2024/06/10 (月) 12:00 30
岸和田競輪で令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛「高松宮記念杯競輪(GI)」が6月11〜16日の6日間、ガールズケイリンの「第2回パールカップ(GI)」が6月11〜13日に行われる。昨年大会は古性優作(33歳・大阪=100期)の涙の大会連覇。1走目に落車するアクシデントを乗り越えて、耐え抜いての優勝だった。
毎年、各地区の選手たちがGI優勝をつかんでいるわけだが、九州勢の優勝は2019年の当大会の中川誠一郎(45歳・熊本=85期)までさかのぼらないといけない。また中四国では優勝はあるが、四国勢はまたさらにしばらくない…。
中川の5年前の優勝は脇本雄太(35歳・福井=94期)の番手を回ってのもの。今回は中川はいないものの、九州勢が結束して、九州から優勝者を出せるか…に注目したい。とにかくひとつ、扉を開けなければ状況を変えられない。
核弾頭は嘉永泰斗(26歳・熊本=113期)だが、嘉永としては自分よりまず…の思いもある。北津留翼(39歳・福岡=90期)、山田英明(41歳・佐賀=89期)、山田庸平(36歳・佐賀=94期)の兄弟、荒井崇博(46歳・長崎=82期)と年齢は重ねてきたが、彼らにチャンスが来はしないか。
カギを握るのはやはり若手だ。伊藤颯馬(25歳・沖縄=115期)と伊藤旭(24歳・熊本=117期)が元気なので、期待を集める。勝ち上がりが東西別で競われるので、九州としての結束をより強固にしないといけない。
颯馬はタテ中心だが、ヨコもやれる。旭はヨコは得意だが、近況は封印しながら戦っている。今回はヨコの意識を強く持って戦うことが、先につながる。例年このシリーズはタイムが出やすく、前の方で勝負しないといけない。2人が切り開くレースをして、勝ち上がりにつなげるしかない。
松岡貴久(40歳・熊本=90期)の急復活も頼もしく、この男が…の予感もしている。熊本競輪場は6月15日からメインスタンドでの投票が可能になる。急ごしらえで場外発売に対応し、熊本のファンはなかなかいい環境とは言えない中でずっと競輪を楽しんできた。
離れていったかもしれないファンに戻ってきてもらうためにも、“九州の”、熊本の選手たちには活躍することが求められるのだ。レースの再開は7月20日だ。
全日本選抜競輪を郡司浩平(33歳・神奈川=99期)、日本選手権競輪を平原康多(42歳・埼玉=87期)と今年はS班陥落組がGIを続いて優勝している。新田祐大(38歳・福島=90期)か守澤太志(38歳・秋田=96期)の優勝となれば…。また競輪の奥深さを感じることになる。
とはいえ主役といえばもはや古性ひとりと言っていいだろう。競輪に対して備えるべきものを備え、さらにそれを強化している。タイムだけではない競輪において、これだけの完成度は見られない。多くの選手が、それを証言する。
もっと強くなる。地区プロを欠場したため、全プロを走れなかったものの、1ヶ月弱の準備期間を持てたことは大きい。岸和田で見せる圧倒の5走を目に焼き付けたい。
昨年初のガールズGIとなった「第1回パールカップ」は児玉碧衣(29歳・福岡=108期)が力強く優勝を手にした。児玉は4月久留米のオールガールズクラシックを制し、すでにガールズグランプリの出場権は持っている。無論、緩めることなく優勝だけを狙ってくる。
実力者もズラリと揃うものの、伏兵で面白いのは野口諭実可(31歳・大分=102期)と当銘直美(27歳・愛知=114期)、そして124期としてGI初参戦となる竹野百香(21歳・三重=124期)といったところ。竹野は無欲の逃げが、ドドドンと結果につながることも。
ベテラン、若手、入り乱れての戦い。初日の予選、2日目の準決と東西分かれての争い。進化するガールズケイリンの3日間は目ん玉をひん剥いて見るしかない。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。