2024/06/05 (水) 12:00 14
大阪・関西万博協賛のデイGIIIが奈良競輪場で、ナイターGIIIが函館競輪場で6月6〜9日の4日間で行われる。
何度でも書かないといけない。そう思っている。だが、最後かもしれない。最後になれば、最高だと思う。しかし、そうじゃない最後の形もある。あきらめての、最後という形は…。
それは、菊地圭尚(44歳・北海道=89期)のGIII優勝だ。何度か書いてきたと思うが、GIII決勝に数多く、GIの決勝にも何度か乗ってきた選手だ。GIIIの優勝がない。実力は疑い之なものがあった。チャンスもあった。取れなかった。
今回勝って、このくだりを書くのが最後になってほしいと思う。5月の記念の方にあっせんがなかった時に、今回のGIIIの方で…。もしかしたらラストチャンスともいえるかもしれない。とにかく、10年くらい前は、そのうちに勝つとしか思えなかった。
函館の記念でチャンスがありそうで、取れない時期があった。函館以外の記念の時にもチャンスはあった。勝てそうだけど、う〜ん、という結果だった時にも「記念初優勝はやっぱり函館で、でしょう!」と話してきた。
最近では、圭尚の記念初優勝の話をする人も減ってきた。もう44歳。限界なのかもしれない。「北海道もこの2年くらいは30度を超える暑さです」。こんな話をするのが板に付く貫禄が出てきた。
でも、あきらめていない。
函館の夜を50度を超すような熱さに、灼熱をもたらすシリーズにしてほしい。函館駅前と、五稜郭周辺の酒がその夜、なくなってしまう開催にしてほしい。
奈良GIIIは中井太祐(34歳・奈良=97期)と俊亮(31歳・奈良=103期)の兄弟が鬼になる。父・義実(53期=引退)の血を継いで競輪選手になった。率直に書くが、近畿の脇役に甘んじてきた。奈良では三谷兄弟に主役の座を明け渡す形になっているは事実だ。
三谷兄弟の強烈な頑張りようは素晴らしい限りだが、中井兄弟も奮起しないといけない。発奮し、“俺たちもいる”をアピールしないといけない。今回は兄弟どちらかの優勝しか、目指すものはない。2月奈良記念(春日賞争覇戦)は超強敵を相手にして三谷竜生(36歳・奈良=101期)が優勝、将太(38歳・奈良=92期)が2着の三谷兄弟ワンツーだった。
もはや、最低ノルマが中井兄弟ワンツー、といえるかもしれない…。
この6月6〜9日の4日間、圭尚と中井兄弟に大いに注目してほしいと思っているが、他の選手にしても思いはある。様々なメディアを通じて、いろんな選手を応援してほしい。
奈良は男子のみの12R制だが、函館は男子9R制、ガールズ3R制のシリーズになっている。直後に岸和田GI「第2回パールカップ」があるため、突出した選手はいない。あっと驚く優勝もあるかもしれない。
地元北海道からは伊藤のぞみ(36歳・北海道=116期)が参戦する。混戦状況なら、車券的にも妙味がある。波乱の人生を笑顔で生き抜く伊藤の輝きが、北の大地で。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。