2023/09/10 (日) 12:00 54
立川競輪開設72周年記念鳳凰賞典レース決勝メンバーが出揃いました。車番、ライン構成は以下の通りです。
②新山響平(青森・107期)ー⑨守澤太志(秋田・96期)
③眞杉匠(栃木・113期)ー⑧森田優弥(埼玉・113期)ー①平原康多(埼玉・87期)ー⑤佐々木悠葵(群馬・115期)ー⑥高橋築(東京・109期)
④北井佑季(神奈川・119期)
⑦犬伏湧也(徳島・119期)
数あるGIIIの中で、鳳凰賞典を獲りたい選手はたくさんいると思います。グランプリが立川競輪場固定の時代があり、そのまま年始の鳳凰賞典を走るのがステータスでした。平原の「グランプリが終わったら(次の立川記念を走る為)自転車を置いていきます」という言葉が羨ましかったなー。
年始の立川を走ることは一流選手の証のような気がして嬉しくもありました。そして何よりも1番やる気を奮い立たせたのが副賞に「日産車」が付くからでした。スカイラインGT-RにフェアレディZ、シーマにシルビア、インフィニティ、あの当時の日産はキラキラと輝いてました。私は2001年に優勝し、当時のVIPカー(死語ですね笑)セドリックでした。あれは嬉しかったなー。GIを優勝してももらえない車が、立川記念を優勝するともらえるのです。そりゃテンション上がりますよね。前検日からバンクの真ん中にセドリックが置いてあり、それがまた華やかでした。指定練習をしながらまじまじと見てましたね。いつしか副賞の車は無くなりましたが、立川記念と聞くとその当時の気持ちが蘇ってきます。今年は諸事情があり9月に行われています。しかし、メンバーは今が旬の選手たちが揃って、立川競輪の底力を感じました。
立川記念にふさわしく関東勢が充実しました。ライン5車が並ぶことで、レースとしての面白味は減りましたが、考えやすいメンバーになったのではないでしょうか。関東の先頭を走る③眞杉は、吉田拓矢(茨城・107期)の番手で初タイトルを獲ったので、「これからも関東勢を引っ張りたい」と言う気持ちが随所に感じますね。それが、この並びにも現れました。⑧森田も常に積極的なレースをするので、関東誰もが納得する並びだと思います。基本スタイルは前受けして突っ張り先行だと思いますが、それを許してしまうとレースが単調になってしまいます。誰かが動いてレースを動かしたいでしょうが、ラインができるのは②新山だけ、しかも④北井と⑦犬伏が単騎では、ヨコもできる③眞杉を邪魔するのは難しいと思います。関東は基本前受け、②新山が前を取っても中団が取れて、他のラインに睨みを効かせることができます。
S.③⑧①⑤⑥ ②⑨ ④ ⑦
単騎の選手が残り2周で少しでも押さえに行くのが遅いと、③眞杉が突っ張るでしょう。かといって強引に叩いても1人。打つ手がないといった感じです。番手の⑧森田が有利に進められますね。
←⑦
←④
←②⑨
B.③⑧①⑤⑥
・本線
8-13ー1539
関東以外で捌きができるのは④北井ですが、番手は戦闘意欲が高い⑧森田、しかも枠も悪いとなると分が悪い。初手で関東勢の後ろを回れる②新山が、残り2周から先行争いをすることは考え難く、単騎勢が③眞杉相手に先行争いするとも思えないので、ここは素直に関東で考えました。さて、どんな決勝戦になるのでしょうか。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。