2021/05/09 (日) 12:00 2
京王閣競輪場で開催されている「日本選手権競輪(GI)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時40分発走予定。
今ではGPが最高峰だが! 日本選手権競輪、通称ダービーと言われているが、ここはあえて『日本選手権競輪』と言いたい!
どのレースであれ、確定板に上がることで賞金が増え、ファンに貢献することになる。日本選手権競輪は1年間の賞金の積み重ねで、そのステージに立てるかどうかが決まる開催。出場すること自体大変であり、だからこそGIの中のGIと言われ、威厳があり、選手にとって一番欲しいタイトルになっているのだろう。
レースを観ていても同じ選手たちが戦っているはずなのに…! 記念競輪とは別次元の走りが展開されている。競輪ファンならずとも、スリリングな走りに魅了されない人はいないはずだ! 面白い、とにかく面白い! 競輪の魅力を存分に味わい尽くせるのが日本選手権だ。
6日間の長丁場を乗り切ることは、脚力はもちろんのこと、そもそも体力が必要になるし、加えて、レースを分析する知力、胆力をすべて備えても勝てるとは限らない。そこを勝ち抜いてきたベストメンバーが最終日…、最後の大一番に挑む! 優勝に必要なモノ…それは…アレも味方につけなくてはならない…!
9Rは前受けの岩本-鈴木を古性が押さえ北津留が前へ出る。打鐘4角から仕掛ける松浦を察知した古性が出る。冷静な判断で松浦が追い上げ古性の番手奪取はお見事! 最終バックは古性-松浦-稲川-佐藤-松岡。これで勝負あったかに見えたが、最終4角でドラマがあった! 松浦が古性を追い込みに行った瞬間ブロックに合い、連結を外した佐藤がインを強襲。が、マツケンが中割で迫った! これは両者ともお見事。
10Rは竹内を逃がす展開を作った郡司が3番手まくりで快勝。竹内マークの浅井が内藤を捌き、切れ替え迫った。11Rは眞杉の逃げに乗る平原が抜け出し楽勝。落車はあったが逃げて粘った眞杉は成長著しい! これで平原にお膳立てができた!
4日目ゴールデンレーサー賞は決勝戦を見据え、互いの力量を計る動きの激しい「動」だった。されど決勝戦は優勝を狙う「一撃必殺」、「静」から「動」へ瞬時に切り替わるような展開になるのでは? さながら居合い抜きのような…!
決勝戦の並びは②郡司浩平-⑨佐藤慎太郎のSSタッグ、⑧眞杉匠-①平原康多-④武藤龍生の関東3車、⑦清水裕友-③松浦悠士の中国ハイブリッドコンビ、⑤浅井康太と⑥松岡健介は単騎戦となった。(⇐②⑨・⑧①④・⑦③・⑤・⑥)
前受けは郡司-佐藤で、その後ろに清水-松浦が続く。眞杉-平原-武藤の関東勢の後を浅井、松岡の単騎が走る。勝負所に差し掛かると、清水が切り、眞杉を出させ中団確保。
打鐘では眞杉-平原-武藤の関東に浅井と松岡が続き、清水-松浦、郡司-佐藤の隊列になると思う(⇐⑧①④・⑤・⑥・⑦③・②⑨)。これなら平原が清水に合わせて番手まくりでV! これでほぼ決まる。2着争いだよね!
ここからが妄想の本領発揮! 勝負所の選手心理にヒントがあるような気がしてならない。2月のGI戦・全日本選抜を獲ってる郡司はメンバーの中でも一番精神的に余裕があると見る。逃げて結果を出している眞杉は主導権を取れば「やれる!」と考えるだろう。GI初出場での決勝レースだ。緊張は緩み、そこに油断という大敵が顔を出すのでは?
その隙を百戦錬磨の郡司が黙っているはずがない。間髪入れずに眞杉を叩き、清水-松浦を待つ。この中国ハイブリッドコンビに浅井、マツケンが乗ってきたら…? 清水-松浦、浅井、松岡、郡司、佐藤(⇐⑦③⑤⑥②⑨)で行っちまうと思うぞ。
慌てて郡司がまくり、松浦が合わせて出る。労せず番手が転がり込んで松浦と浅井のゴール勝負③=⑤に! ここにマツケン、慎太郎さんが絡んでくれると大妄想(*^^)v アレを持ってるのは慎太郎さんか浅井だし、マツケンも…! ここは4車ボックスで狙ってみても良いかもしれない。さあ、最高峰のGI、激闘を制するのは誰だ!?
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。