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鈴木誠のハイブリッド展望

【全プロ記念競輪】FIIながらもSS班が8名揃った大会はまさにGIクラス! 優秀な成績を収めて、【寛仁親王杯】に出場するのはどの選手だ?

2024/05/26 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は高知競輪場で開催されている「全プロ記念競輪(FII)」12R・SPR賞のレース展望です。

犬伏VS寺崎の先行争いの上を捲っていった深谷が、高額賞金をゲットする!

「全プロ」との通称で、競輪ファンにも馴染みのある「全プロ選手権自転車競技大会記念競輪」は、以前、「世界選手権自転車競技大会」への選考レースとの位置づけがされていました。

 現在、世界選手権大会の出場選手は、ナショナルチームに所属する選手たちから選ばれるようになっています。

 一方で「全プロ」は、【寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント】への出場権をかけた重要な大会となりました。今回もSS班の8名が出場。FII開催ながらもスーパープロピストレーサー賞(SPR賞)の優勝者には、高額な賞金が授与されます。

 自分も現役時代は「全プロ」に毎年のように参加していました。1986年には富山競輪場で行われたポイントレースを優勝。1989年に東京ドームで「全プロ」が開催された時には、ケイリンの競技でも優勝したこともあります。

 その後は世界選手権にも出場しましたが、海外でのトレーニングはまた、また違った刺激にもなっただけでなく、大会の後には観光する時間もあったので、また、優勝して世界選手権に出場したいというモチベーションにもなりました。

 先ほども書いたように、SPR賞の上位に入着した選手たちは、【寛仁親王杯】でシードレースにも選出されます。賞金もさることながら、一つでも上の順位を目指したいとの気持ちがぶつかり合うことで、激しい戦いが期待できそうです。

 SPR賞の並びは④犬伏選手-⑦清水選手-①松浦選手の中四国ライン。②深谷選手-⑤松谷選手-⑧和田選手の南関東ライン。⑨寺崎選手-③脇本選手が近畿ラインとなり、⑥荒井選手は単騎戦となりました。

 1番車に松浦選手が入ったことで、犬伏選手の前受けが濃厚となりました。その後ろは南関東ラインに続いて近畿ライン。荒井選手は近畿ラインの後ろに入っていそうです。

 7番手となった寺崎選手が、犬伏選手を抑えに行く形となります。ただ、昨年までナショナルチームにいた寺崎選手と言えども、500バンクの走りでは犬伏選手の力量が上でしょう。

 しかも、中四国ラインしては、元ナショナルチームでの並びとなった近畿ラインの番手から、脇本選手に発進されてしまっては万事休すとなってしまいます。それだけに競り合いとなっても、犬伏選手は寺崎選手を意地でも前に出さないと見ています。

 こうなれば、犬伏選手の番手から清水選手が発進。3番手を固める松浦選手とのワンツーフィニッシュが濃厚にも見えてきます。ただ、展開だけでなく、脚力的にも中四国ラインを捲り切ってしまうのではないかと見ているのが、2つのラインの争いをサラ脚で追走している◎深谷選手です。

 深谷選手は初日のレースでも、先に捲りを打っていった寺崎選手を直線でとらえてみせたように、スピード能力の高さは桁違いです。

 展開的に有利な〇清水選手との裏表の3連単を軸に、深谷選手が捲り切った場合に△松谷選手が2着となれば、配当はまだ良くなるでしょう。

 ×は脚力上位の脇本選手です。寺崎選手が不発に終わったとしても、自分で何とかしてしまう選手でもあり、展開によっては優勝に近い位置にいる可能性もありそうです。

 最終日のレースだけでなく、月曜日に行われるトラック競技大会に向けての練習を、しっかりと行ってきた選手もいます。それぞれの地区に所属する選手たちが、様々な競技で戦っていくのは、また競輪と違った面白さもあります。

 トラック競技大会も、SPEEDチャンネルだけなく、YouTubeやニコニコ動画でも中継が予定されています。是非とも競技者としての選手の走りにも注目してみてください。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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