園記念決勝は、野口裕史(千葉・111期)を相手に前受けしてカマせず負けました。そして、6月の松山ナイター記念は後ろ攻めから先行して優勝。見事に結果を出しました。④町田は後ろ攻めと考えます。
②佐々木は先ほど書いたように混戦をまくりたいので、後ろ攻め以外ならどこでもいいと思っているでしょう。
前受けを②佐々木で考えました。後ろから④町田が動きます。
←④⑧
S.②⑤、⑨⑦①、③、⑥
←⑨⑦①
打鐘.④⑧、③、⑥、②⑤
⑨⑦①
H.④⑧ ③ ⑥ ②⑤
④町田と⑨太田の脚力は拮抗しています。簡単には決着付かないでしょう。
⑨太田が併され⑦小川はまくりに行っても、③山田、⑥中井は④町田ラインの後ろなので牽制される可能性が高い。
←②⑤
←⑦① ⑨
B.④⑧ ③ ⑥
この態勢から伸びるのは脚を溜める②佐々木ではないでしょうか?
◎2ー5ー13678
②佐々木がまくり不発の場合、脚力を消耗している⑦小川の後ろから①小倉が伸びる
▲1ー356ー35678
と考えました。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。