2021/06/30 (水) 15:00 7
netkeirinをご覧の皆さん、金子貴志です。20日に終わったGI「高松宮記念杯(岸和田競輪場)」は、GIで初めて決勝に進出した埼玉の宿口陽一選手が優勝しました。彼とはキャンプの話もするので親近感もあり、優勝した時は本当に嬉しかったです。宿口選手おめでとうございます。
私自身は思うような結果を残せず、凄く悔しい4日間となりました。開催が終わった翌日から激しいトレーニングをして体を追い込みました。気持ちは次のGIである『オールスター』に向かっています。
5月31日にSG(競輪でいうところのGI)ボートレースオールスター優勝戦が、福岡県の若松ボートレース場で行われました。優勝したのはファン投票1位の峰竜太選手。ファン投票1位という重圧の中で、それをはねのけての優勝はホントに凄いことです。
私はYouTubeを通じて、競輪を知らない人達に競輪の素晴らしさを知ってもらいたいと思っています。そのことを知人であるフリーアナウンサーの荻野滋夫さんに話したところ「ボートレーサーにも同じ考えの選手がいる」ということを聞きました。それが峰選手でした。その時から注目するようになり、今まで何度かSNSでやり取りしています。このコラムで峰選手のことを書きたいと荻野さんに相談したところ、直接電話で話す機会を得ることができました。気さくでとても話しやすく、爽やかな印象を受けました。
ボートレースではコース、モーター、調整整備力が非常に重要ですが、峰選手の場合『勝負に対する強い気持ち』と『研ぎ澄まされた感覚』を大事にしているそうです。この話は、私も深く共感しました。競技こそ違っても突き詰めるところは、同じだと感じました。ストイックなアスリート魂を持っている点でも競輪選手と同じです。
8月10日から福島県のいわき平競輪場で、競輪のオールスターが開催されます。投票してくれたファンの方々には、本当に感謝しています。一票一票の重みを改めて感じます。オールスターというのは他のGIとは違った意味合いがあるんです。『ファンのために走る』その思いが強い大会です。
2005年の名古屋オールスター、私は準優勝でした。先行一車という絶好の展開でチャンスも十分ありましたが、神山雄一郎選手の前に屈しました。レース後、神山選手から「タイトルまでもう少しだから頑張れ」と言われたのを今でも思い出します。
いわき平競輪場は他の競輪場と違い、バンクの中から観戦することができる、近代的なバンクです。ファンの方との距離も近く、選手としてはいっそう気合いが入ります。悔いのない結果を残せるように、やれることを全てやって、戦う準備をしていきます。
金子貴志
Kaneko Takashi
愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。