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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

何のために走っているのか、今自分に何ができるのか

2020/12/15 (火) 14:00 9

本日から70期代のレジェンドこと金子貴志選手が連載開始(月1回)。決してあきらめない不屈の精神を持つ金子選手。選手としてはベテランの域になる45歳を迎えても、変わらずGIの頂点を見据えています。
このコラムでは競輪選手としてだけでなく、一人の40代の男として、競輪界全体のこと、レースのこと、趣味のことなど、「金子貴志の人生」を綴ります。どうぞお見逃しなく!


愛知・豊橋の金子貴志です

 netkeirinをご覧になっている皆様、生まれも育ちも愛知県豊橋市の競輪選手、金子貴志です。五輪を目指していた20代から30代。夢は幻に終わりましたが、本業の競輪ではGⅠ(年間6回の大きな大会)を2度、毎年12月30日に行われる「KEIRINグランプリ」でも優勝しています。実は3つのタイトルは全て同じ年、2013年なんです。

2013年、3つのビッグレース(GP・競輪祭・親王牌)を制した(写真:本人提供)

 そして「全日本プロ選手権自転車競技大会」、これは各地区の大会を勝ち上がった競輪選手の全国大会で、競輪とは違った純粋な競技大会なんです。私はスプリントで4度日本一になれました。

4度日本一に輝いた全日本プロ選手権自転車競技大会スプリント(写真:本人提供)

 ちなみに以前、記者さんから「修行僧」みたいだと言われたことがありました。髪も短いし無口なイメージがあるみたいです。でもそんなことは全然ないですからね(笑)。記念すべき第1回目のコラム、稚拙な文章ではありますが、競輪界発展のため、少しでもお役に立てるように頑張っていきます。

今、何のために走っているのか

 競輪選手としては11月のGⅠ競輪祭で、今年のGⅠが終了しました。残念ながらタイトルは取れませんでしたが日々、ファンの声援に後押しされ、頑張れました。来年こそは4つめのタイトルを獲れるように、いっそう努力していきます。

 競輪選手のトレーニングは過酷です。これは驚かれるかもしれませんが競輪選手は、個人事業主なんです。ですから強くなるのも、弱くなって引退するのも全て自分の責任ということになります。私は45歳になりますが、支えてくれている家族のために走っています。もちろん、暖かい声援を送ってくれるファンの方々もですが、やはり自分の時間を削ってまで、私に合わせてくれた家族、特に妻には感謝しています。

家族への感謝を胸に日々過酷なトレーニングに励む(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

勝つことだけではなかった

 20代から五輪出場を目標に掲げてきました。出場することはできませんでしたが、アジア大会、世界選手権では日の丸を背負って戦いました。大きなものを背負うと、目線、考え方、意識も変わって、結果的に競技で培ったものが、競輪にも繋がり、成績は良くなりました。当時は勝つことが評価の対象。勝つことがファンの方々への恩返しだと思っていました。今でもそういう気持ちは変わりません。しかし、それだけではないと気づいたのです。

 以前競輪以外のイベントに参加した時に、競輪選手の知名度の低さを感じました。そういうことがあって、考え方を根本的に変えました。2019年5月からYouTubeチャンネル「カラフルスタイル」やインスタグラム、ツイッターを始めました。競輪の素晴らしさを興味のない人達にも知ってもらうためです。競輪選手が新聞に載るのはギャンブル面がほとんどですが、スポーツ面でも取り上げてくれるように認知度をあげていきたいです。

YouTubeではバンクにテントを持ち込むユニークな企画も(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

ソロキャンプの様子なども配信(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

選手の素顔が見えるように工夫して撮影(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

競輪をもっとメジャーに

 今、私がやらねばならないのは競輪界を“外界”へアピールすることです。ファンの期待に応えればいいと思っていた20、30代。それから家族のありがたみに感謝し、家族のために走ろうと。そして今、競輪とユーチューブの二刀流で、悔いが残らないように全力で頑張っています。

 競輪の素晴らしさを、一般の人にも分かって貰いたいと、心の底から思っています。歩いていて「競輪選手の金子さんだ」と声をたくさんの方にかけてもらえるように、これからも頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします。

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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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