宇都宮競輪開設74周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」決勝メンバーが出揃いました。

⑧山田雄大(埼玉・117期)ー①眞杉匠(栃木・113期)ー⑤佐々木悠葵(群馬・115期)
②浅井康太(三重・90期)ー⑦内藤秀久(神奈川・89期)ー④佐々木雄一(福島・83期)
⑥久田裕也(徳島・117期)ー③松浦悠士(広島・98期)ー⑨岩津裕介(岡山・87期)

　函館記念や今節の宇都宮記念は、平塚ダービーの刺激があったのか113期以降の選手の活躍が目立ちます。今の競輪界は縦脚があるベテラン選手が多いので、若手の選手が活躍しにくい状況でした。しかし、ようやく風穴が開き始めた印象です。

　ベテラン選手の活躍もいいですが、若手選手の活躍もファンは欲しています。自分の戦法を無視してラインに貢献するレースが多い中で、新山響平(青森・107期)と眞杉匠の走りは、それとは異なるものでした。自分の戦法に対する意地と意地のぶつかり合い。両者の走りは観るものに車券を越えた楽しみを与えました。平塚ダービーの準決勝の2人の死闘は、勝った新山はもちろん、負けた眞杉にも拍手喝采が送られました。

　そして今節、眞杉の地元宇都宮競輪場に舞台を移して戦うことになります。地元で必勝を期す眞杉にとって、新山を倒さなければ優勝はありません。ただ、勝ちも求められるのでどう走るかを注目しました。結果は、地元でも何ら変わりなく新山と先行勝負をする眞杉の姿が印象に残りました。

　私たちは、新山と眞杉の走りのどこに熱狂するのか。それは憧れや共感だと思います。誰でも自分の意地を貫きたいと思っているはず。しかし、自分の意地を通すことで誰かが迷惑する、あるいは自分が損をするなど、トータルで考えると好きなように生きることは簡単なようで難しいです。そんな自分を投影し、勝ち星以上に意地を貫く選手がファンの琴線に触れるからだと思います。

　2次予選、両者は共に先行逃げ切りで意地を見せ合いました。しかし、10R新山が準決勝で姿を消したことに加え、11Rを終えて地元勢が誰一人と勝ち上がっていません。あの状況で、眞杉はよく耐え抜いたと思います。相当なプレッシャーがあったでしょう。

　決勝戦は、そんな①眞杉の前を走る⑧山田は先行意欲が旺盛だと推測できます。ただ、それは⑥久田も同じことで「先行は絶対したい」と思うなら内枠の方が有利です。前受けして、誘導退避線目掛けてダッシュすることが一番先行し易いですね。ですから関東ライン有利です。②浅井は両ラインの戦況を見極めることができるいい車番です。

Ｓ．⑧①⑤ ②⑦④ ⑥③⑨

打鐘．　←⑥③⑨
　　　←⑧①⑤ ②⑦④

　②浅井は関東ラインをしっかり追走することが大切になります。先行争いの末に③松浦あたりが前に入ると、優勝のチャンスが遠ざかります。

　　　　⑥③⑨
Ｈ．⑧①⑤ ②⑦④

　　　　　　　　　　⑥
　　　　　　←③⑨
Ｂ．←①⑤ ②⑦④
　　　　⑧

　優勝が近いのは①眞杉ですね。③松浦は外に浮かされると、今の調子では苦しいと思って削りました。

1＝5ー3297
1ー2ー5739

　新山が準決勝を敗退したことで、①眞杉には見えない地元の力が働いていると感じます。函館記念の嘉永泰斗(熊本・113期)に続けるかどうか楽しみですね。