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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【KEIRINグランプリ予想】2走の着は悪くても全然狙える! グランプリの軍資金は3レースと9レースで稼ぐ

2023/12/30 (土) 07:00 10

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、推奨穴2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

展開さえ味方すれば差せると見込んで

【予想レース①】
立川3R 寺内大吉記念杯競輪 S級一般

①横関裕樹(99期=岐阜・35歳)
②能代谷元(111期=神奈川・34歳)
③西田雅志(82期=広島・45歳)
④吉村和之(80期=岐阜・46歳)
⑤奥原亨(103期=神奈川・34歳)
⑥金子貴志(75期=愛知・48歳)
⑦小林圭介(83期=茨城・47歳)
⑧曽我圭佑(113期=熊本・29歳)

【並び予想】
←①④⑥(中部)②⑤(南関東)⑧③(混成)⑦(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④吉村和之
⑧曽我圭佑

吉村和之(photo by Shimajoe)

 最終日午前の一般戦らしい、デキのいい選手がまったく見当たらない一戦。主力選手の調子が本当によくないので相対的にヨーロッパの期待度が上がる--といった理由から、勝負レースのひとつに選んでいる。人気の中心は中部ラインの先頭を任された①横関裕で、ここに入れば有力視されて当然。とはいえ、病気欠場明けというのもあって、このシリーズでは本来の力がまったく出せていない状況だ。

 同様に、南関東ライン先頭の②能代谷も、かなりデキが悪い。このシリーズで復帰したとはいえ、9月の松戸F1で落車して鎖骨を骨折したダメージから、まだ回復できていない印象を受けた。それでは西の混成ラインの先頭である⑧曽我圭はどうかといえば、この相手関係だと能力的にやはり厳しいだろう。積極的に動いて主導権を奪うようなレースをしたとしても、立川の長い直線で1着を争えるイメージはない。

 つまりここは、どのラインの先頭もアテにできないレース。いい車番が貰えたことや、唯一の3車であることなどから「中部ライン有利」ではあるが、①横関裕をアタマで狙うのはけっこうハイリスク。その番手を回る④吉村和に展開が向く可能性は、かなり高いと思われる。ここまで8着、8着という冴えない結果でデキも悪いが、展開さえ味方すればそれでも差せるのが、立川バンクでの番手だ。

 ヨーロッパではないが、注目は追加で出場する⑦小林圭。単騎とはいえ、このメンバーならば上位争いができてなんの不思議もない。いかにもありそうなのが、中部ラインの直後につけての勝負どころでの強襲。どの程度の配当になるか前日段階だと読みづらいが、⑦小林圭が直線で突き抜けての⑦①④や⑦④①、④吉村和が勝つカタチの④①⑦や④⑦①あたりに食指が動く。オッズ次第では、①④⑦や①⑦④も押さえる方向で。

 中部ライン3番手の⑥金子貴は、①横関裕が前受けから突っ張る展開ならば問題なく追走できそうだが、捲る展開だと離れてしまう懸念あり。④⑥はあっても⑥④はないとみている。⑧曽我圭については、主導権を奪って逃げた場合の「ギリギリ3着に残す」がなきにしもあらず。あくまで直前のオッズ次第ではあるが、④①⑧や①④⑧といったフォーカスは、念のため押さえておく手もありそうである。

デキが良さそうな山本奨の食い込みに期待

【予想レース⓶】
立川9R 寺内大吉記念杯競輪 S級特選

①森田優弥(113期=埼玉・25歳)
②南修二(88期=大阪・42歳)
③岡村潤(86期=静岡・42歳)
④山本奨(94期=岡山・35歳)
⑤鈴木竜士(107期=東京・29歳)
⑥大塚英伸(82期=静岡・45歳)
⑦中釜章成(113期=大阪・26歳)
⑧染谷幸喜(111期=千葉・35歳)
⑨湊聖二(86期=徳島・47歳)

【並び予想】
←①⑤(関東)⑦②(近畿)④⑨(中四国)⑧③⑥(南関東)

【注目のヨーロッパ】
④山本奨

 初日特選の再戦ムードが漂う一戦。その初日特選を制したのは、三谷竜生の番手から勝負した②南修二だった。準決勝で5着に敗れて決勝戦には駒を進められなかったが、デキはかなりよさそうだ。とはいえ、ここは関東ライン先頭の①森田優が主導権を奪う展開が濃厚。決勝戦への勝ち上がりを逃したとはいえ、こちらも調子のよさはかなりのもの。近畿勢にとって楽な展開にはなるまい。

 四分戦で唯一の3車となったのが南関東ラインだが、車番には恵まれず、初手は後ろ攻めとなりそう。逆に車番にも恵まれたのが関東勢で、こちらは前受けからの突っ張り先行が大アリだろう。そうなると⑧染谷幸が先頭の南関東勢は、3車という“数の利”を生かせる展開に持ち込みづらく、前を斬らせてもらえた場合も、その後のレースの組み立てが難しい。あとは単純に、ここは相手が強いというのも買いづらい理由だ。

 そんな南関東勢とは逆に、巧みな立ち回りで上位への食い込みが期待できそうなのが、中四国ライン先頭の④山本奨。準決勝は相手が強く展開にも恵まれなかったが、初日での走りから、じつはかなりデキがいいとみている。道中でうまく立ち回って、関東ラインの直後3番手が取れればしめたもの。①森田優のデキがいいので、さすがに捲りきれるかどうかは微妙だが、2〜3着への食い込みはおおいに期待できる。

 関東勢の好きにはさせない--とばかりに、近畿ライン先頭の⑦中釜章が、①森田優をいじめにいく展開もありそう。⑦中釜章は準決勝でも②南修二の前を回っていたが、ちょっと中途半端なレースをしてしまった感がある。それだけに今度はもっと積極的なレースを仕掛けてきそうだが、その場合の⑦中釜章は末を欠いて、「②南修二が勝つも相手は別線」といった結果になる可能性が高い。

 こちらの決着パターンでも、「2〜3着に食い込んでくる別線」として積極的に買いたいのが④山本奨。関東と近畿のどちらが主導権でも、その直後から捲って上位に食い込んでくると期待する。買い目の本線を3連単で出すならば、関東ライン番手の⑤鈴木竜が差しての⑤①④。あとは①⑤④や⑤④①、①④⑤あたりになるか。近畿ライン絡みの買い目ならば、②④⑨が本線となる。④山本奨が捲りきっての1着もなくはないが、車券の的中率や効率を考えるならば、ここはやはり2〜3着で狙うのがよさそうである。

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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