2021/07/04 (日) 12:00 3
小松島競輪場で開催されている「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時30分発走予定。
初めて小松島競輪場へ行ったときのこと。かれこれ40年ぐらい前の話かな。徳島空港からタクシーで「小松島競輪場まで」と告げ、行き着いたところは『小松島漁港』だった。焦って「小松島競輪場ですよ」と確認するも、運転手さんは意に介さず突き進む。そして奥にあった競輪場にサッと到着した。びっくりタマゲタ、海が近いなんてもんじゃない。
あの頃の小松島記念と言えばレースが終わり、夕食をすませたころ、阿波おどりの踊り手さんたちが宿舎の広場までやってきて、阿波おどりを披露してくれたっけ。お調子者の選手が一緒に混ざり踊っていたのを覚えている。今では考えられない一幕だったねー。
二次予選で松浦悠士が飛ぶ大波乱。が、松浦は途中欠場せず「最後まで走る」と宣言。その姿勢に『ファンへの想い・競輪を盛り上げる気持ち』が伝わってきた。頭が下がる思いだ。
そして準決勝。10Rは逃げる上田尭弥を利し山田庸平が抜け出し、中団先まくり不発の畑段嵐士の上を7番手から2着に届いてきた佐々木悠葵。益々まくりに研きがかかり侮れん!
11Rは積極戦法で主導権を握る町田太我に小川真太郎がマークする。小松崎大地のまくりを小川が牽制し、ここを狙いすまし和田圭が突っ込んで抜け出す。佐藤慎太郎ばりの捌きに思わず「おー!」と感嘆の声を上げてしまった! 12Rは四国ラインで決まったが、順当なレースだったね。
さて決勝の並びを紐解いていこう。②佐々木悠葵-⑤和田圭の関東コンビで前受け。その後に⑨太田竜馬-⑦小川真太郎-①小倉竜二の地元トリオ、ここに単騎の③山田庸平、⑥中井太祐がいて、④町田太我-⑧池田憲昭の中四国タッグは後方からとみる(⇐②⑤・⑨⑦①・③・⑥・④⑧)
初手がこんな感じと予測できても、以降が困った…! どこから行くか? 太田は先輩ふたりが付くわけで「行かなければ!」の心境だと思うが…。いや、地元記念は別格! 太田はライン上位独占を狙う作戦を選択するはず。それに、わざわざ町田と先行争いをするはずねーと読む。切って町田を受け、行けるところからがセオリーだろ。やり合って消耗し合えば、佐々木の餌食になっちまうし…。でもここに落とし穴がある気がするぞ。
二次予選で松浦が藤木裕にブロックされ、内を突いた池田にはツキがある。それに何度も何度も言っているように「競輪はバ・ン・テ!」番手が勝利に一番近いんだ! ツキも実力のうち(^o^)丿 逃げる町田に乗る池田から買いたくなる!
整理すると、最終バックは④町田-⑧池田、③山田、⑥中井、⑨太田-⑦小川-①小倉、②佐々木-⑤和田になるんじゃないか!?(⇐④⑧・③・⑥・⑨⑦①・②⑤)となれば池田が抜け出し町田が残る、これは当たり前。山田と中井の2着までを押さえておきたい。面倒くせーから③④⑥⑧の4車ボックス買いのがんじがらめ作戦でどうだんべ! きっと美味しいごちそうにありつける配当になるぞ!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。