アプリ限定 2024/06/06 (木) 12:00 17
『競輪選手になるために、そして夢を叶えるために』今年は第127回生として男子72名、第128回生として女子21名の候補生たちが日本競輪選手養成所に入所し、2025年のプロデビューを目指している。この時期、“未来の競輪スター候補”と題して毎年お届けしている本シリーズだが、今年は7名の注目候補生へインタビューを実施した。今回は127期安達豪太(あだち・ごうた)候補生を紹介する。(取材・netkeirin編集部)
最年長31歳、遅咲きの青年が競輪の世界へ飛び込んだ。入所式では「代表誓いの詞」を述べた安達候補生の素顔に迫った。
ーー出身、家族構成を教えてください。
生まれは千葉県ですが小学生のときに兵庫へ引っ越して、それからずっと兵庫です。家族構成は父と母と兄が一人います。
ーー好きな食べ物を教えてください。
穴子天丼です。二次試験終わった後も三島周辺で穴子天丼を食べました。
ーー127回生では最年長なりました。
そうですね、自分の次が27歳です。競輪は高齢でも活躍されている方が多いですし、全然ついて行けるという意気込みはあります。今はちょっと調子が悪くて、身体の回復に少し時間がかかっています。
ーーどうして競輪選手になろうと思ったのでしょうか?
当時25歳で、就職活動中に、「32歳、自転車未経験から競輪選手を目指す男のブログ」というブログを見かけ、自分も目指してみようと思ったのがきっかけです。自分は元々スポーツ選手になりたいと思っていたのですが、会社勤めして生きて行く自分の姿が想像できなかったこともあります。
ーー決意されてからどうされましたか?
まず奈良の自転車愛好会へ行きました。そこで伊代野貴照さんが兵庫の澤田義和さんを紹介してくださいました。
ーー澤田選手が師匠ということですね。どんな方ですか?
師匠はガハハ系…と言いますか(笑)、強ければいいという絶対主義の方で、“オトコの中のオトコ”というイメージがあります。
ーー師匠からどんな言葉で送り出されましたか?
4回目でやっと掴んだチャンスなので、「このチャンスを絶対に取りこぼさないように、しっかり頑張って卒業しろよ」と言われました。
ーーどう思われましたか?
澤田さんに迷惑をかけてきたので、師匠に対しても親に対しても責任をもってこの養成所を無事に卒業できるように頑張ります。今が正念場です。
ーー最も影響を受けた人物はどなたですか?
色々いますけど、パッと思い浮かんだのはやはり師匠ですね。自分と生きてきた環境が違う人です。自分が内向的で緊張しやすいタイプなのですが、師匠はすごい外交的で、何事にも挑戦するタイプで、その姿勢を学んでいきたいと思います。
ーータイムマシンみたいなものがあったらどの時代を見てみたいですか?
江戸時代です。歴史が動いたところを見てみたいです。
ーー最近読んだ本、観た映画で印象に残った作品はありますか?
小説で桐野夏生さんの『OUT』です。人間の汚い部分を綺麗に描写されていて、人間の恐ろしさを知りました。
ーー安達候補生にとって競輪とはなんでしょうか?
公営競技でもありますけど、力強い部分もあって、男同士の熱い戦いというイメージを持っています。自分はこの大きな身体を活かして自分で勝つこともそうですし、同じラインの仲間から感謝されるような存在になりたいですね。
ーー将来の夢はありますか?
お金を貯めて安定した生活を送りたいです。当面は年収1千万を目標にします。夢のある仕事ですから。
ーー競輪選手になりたいと思ってる同世代の方へなにかメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?
挑戦するのに遅い、早いはまったくなくて。自分も30歳で養成所受かってやってきているので、30歳でも全然できるぞ、というところを見せていけるよう頑張っていきます。
未経験であれ、30歳からであれ、挑戦することに遅いなんてことはない。応援して支えてくれた師匠や親のためにも、安達候補生は夢の競輪選手を目指しペダルを漕ぎ続ける。
netkeirin特派員
netkeirin Tokuhain
netkeirin特派員による本格的読み物コーナー。競輪に関わる人や出来事を取材し、競輪の世界にまつわるドラマをお届けします