2024/06/26 (水) 12:00 25
2024年前期最後のグレードレース、取手競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 水戸黄門賞(GIII)」が6月27〜30日に開催される。S班の眞杉匠(25歳・栃木=113期)は関東のエースとして、また吉田拓矢(29歳・茨城=107期)が地元茨城の主役として、そして今年GI決勝に2回進出の小林泰正(29歳・群馬=113期)に坂井洋(29歳・栃木=115期)と今を時めく関東の戦士が集結する。
調子を取り戻してきている吉田有希(22歳・茨城=119期)も「地元記念の前に9車立てを走りたかったので、高松宮記念の補充を2走できたのは良かった」とリズム好天で参加できる。兄弟で3人出場になる吉田昌司(26歳・茨城=111期)は「今回はお帰りがあるんですよ。3日で失礼します!」ととぼけていたものだが、大いに地元記念を盛り上げてくれるだろう。
期待度の高い山口多聞(22歳・埼玉=121期)や不敵な末木浩二(32歳・山梨=109期)などもいて、関東別線のガチバトルにもなりそうだ。何はともあれ、関東祭りの様相を呈している。
しかし、超強敵の脇本雄太(35歳・福井=94期)の名前がある。岸和田「第75回高松宮記念杯競輪(GI)」での戦いぶりはすさまじかった。やはり『先行』ということにかけては輪史最強間違いなし。近年の故障続きによる影響はあるものの、脇本雄太の走りができれば、かなうものはいない。
その決勝では力が残っていなかったこともあり、また神奈川勢の結束が素晴らしかったこともあり、敗戦はやむなしといったところ。この4日間、まずは普通に走れることを待ちたい。
無理をできる体ではないことは、誰の目にも明らか。それでも奮闘していた岸和田の戦いがあったので、柔らかく応援したい…が、関東勢がこれだけ揃っていれば、「好きにはさせんよ」とやはり鬼の心に火が点くか。
山口拳矢(28歳・岐阜=117期)は現状の打開を図ろうと、いろんな模索を繰り返している。超級のスピードが武器なので、ある程度レースの流れに乗れれば勝てたが、勝ち続けるには何かが足りない。
位置を取る、先行も含めて、が現在埋めようとしている場所になるが、もう一つ気になる所がある。タテで勝負している上位陣の中でも、それぞれがヨコを秘めている。性格的なものもあるかもしれないところで、拳矢に関東分断という発想があるかどうか、が気になる。
こうした遠征の記念の場でヒール役に徹し切れるか。今年初めに、意図しないものの完璧なヒール役を演じたことになってしまった清水裕友(29歳・山口=105期)のケースもあり、これは追いかけていいと思う。
ヒロトはただ、カッコ良かった。
最終日の9Rで行われるレインボーカップチャレンジファイナルは、123期7人、121期1人、にベテランの坂口卓士(45歳・福島=88期)が1人。ライン構成や展開を考えるのが競輪推理の基本だが、“先行一車は黙って買え”の格言の裏に“追込一車は黙って狙え”というものがある。1着は厳しいかと思うので、2、3着に坂口を混ぜ込む車券戦術が面白そうだ。
といっても、親子ほど違う年齢の8人との対決。状態はいいのでそんなことはないと思うが、もし1人離れてゴールするようなことがあれば、安いカップ酒でも飲むしかない。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。