2021/04/25 (日) 12:00 2
武雄競輪場で開催されている「大楠賞争奪戦(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時30分発走予定。
武雄は宿舎に温泉が定番。風呂の好きなオレには最高の環境だった! 評論家として共同通信社杯に訪れたときは、宿舎の温泉に入ることはもちろんできなくなったが…。宿泊先のホテルが武雄温泉街の真ん中にあり、掛け流しの温泉入り放題…! 最高だ!
初日だったか2日目だったか忘れたが、千代さん(OB久保千代志さん)が朝の元湯へ誘ってくれたことがあった。温泉には浴衣に下駄が定番。この正装で『ゲゲゲの鬼太郎』よろしくカランコロンと元湯へ。すっかり気分は観光客だ。しばらく歩いて向かった先に武雄温泉楼門というものがあり、竜宮城を思わせる景色が目に飛び込んできた! 元湯は昭和? 大正? 明治? にタイムスリップしたようなレトロな佇まいで、気分はMAX!
すでに地元のお歴々が黙って入浴している! 千代さんが先に身体を流し湯船に浸かる。「それではオレも」と湯船に足を入れた途端…「アーチッチッ\(>_<)/」ヒロミ郷のフレーズのような絶叫で飛び出てしまった! 足をさすりヒーヒー唸るオレに全員の視線が集まる…。この時点でオレは晒し者に…!
とりわけシワの中に目があるような地元の重鎮が「ニヤリ」と熱視線を送っていた! あまりの熱さにオレは石川五右衛門か? とワケわからんことを思った。かたわらで平然と湯船に浸かる千代さんに「熱くないの?」と尋ねれば『熱湯(あつ湯)が好きなのだ!』とのこと。これに浸かれば、喋ることはおろか、動くことすらできね〜。お歴々の沈黙がわかった!
競輪も温泉も奥が深い! 共通することは『自分の身の丈にあったやり方(入り方)』が大事だということ! それを思い知らされた一幕だった!
準決勝10Rは近畿勢の前受けから、岩本俊介が叩きさらにその上をジャン過ぎに清水裕友が叩く。展開的に引くか迷うところだが、躊躇なく近畿勢を出させ、まくった清水には迷いがない! 山田英明に抜かれたのは、脚を使ってのことなので仕方ないだろう。
11Rは伊藤颯馬が先頭の九州4車が発進体勢だったが、前受けした竹内雄作の抵抗があり空中分解。松浦悠士がホームまくりを決めマーク小倉竜二が差し切り、ライン決着となった。小倉の仕上がりの良さが際立っていた。
12Rは展開に注文をつけることなく、郡司浩平が前受けから受けて立つレースでまくり圧勝。順当に決まり、決勝戦はSS班4人が対戦、レースが締まり面白くなった!
まずは決勝戦の並びから。⑧山田庸平-①山田英明の兄弟ライン、⑤清水裕友-③松浦悠士-⑦小倉竜二-⑥室井健一の中四国4車。②郡司浩平-④岩本俊介-⑨佐藤慎太郎の南関混成トリオの三分戦となった。スタートは郡司の前受けで、ここに山田兄弟。後方から中四国勢となるだろう。(⇐②④⑨・⑧①・⑤③⑦⑥)
勝負どころで清水が押さえ、行く気満々の山田兄弟を受ける。清水が郡司の仕掛けに合わせまくり、松浦が差す。普通に考えて松浦の武雄記念連覇の公算が大きい。あっても小倉の流れ込みまでじゃあねえのかな〜。…でも待てよ! 初日に郡司は逃げたっけな…。
清水ラインが前受けなら、山田兄弟がインを切り、郡司が逃げられる。番手の岩本が初日みたいに牽制をし、清水のまくりを止めるとすれば…!? その時Vロードはがら空きになるじゃねえか(^^)v となれば慎太郎さん、しばらく決勝戦に乗れてねーし、ここは千載一遇の大チャンスをモノにするだろう。
この展開になると相手は清水と松浦が浮いたところを内へ切り込み突っ込んでくる小倉竜二が濃厚! ベテランマーク屋による大穴妄想決着だべ!
地元戦で勝ちたい山田兄弟にもみどころがあるが…。弟・庸平の発進で、兄・英明が利する展開も気になるが…いかんせん手薄だと思うが果たして!?
オレの頭の中で「身の丈」と叫ぶ誰かがいる…(-_-)
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。