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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯予想】南関勢・川越勇星が確実に先行したいなら前受け突っ張りだが…/ヤマコウ展望

2023/08/29 (火) 12:00 49

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 松戸競輪開設73周年記念燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯決勝メンバーが出揃いました。メンバー、ライン構成は以下の通りです。

④岩本俊介(千葉・94期)ー①和田健太郎(千葉・87期)
⑧岩谷拓磨(福岡・115期)ー②小川勇介(福岡・90期)
⑤平原康多(埼玉・87期)ー③諸橋愛(新潟・79期)
⑥川越勇星(神奈川・111期)ー⑨深谷知広(静岡・96期)ー⑦大森慶一(北海道・88期)

 今節は南関地区の開催なので、郡司浩平ー深谷知広が中心となり平原康多率いる関東勢をどう迎え撃つのが焦点でした。南関地区と関東地区の選手が充実しすぎて、他の地区は戦力的に手薄でしたね。

 私が密かに注目していた吉田有希(茨城・119期)は、西武園オールスターで不振から脱出する手掛かりを掴んだように見えましたが、もう少し時間がかかりそうです。初日の一次予選で捲れなかった事が、二次予選にも響きました。吉田に限らず、リスクヘッジとして自力型がヨコを覚えることは大切です。しかし、戦法が定まりきらないリスクもあるので、自分がどう戦いたいのかを常に考えることも必要ですね。

 決勝は郡司が脱落しましたが、⑨深谷知広(静岡・96期)を始め南関勢が充実しました。⑥川越の後ろが⑨深谷になり、地元の④岩本は別線で走ります。⑥川越は「深谷さんは時代を作ってきた選手なのでしっかりと力を出し切りたい」とコメントしています。「やることは一つ」の心境でしょうね。地元の④岩本ー①和田は、そこの4番手はキープしたいでしょう。車番的に出来そうですが、④岩本が混戦を得意としないので、⑤平原あたりに邪魔されないことが条件です。

 確実に先行したいなら前受け突っ張りですが、脚力で劣る⑥川越がミッションを遂行できるかどうかは未知数です。叩かれたら巻き返しは難しいでしょうね。⑥川越が前受けしたら、外枠の⑤平原が押さえに来るので先行は出来そうです。ただ前受けさせてくれるかどうかは、他のラインの兼ね合いもあるので確実とは言えません。まず前受けで考えてみます。

S.⑥⑨⑦ ④① ⑧② ⑤③

 残り2周で⑥川越が突っ張ります。

    ←⑤③
2.←⑥⑨⑦ ④① ⑧②

打鐘.←⑥⑨⑦ ④① ⑧② ⑤③

       ←⑧②
    ←④①
 ←⑨⑦       ⑤③
H.⑥

 ホームあたりで仕掛ける④岩本や⑧岩谷の動きを見て⑨深谷が番手から発進するのが本線ですね。

・本線
9ー7ー123

 問題は前受けできるかどうか。私は1番車に和田が入っていることに注目しました。④岩本の立場で考えたら、突っ張り先行の可能性が高い⑥川越ラインを入れることで、先手の4番手を初手から回れることは大きいです。①和田にスタートを頑張ってもらい⑥川越ラインを入れたら4番手が回れます。それが出来なかったら千葉ラインの優勝は難しいですね。仮に⑧岩谷に取られるとどうなるでしょう。

S.⑧② ④① ⑤③ ⑥⑨⑦

 決勝戦は自力にこだわる④岩本が前中団、後中団が⑤平原、後ろ攻めが⑥川越です。位置取りは⑤平原の方がこだわると思いますが、前受けの⑧岩谷も⑤平原なら突っ張るでしょう。

    ←⑥⑨⑦
打鐘.⑧② ④① ⑤③

H.⑥⑨⑦ ⑧② ④① ⑤③

 結局のところ、⑨深谷の番手捲りが決まる結論に達しました。⑧岩谷が⑥川越を突っ張るような展開になれば、④岩本ラインにもチャンスが巡ってきそうです。

・別線
4=1ー532

 地元勢が優勝するには、⑧岩谷の動きがカギになりそうですね。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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