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鈴木誠のハイブリッド展望

【阿波おどり杯争覇戦】決勝は犬伏と新山の先行争いに! その激しい争いを後方から差し切るのは、完全優勝を狙う郡司!/鈴木誠の展望

2023/07/09 (日) 12:00 8

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小松島競輪場で開催されている阿波おどり杯争覇戦の決勝レース展望です。

単騎戦となった松浦は、レース巧者ぶりを生かして上位を狙っていく!

 【阿波おどり杯争覇戦】が開催されている小松島競輪場ですが、昨年のコラムでも書いたように、宿舎の目の前が海という素晴らしいロケーションをしています。

 また、地元のお祭りと開催が重なる時期になると、町内を練り歩いている阿波踊りの方々が、宿舎の駐車場までやってきてくれることもありました。

 選手たちもそれを楽しみにしているなど、非常にリラックスできる環境ではあるのですが、海に近い分、風の影響を非常に受けやすいバンク内では、シビアな戦いが繰り広げられています。

 地元勢が名を連ねた準決勝でしたが、決勝に勝ち上がってきたのは3人となります。その並びは犬伏選手-小倉選手-久米選手となり、中四国で幾度となくラインを組んできた松浦選手は単騎となりました。

 他には南関東ラインが郡司選手-内藤選手、北日本ラインが新山選手-坂本選手。宿口選手も松浦選手と同様に、単騎と選択しています。

 決勝の見どころとなるのが、新山選手と犬伏選手の先行争いと言えるでしょう。

 新山選手は残り2周から突っ張り先行で逃げ切った、二次予選のレースは圧巻であり、単騎戦となった準決勝でも、その強さは際立っていました。

 一方の犬伏選手も、初日の特選では番手の小倉選手を置き去りにしていっただけでなく、準決勝でもSS班の松浦選手が引き離されていくような加速を見せていました。

 ただ、初日から3連勝という成績にも表れているように、この2人よりもレースぶりに安定感があるのが郡司選手です。

 この決勝は展開も郡司選手に向きそうです。車番的にスタートを取るのは犬伏選手と思いますが、最後方から新山選手が抑えて先行態勢に入った場合、その3番手をすんなり奪えそうなのは、徳島ラインの後ろにいる郡司選手となるからです。

 ここで犬伏選手が下げずに新山選手ともがき合うようだと、後ろにいる郡司選手にとっては更に願っても無い展開となります。

 もし、スタートを取ったのが新山選手だったとしても、後方となった徳島ラインが抑えに行った時に、新山選手がそのまま行かせることはないでしょう。

 いずれにせよ、後ろから2人の争いをじっくりと見られる、郡司選手が有利となる展開しか思い浮かびません。

 怖いのは一瞬のスピードを見せた犬伏選手が、後方から1人だけで新山選手を捲り切る展開となった時でしょうか。この展開となれば、犬伏選手の後ろに入った新山選手に勝機が見えてきますし、いくら郡司選手と言えども、前でかかり切った2人を交わし切るのは難しいと言えます。

 単騎の2人ではこの争いの中でも、いいポジションを取っていそうな松浦選手に食指が動きます。松浦選手は単騎戦を苦にしていませんし、郡司選手よりも早めに、先行ラインの後ろに飛びつくようなレースも想定しているはずです。

 準決勝までの3日間は、風の影響もそれほど無かったようですが、海からの風が強くなるようだと、バンク内のコンディションがガラリと変わってきます。

 自分も現役時は風のチェックをしていましたが、予想をされる皆さんも当日の天気予報で風の強さを見るだけでなく、どの方向に吹いているかを確認した上で予想をされてみてください。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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