2023/10/09 (月) 12:00 43
熊本競輪開設73周年記念「火の国杯争奪戦」IN久留米決勝メンバーが出揃いました。メンバー、ライン構成は以下の通りです。
⑥松岡辰泰(熊本・117期)ー①嘉永泰斗(熊本・113期)ー⑧中本匠栄(熊本・97期)ー④塚本大樹(熊本・96期)
②郡司浩平(神奈川・99期)
③新山響平(青森・107期)ー⑨菅田壱道(宮城・91期)ー⑦永澤剛(青森・91期)
⑤山田久徳(京都・93期)
初日特選で、地元期待の嘉永が落車する波乱のスタートとなりました。それでも決勝まで進んだことは立派です。岸和田・高松宮記念杯の古性優作(大阪・100期)も初日に落車しながら優勝したことが記憶に新しいですが、大切なシリーズで1走目から落車することは、精神的ダメージがものすごく大きいです。
厳しいトレーニングや休養を入れて、目標とする大会でベストのパフォーマンスが出せるように調整しています。それが台無しになるだけではなく、打撲でどこかが痛い上に擦過傷もある。お風呂も満足に入れず、風呂上がりには自分で処置もしなければいけない。転んだ夜は傷口のバイ菌を殺そうと発熱します。ピリピリと痛むので満足に寝ることもできません。私は痛み止めや熱冷ましを飲んで寝床に入っていました。
そんな中で嘉永は結果を出そうとしています。次の日の二次予選は1着でしたが、レースの組立が自信なさそうでいつもの走りとは全く違いました。続いて準決勝、東矢圭吾(熊本・121期)の番手からホームまくり。残り1周で郡司が見えたのでとっさの反応で前に踏みました。普通なら一息付きたいところを、すぐに仕掛けて2着。落車後で自信がない中「力を出して負けたのなら仕方ない」と思える走りに成長を感じました。
そして迎えた決勝戦。前を志願した⑥松岡の先行が有力です。徹底先行の③新山がどのように走るのかが焦点ですね。二段ロケットを一人で戦うには限界があります。無理をせず残り1周で仕留めようとするでしょう。③新山のレースは前受けして突っ張り先行が得意なので、是が非でも熊本勢は前受けしてレースを進めたいでしょうね。
S.⑥①⑧④ ② ⑤ ③⑨⑦
単騎の②郡司や⑤山田は「自力というようは流れを見てうまく走りたい」や「自力自在」と言うコメントです。しかし、熊本勢の誰かが千切れて入ったりするのは別問題として、最初から番手や3番手を狙うレースはないと考えます。②郡司も⑤山田も時には番手を回る選手ですから、ここで分断して地元勢から恨みを買い、今後自分もやられることを考えたら得策ではないからです。⑥松岡が前受けして突っ張りそうなので4、5番手を取ってレースの流れを見るでしょう。そして③新山が最終ホームで仕掛けます。
←③⑨⑦
H.⑥①⑧④ ② ⑤
①嘉永は③新山の動きだけ見て前に踏むでしょう。
←③⑨⑦
B.←①⑧④ ② ⑤
⑥
この捲り合戦は①嘉永が勝つと考えます。③新山は7番手から巻き返すので、途中で②郡司や⑤山田を乗り越えなければならず、越えたとしても2角捲り程スピードが乗らないと考えたからです。
・本線
1=28ー425
・別線
2=5ー189
①嘉永が2年前に優勝した時はエースの扱いではありませんでした。しかし今回は1番車をもらい、自他ともに認めるエースとして決勝戦を走ります。どういう結果が待っているでしょう。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。