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すっぴんガールズに恋しました!

【パールカップ予想】ガールズ初のGI! 東西戦制してグランプリ切符掴むのは実力者か、絶好調の若手か

アプリ限定 2023/06/09 (金) 12:00 26

岸和田競輪場で6月13日から15日まで行われる「第1回 パールカップ」。レースの見どころや注目選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。

(撮影:北山宏一)

 ガールズケイリン初のGIがいよいよ開幕する。このGIで優勝すると12月29日に立川競輪で行われる「ガールズグランプリ2023」の出場権と優勝賞金480万円(副賞含む)をゲットできる。

 総勢28選手による勝ち上がり戦で、同時開催のGI・高松宮記念杯競輪と同様に東西分かれて予選、準決を行う。
 東西予選の上位3人と4着選手のうち選考順位上位1人が、14日の準決勝に勝ち上がる。15日の決勝へは東日本準決勝の1着〜3着、西日本準決勝1着〜3着に加え、東日本、西日本の準決勝4着のうち、予選順位上位の1人が決勝へと勝ち上がる。

 なおナショナルチーム強化指定Aに所属する太田りゆ、梅川風子、佐藤水菜の3人は6月14日から19日まで開催されるアジア選手権に出場するため、今大会は出場辞退している。

東日本の中心は実力者・石井寛子、久米詩は勢いバツグン

 まずは東日本の展望から。

石井寛子
石井寛子(撮影:北山宏一)

 石井寛子が中心だ。今年は年頭から優勝を量産している。1月大垣から3月大宮まで6場所連続優勝。その後も4月武雄、5月京王閣ときっちり優勝と高いレベルの状態を維持している。直近2場所は決勝2着と悔しい結果が続いているだけに、この大会へ懸ける意気込みは増している。勝利、優勝への欲望をむき出しにして全力で踏み込んでくるはずだ。

 岸和田バンクはデビュー当時こそ成績を出せなかったが(14年12月グランプリ5着、15年6月コレクション5着)、18年9月に優勝をすると、21年11月、22年4月と3開催連続で優勝を手にしている。好位確保からの自在戦でガールズケイリン初のGIウィナーの座を狙っていく。

久米詩
久米詩(撮影:北山宏一)

 5月の平塚コレクションを制覇して波に乗るのは久米詩。

 2019年7月にデビューし、自力をしっかり出すことで一歩ずつステップアップを続けている。今年は3月西武園から6月伊東温泉まで6場所連続優勝中と勢いはメンバー中1番といえる。

 成長の要因は昨年秋から参加しているナショナルチームでのトレーニングだ。コツコツと積み上げた脚力をベースに科学的な練習を取り入れて一皮むけてきた。このまま行けば賞金額でのグランプリ初出場も見えてくるが、狙うはGI制覇でのグランプリ出場権ゲットだ。

小林莉子
小林莉子

 ガールズケイリン1期生の小林莉子も気合が入っている。

 今年はここまで優勝6回、賞金ランキング8位(6月8日現在)と好調をキープ。小林のモチベーションはグランプリ出場だ。デビュー以来、グランプリの補欠は昨年を含めて4回経験。毎年出場権争いをしている証拠だが、今年はホームバンク立川での開催。ここで優勝なら出場を確実にできるだけに誰よりも強い気持ちで臨んでいく。

飯田風音
飯田風音(撮影:北山宏一)

 飯田風音は直前の小田原で石井寛子に先着し、今年3回目の優勝を手にした。昨年6月松戸では児玉碧衣に先着した実績もある。ジャイアントキリングなら飯田だ。

 ビッグレースの経験が豊富な鈴木美教、奥井迪、荒牧聖未らは車券に欠かせない存在。藤田まりあ、岡本二菜は初のビッグレース参戦で存在感を示したい。

西日本の注目は輝き戻った児玉碧衣、絶好調の坂口楓華ら

 続いて西日本の展望に移りたい。

児玉碧衣
児玉碧衣

 児玉碧衣の輝きが戻ってきた。昨年末のグランプリで落車し、初めての鎖骨骨折を経験した。1月末の地元久留米から復帰をするも、満足のいく成績を残すことができなかった。しかしレースを数多く走ることで、レース脚を取り戻していくと、3月高松で今年の初優勝を達成。

 同月末に鎖骨を固定していたキルシュナーを除去すると、一気にスピードアップ。3月小田原以降は5場所連続完全優勝と気配は上向きだ。

 岸和田バンクは17年3月に3連勝の完全優勝を決めると、18年3月、19年2月、21年8月、22年12月と5回連続で完全V。相性抜群の競輪場だ。スタートダッシュに失敗し、賞金ランキングでは出遅れているが、ここで優勝してグランプリ出場権を確実に手にしたい。

柳原真緒
柳原真緒(撮影:北山宏一)

 昨年の賞金女王・柳原真緒も見逃せない。ガールズケイリンのシンボルとして今年は年頭からフルスロットルで走っている。

 4月富山開催後に体調を崩した影響で、5月はコレクションを含めて結果を残せていないが、本番までにはきっちり立て直してくるはずだ。

 5月中旬には岸和田で高松宮記念杯参加の男子選手とともに合宿を行った。地元近畿地区で開催されるGI戦だけに栄冠は誰にも渡したくない。

坂口楓華

 坂口楓華も絶好調だ。今年は1月岸和田予選1から5月岸和田予選2まで、負けなしの32連勝を達成。上昇ムードでGI戦に臨む。

 パワーアップの秘訣(ひけつ)は市田佳寿浩(76期・引退)の指導を受けたこと。昨年までとはレースの組み立て、力の出し方が全く変わっている。今の強さならGI優勝も狙える状態だ。直前の京王閣でも力の違いを見せつけて3連勝の完全優勝。勢いなら一番だ。

 山原さくら、小林優香はレースの欠場が続いているだけに本番までの練習と調整が鍵を握る。尾方真生は近況先行回数が減っているだけに、GI本番で強気に攻められるかがポイント。

日野未来
日野未来

 地元近畿地区から参加は4人。前記の柳原、坂口に加えて、吉川美穂、日野未来の布陣で臨む。

 吉川は春先の不振から脱出。直前は和歌山、武雄と連続優勝で波に乗ってきた。日野は3月前橋を最後に優勝がないのが気がかりだが、昨年6月の松戸では児玉碧衣、奥井迪をまとめて倒した実績もあり侮れない。

杉浦菜留
杉浦菜留

 ガールズケイリン1期生の野口諭実可はここまでの選手生活で今が1番充実している。追走技術にタテ脚が付いてきただけに一撃の魅力は秘めている。

 ビッグレース初出場の杉浦菜留も見逃せない。脚をためてまくり一撃が決まれば好配当は必至だ。

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松本直

千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。

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